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Architects

村上 千賀子

えぬぷらす一級建築士事務所

〒540-0031 大阪市中央区北浜東1-14天満橋 D’sコート703
06-6966-0696
https://arch-n-plus.jp/

一級建築士
福祉住環境コーディネーター
j.Pod&耐震工法協会会員
一般社団法人 新木造住宅技術研究協議会
関西支部会員

略 歴
大阪市立大学生活科学部住居学科卒業
1997年にアトリエクウ一級建築士事務所を設立
2001年にえぬぷらす一級建築士事務所に改称

賞 歴
和歌山県ふるさと建築景観賞・建築物部門(住宅)
第8回「あたたかな住空間デザイン」コンペティション
住宅デザイン部門「大阪ガス賞」受賞
福岡ギフトショーディスプレイコンテスト
大賞
第5回大阪の住まい力アップ リフォーム・リノベーションコンクール
大阪の住まい活性化フォーラム会長賞

Works

の作品

Interview

インタビュー

Q:建築家として大切にしていること、得意としているところを教えてください。

家づくりで一番大切にしているのは、住む方に喜んでもらうことです。
どんな家に住みたいと思っているのか、その方の好みに合わせた空間づくりのためにも、ヒアリングには十分時間をかけるようにしています。
その上で、実際に手を動かす現場の施工者とも共通のイメージを持っていないと方向性が変わってきてしまうので、信頼できる工務店に依頼をすることも重要と考えています。

特に、家の断熱性や気密性を高めることの重要性については、初めて一緒に仕事をする工務店であれば、必ず最初に勉強会を開いています。
私だけではなく、気密部材等を扱うメーカーの方にも来てもらい、施工に関わる全員で知識を深めていきます。
そうすることで、施主さんの好みに寄り添いながら、断熱性・気密性も意識した住まいが完成するのです。

どちらかと言えば、私は新築の設計よりリノベーションの方が好きです。
出来上がった空間を前と比較して、「こんなに変わったんだ!」と驚いてもらえるのがすごくうれしくて!高気密・高断熱という機能とデザインをマッチングさせる難しさはありますが、
例えば、いま住んでいる家が「寒くて仕方がない」というオーダーに対して、「階段の位置も変え、動線を良くしたらもっと喜ばれるだろうな」と想像するのも楽しいですし、
実際に喜んでもらえることでやりがいも感じています。

ただ、リノベーションやリフォームをした場合では、新築のように気密性能のレベルを最大値にすることが予算上難しい場合もあるので、
感覚や経験をもとに作業を行う部分も多くあります。
そのためリフォームが終わった後も季節毎に、住んでいる方には暑さや寒さに関するヒアリングを実施しています。
「エアコンをつけないでも平気です」「マンションに住んでいた時よりも光熱費が安くなりました」「以前の家とは全然違います」など、体感が出ている感想をいただけた時が、
ひと仕事終わったな、とホッとする瞬間ですね。


〝高気密・高断熱〞は予算に合わせて採り入れる

Q:なぜ「高気密・高断熱」がいいのか、その採り入れ方も教えてください。

最近では「高気密・高断熱」という考え方を勉強されてから相談に来る方もいらっしゃいますが、特に健康面からヒートショックの事例などを踏まえて説明をしています。
また「高気密・高断熱」にすることで夏は涼しく、冬は暖かさが保てるため、光熱費を抑えられるというメリットがありますね。
部屋ごとの温度差がなくなるので、トイレや脱衣所の寒さも軽減され、家の中で活動的に過ごせるようになるのがいいところ。

このような高気密・高断熱な家にするためには、窓の種類を方位毎に変える、窓からの日射取得と遮蔽をコントロールするなどの設計上の工夫が必要です。
基本的に24時間換気を行っているため、エアコンをつけて窓を閉め切っていたとしても空気は循環されます。
熱交換換気を採用すれば冷気や暖かい空気を窓開けによる換気で逃がすことがないというのもメリットのひとつでしょう。

ただし、家全体を高気密・高断熱にするとかなりの費用が掛かります。
予算が限られているリノベーションの場合では、普段生活するLDK・寝室と水回りだけ高気密・高断熱化するといった部分的な断熱・気密リノベーションをご提案することもあります。
いずれにしても地球温暖化防止のためにも、省エネ住宅はなくてはならないものになってきています。


女性ならではの視点によるニューノーマルな家づくり

Q:女性の建築家として考える、独自の視点はありますか?

昨今のコロナ禍以降、自宅にリモートワーク用の仕事スペースをどう確保するかを考える方が増えたように感じています。
そのほかにも、玄関を入ってすぐの場所に洗面所をつくってほしいという要望も増加しています。
実は、私はコロナ禍前から玄関に洗面所を設置する設計をしていました。手洗いのためとは言え、お客さんに洗面所を見られるのって、女性からすると心理的に嫌なんですよね。
あと、子供に「すぐ手を洗いなさい」と言ったばかりに、キッチンのシンクで手を洗われるのも嫌だったりするんです。
そんな時、玄関に洗面所があればプライベートが守られて、子供の手洗いも習慣づけられます。設置コストも大きくはかかりません。

他にも、子育てをしながら働くお母さんも少なくないので、「家族が手伝いをしやすくなるようなキッチンにしませんか?」と提案することも多いです。
キッチンに立てば部屋の中を見渡せて、家族がいま何をしているのかが把握できると「やって欲しいこと」の指示もしやすくなりますよね。
だからと言ってオープンになり過ぎず、家族がそれぞれパーソナルスペースを保てるようにしながら、
お互いの気配も感じられるようなちょうどいい距離感の空間構成を考えるようにしています。
子供がワーッと騒いでも散らかしていても、遊び場とリビングのメリハリがついていれば、仕事に家事に忙しい日々の中でも、
少しだけ気持ちに余裕を持ちながら過ごせるのではないでしょうか。
どのくらいの距離感が適当なのかは家庭によってさまざまなので、その関係性を感じ取るためにも、やはりヒアリングは欠かせませんね。


〝ずっと住みたくなる家づくり〞には家族にとって大切にしたい生活スタイルを見つけ出すことが重要

Q:家づくりにおける考え方についてアドバイスをお願いします。

冒頭でもお伝えしましたが、私が設計を行う際に一番大切にしていることは、〝住む方に喜んでもらうこと〞。
そのためにも打ち合わせは念入りに行い、施主さんとのヒアリングを重ねる中では、デザインなどの好みを把握するだけでなく、
家族の距離感やご夫婦の関係まで読み取るようにして、提案を行っています。
建築は専門用語も多く、わからないことや難しいことも多くあるかもしれませんし、特に高気密・高断熱のような考え方については、すべて建築士にお任せされる方も実際には多いです。
技術的な面はこちらに任せて頂き、「どんなライフスタイルを好むのか、家でどういう時を過ごしたいのか」をイメージして下さい。

そして、ご家族でじっくり話し合ってみて下さい。それに対して具体的な提案をいろいろさせて頂くのが私たちのお仕事です。
一般的に、建築事務所への相談は敷居が高いと思われているようですが、メールや電話でのアドバイスも行っていますので、気になることや質問があれば気軽に連絡してくださいね。