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住まいづくりを考えるブログ

2026/01/13住宅性能全般

【2026年版】既存住宅の断熱リノベ補助金を徹底解説 ― 最大200万円超を活用して「寒い家」を変える! ―


新築住宅の価格上昇を背景に、「建て替え」ではなく「中古住宅購入+断熱フルリノベ」や、「今住んでいる家の性能向上リノベ」を選ぶ人が増えています。
ただし、中古住宅価格やリノベ費用も上がっているのが現実です。

そんな中、2026年度は既存住宅の省エネ改修に対して、非常に手厚い国の補助制度が用意されています。
工事内容によっては、1戸あたり200万円を超える補助を受けられる可能性もあります。

この記事では、2026年度の既存住宅向け補助金について、制度の全体像から具体的な使い方、注意点までを、家づくり・リノベの視点で分かりやすく解説します。


住宅省エネ2026キャンペーンの全体像


国は家庭部門の省エネ化を進めるため、ここ数年、国土交通省・経済産業省・環境省の三省が連携した大型補助制度を継続的に実施しています。
2026年度も「住宅省エネ2026キャンペーン」として、複数の補助制度をパッケージ化して展開されています。
縦割りになりがちな日本の行政において、三省が連携して補助制度を設計している点からも、住宅の省エネ性能向上が国の重要政策課題であることが分かります。

一方で、補助金の予算総額は年々やや減少しており、国としては「市場への導入促進」という役割は一定程度果たしつつあるとも読み取れます。
だからこそ、断熱リノベを検討している方にとって、2026年度は補助金を活用できる現実的なタイミングだと言えるでしょう。

既存住宅で使える3つの主要補助制度


2026年度、既存の戸建住宅のリノベーションで活用できる主な補助制度は、次の3つです。

1つ目が、先進的窓リノベ2026事業。
2つ目が、給湯省エネ2026事業。
3つ目が、みらいエコ住宅2026事業(既存住宅の省エネ改修)

これらはなんと併用が可能です。
工事内容を分けることで、合計補助額が200万円を超えるケースもあります。

ただし、同一の工事箇所に複数の補助金を重ねることはできないため、窓断熱、給湯、躯体断熱などを役割分担して使うことが前提になります。




 

各制度の予算規模と補助額の考え方


2026年度の予算を見ると、先進的窓リノベ事業は約1,150億円、給湯省エネ事業は約570億円、みらいエコ住宅2026事業(リフォーム分)は約300億円とされています。
合計すると約2,020億円で、前年よりは減少しています。

ただし、これは「既存住宅の省エネ化が重要でなくなった」という意味ではありません。

既存住宅の断熱リノベが一定程度普及したため、補助金が「導入初期の強力な後押し」から「現実的な支援水準」に移行してきたと見るのが自然です。


みらいエコ住宅2026事業(既存住宅)の位置付け


みらいエコ住宅2026事業は、新築と既存住宅の両方を対象とした補助制度で、新築ではGX志向型住宅が注目されています。
既存住宅の場合は、省エネ改修が対象となります。

必須工事として求められるのは、開口部(窓・玄関ドア)の断熱改修、外壁・屋根・天井・床といった躯体断熱改修、そしてエコ住宅設備の導入です。

エコ設備には、高効率給湯器だけでなく、節水型トイレや高断熱浴槽、換気設備なども含まれます。

ただし、補助額の上限を考えると、窓と給湯器は別制度を使い、みらいエコ住宅は躯体断熱や設備の一部に充てるのが、現実的な使い方になります。

 

補助額が40万円から100万円まで幅がある理由


みらいエコ住宅2026事業では、補助額が40万円から100万円と幅があります。
これは、改修前の住宅がどの省エネ基準レベルか、そして改修後にどこまで性能を引き上げるかによって補助額が変わるためです。

実務上は、建築年で大まかに判断します。平成3年以前に建てられた住宅は省エネ性能が低いため補助額が高く、平成10年以前の住宅はやや低めになります。
また、改修後に平成11年基準相当か、平成28年基準相当かによっても補助額が変わります。

なお改修後の性能レベルの判定には省エネ計算が必要となるため、リフォーム会社に計算対応が可能かを必ず確認してください。

建てられた年によって補助額が異なってくるのは、建築年によって既存住宅の省エネ性能が違っているという考え方に基づいています。

国は新築住宅に対して要求する省エネ性能レベルを省エネ基準として定めており、これが、何年かごとに基準が変更されています。

図のように、平成4年以降だと、平成4年基準、そして次世代省エネ基準というぜんぜん次世代レベルでないのにややこしい平成11年基準、そして現在の基準は平成28年基準になっています。

それ以前は、昭和55年基準という、ペラペラの断熱材をちょっと入れるレベルの省エネ基準がありました。

ちなみに、平成11年基準と平成28年基準では、要求されている断熱性能はあまり変わっていないのですが、設備性能も勘案した省エネ性能は少し厳しくなっています。


先進的窓リノベ2026事業のポイント


先進的窓リノベ2026事業は、既存住宅の省エネ改修の中でも、窓と玄関ドアの断熱性能向上に特化した補助制度です。
住宅の熱の出入りのうち、半分以上が開口部から発生するとされています。

