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2024/03/12

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日本の高気密・高断熱住宅事情~「家が寒い」理由と失敗しない工務店選びのポイント~
「今度建て替える家は寒くない家がいい」、もしくは「結露の起こらない家にしたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
それを実現できる家を高気密・高断熱住宅と呼びます。高気密・高断熱住宅とは、健康・快適・省エネな住まいを実現するために、断熱性能を高めるとともに隙間をできるだけ減らしてすきま風を極力減らした住宅です。わずかな冷暖房エネルギーで、暖かさ(夏は涼しさ)を確保でき、とても快適な暮らしを実現できるという点に特徴です。


健康・快適・省エネな住まいを実現するために、まず必ず認識しておきたいことがあります。それは、意外に知られていないのですが、日本の住宅性能は他の先進国よりも圧倒的に劣っているという事実です。工務店やハウスメーカーの多くは、欧米はおろか、今や中国や韓国の基準も満たさない家を建てているのです。このことを知らずに家を建ててしまうと、後悔することになります。

本記事では、日本と世界の高気密・高断熱住宅事情の比較から失敗しない工務店選びのポイントまで分かりやすく解説します。



1. 日本は省エネ性能で他国に後れを取っている

先進国は、どの国も住宅の省エネ性能や断熱性能を決める省エネ基準を定めています。制度面において、日本が後れを取っている理由として、3つの問題点が挙げられます。 

1-1 25年前に定められた基準とあまり変わっていない

1つ目は、現在の日本の「省エネルギー基準」は、平成28年基準と呼ばれるものですが、実はその前に定められていた平成11年基準(次世代省エネ基準)からは、計算ロジックが変更されているだけで、要求されている性能レベルはほとんど変わっていないという事実です。つまり25年も前の基準と要求水準がほとんど変わっていないのです。

欧米各国の省エネ基準は3~5年ごとに改定されていて、そのたびに基準がどんどん厳しくなっています。下図は、時系列で表したドイツの省エネ基準の変化に、日本の基準を照らし合わせたものです。

 


出典:一般社団法人日本エネルギーパス協会

現在の日本の省エネ基準のレベルは、ドイツが1984年から1995年に定めた基準の間くらいということが分かります。


1-2 省エネ基準の義務化が始まるのは2025年

そして2つ目の問題点は、現時点では省エネ基準への適合が義務化されていないという点です。他の先進国では省エネ基準は義務化されていて、適合していないと新築の許可が下りません。 それに対して日本では、現時点では、先進国の中で唯一、省エネ基準への適合が義務化されていないのです。

日本でも、2022年に建築物省エネ法が改正され、2025年4月から、やっと全ての新築住宅に対する「省エネ基準適合の義務化」が始まります。

省エネ基準の適合義務化については、もう一点留意が必要です。現在の省エネ基準の断熱性能は、断熱等級4と呼ばれるもので、2022年4月までは最高等級でした。ところが同年5月に断熱等級5、さらに同年10月には断熱等級6および7が定められました。つまり、それまで最高等級だった断熱等級4は義務化に伴い最低等級になるとともに、その上に上位等級が3つも定められたのです。

さらに、省エネ基準の適合義務基準が遅くても、2030年までに断熱等級5に引き上げられることがほぼ確定しています。

つまり、これから家を買うのであれば、最低でも断熱等級5の性能を確保しておかないと、あっという間に最低基準を満たさない家になってしまうということです。これでは、ほぼ確実に資産価値を大きく下げることになります。資産価値を落とさない家にするためには、できれば、断熱等級6以上の性能を確保することをお勧めします。




2.日本の住宅は特に窓の断熱性能の確保が後れている

断熱性能とは簡単に言うと、室内外の温度の出入りをシャットアウトする性能のことです。そして家の断熱性能では、窓の性能がとても重要です。YKKAPの試算によると、複層ガラスのサッシの場合、夏に家に入ってくる熱の74%は窓からの侵入です。反対に、冬は52%の熱が窓から出ていきます。日本の既存住宅の多くは単板ガラスであることを考えると、熱が窓から出入りする割合はより高くなることが容易に予想できるでしょう。



日本の既存住宅の窓の多くは、アルミサッシです。アルミはとても熱を通しやすく、樹脂や木の1,000~1,400倍にも及びます。他の先進国では、アルミサッシはほとんど使われておらず、樹脂もしくは木製サッシが主流を占めています。それに対して、日本における樹脂の普及率はおよそ20%(2018年)にとどまっています。

【世界各国における樹脂窓の普及率】



日本サッシ協会が設定しているラベリング制度は、窓の断熱性能を4段階で評価しています。問題なのは、ラベリング制度の評価基準は、世界の窓の断熱基準よりもはるかに緩いという点です。基準は熱還流率(U値)によって決められていますが、日本サッシ協会が設定している窓の断熱性能に対する基準は、4.65〔W/㎡・K〕です。

4.65〔W/㎡・K〕以上のサッシ性能の窓は星1つで、2.33〔W/㎡・K〕以下のものに対しては、最高ランクの星4つと評価されています。



ところが、海外の基準に目を向けてみると、日本では最高ランクとのお墨付きを受けたサッシ(2.33〔W/㎡・K〕以下)は、最低基準以下となってしまうのです。各国の窓の断熱基準は、以下のとおりです。



ドイツの基準値は、1.3〔W/㎡・K〕以下。中国においては地域差がありますが、2〔W/㎡・K〕前後で、米国では南部地区を除き2〔W/㎡・K〕未満です。

日本で最高等級の評価を得られる2.33〔W/㎡・K〕レベルのサッシは、諸外国では最低基準を満たしておらず、違法になってしまうのです。つまり、日本で普通に家を建てるということは、諸外国では考えられないほど低性能の家になってしまうということです。この事実を認識して住まいづくりを始めるか否かは、そのあとの満足度に大きな影響を及ぼすことはお分かりいただけると思います。

日本を含む窓の断熱性能基