国全体の省エネや、居住者の健康・快適性向上の費用対効果という観点で、国がこの分野を重点的に支援しているのは、極めて合理的な判断だと言えます。

この制度は、一定の補助率ではなく、窓の断熱工事内容×窓サイズ×断熱グレードで、補助額が決まります。

2026年度は補助上限が1戸あたり100万円に引き下げられましたが、それでも補助率は工事費の4〜5割程度になるケースが多く、依然として費用対効果の高い制度です。

ただし、制度内容は前年から一部見直されており、単に「安く窓を替える」ための補助ではなく、「確実に断熱性能を高める改修」を促す方向へとシフトしています。

補助対象となる工事内容は、内窓設置、外窓交換(カバー工法・はつり工法)、ガラス交換に分かれますが、2026年度から重要な変更点があります。

それは、内窓設置において、従来補助対象となっていたAレベルの製品が対象外となり、より断熱性能の高いサッシのみが補助対象になったという点です。

これまでの制度では、比較的性能の低い内窓でも補助対象となっていました。

ですが、国としては「とりあえず二重にする」レベルの改修ではなく、確実に室内の温熱環境を改善できる性能水準を求める方針に転換したと読み取れます。

実務的に見ると、これにより、製品選定の段階で断熱性能の確認がより重要になりました。



 内窓設置は、既存の窓の内側にもう一つ窓を設ける方法で、工事が比較的簡単なうえ、費用対効果が高いのが特徴です。
断熱性だけでなく、防音性の向上や結露の軽減も期待できるため、「まずは寒さ対策をしたい」という方に向いています。

一方で、壁や外装を含めた断熱改修を同時に行う場合には、内窓では断熱層の連続性が確保しにくいため、外窓交換の方が適しているケースもあります。

外窓交換には、既存サッシの枠を残して新しい窓をかぶせるカバー工法と、窓枠ごと撤去して新設するはつり工法があります。

カバー工法は工期が短く、外壁を大きく傷めずに済むメリットがあります。

一方で、壁も含めた本格的な断熱改修を行う場合は、はつり工法の方が適しています。

壁断熱を同時に行うフルリノベーションでは、はつり工法を選ぶことで、断熱・気密の連続性を確保しやすくなります。
また、先進的窓リノベ事業では、玄関ドアも補助対象となっています。

玄関は窓ほど注目されませんが、断熱性能が低いと、冬場に冷気が侵入しやすく、玄関ホール全体が冷え込む原因になります。

断熱ドアに交換することで、玄関付近の体感温度が大きく改善され、家全体の温熱環境にも良い影響を与えます。

特に、玄関がリビングに近い間取りでは、その効果を実感しやすいでしょう。

重要なのは、補助金額の大きさだけで工法を決めるのではなく、どこまでの性能改善を目指すのか、将来的に他の断熱改修を行う予定があるのかといった点を踏まえて、最適な方法を選ぶことです。
先進的窓リノベ2026事業は、正しく使えば、既存住宅の快適性と省エネ性を大きく引き上げる強力なツールになります。

給湯省エネ2026事業の考え方


住宅で消費されるエネルギーの中で、実は最も割合が大きいのが給湯です。給湯の家庭部門におけるエネルギー消費量は、全体の31%も占めています。
そのため、給湯器の高効率化は、省エネ効果と光熱費削減の両面で非常に有効です。

給湯省エネ2026事業では、エコキュート、ハイブリッド給湯器、エネファームといった高効率給湯器への更新が補助対象となります。

基本補助額は、エコキュートで7万円、ハイブリッド給湯器で10万円、エネファームで17万円です。

そして、既存の蓄熱暖房機と電気温水器を撤去すると4万円と2万円が加算されます。


ちなみに、エコキュートとは、ヒートポンプ技術を使って空気の熱と電気を効率的に利用してお湯を沸かす、省エネ給湯器の愛称です。
ガスを使わず電気でお湯を沸かします。

原発がフル稼働していた時代に深夜電力の有効開発のために開発されましたが、最近はおひさまエコキュートといって、太陽光発電でお湯を沸かすものが普及しています。

太陽光パネルが乗っている、もしくは今回載せるのであれば、いいと思います。

ハイブリッド給湯器とは、電気のヒートポンプとガスの給湯器を組み合わせ、それぞれの長所を活かして効率的にお湯を沸かす給湯システムです。

高い省エネ性とエコキュートの欠点のお湯切れの心配がないことがメリットです。
通常は空気熱を利用するヒートポンプを使うので省エネ性能が高く、タンクのお湯がなくなってもガス給湯器が瞬時にバックアップします。

停電時にもガスが使える環境なら利用できるメリットもありますが、ちょっと値段が高くなります。

エネファームとは、都市ガスやLPガスを燃料に「電気とお湯を同時に作り出す」家庭用燃料電池システムです。

これが、一番値段が高いので補助額も多くなっています

どの給湯器が最適かは、オール電化かガス併用か、太陽光の有無、家族構成などによって変わるため、補助金額だけで決めないことが重要です。



まとめ


2026年度の既存住宅向け補助制度は、断熱リノベを本気で考えている方にとって、非常に有利な内容です。

ただし、補助金ありきで計画を立てると、スケジュールや申請条件でつまずく可能性があります。

本来必要な性能向上をきちんと行った結果、補助金が使えたらラッキー、このくらいのスタンスで、信頼できるリフォーム会社や工務店と進めることが、後悔しない断熱リノベにつながります。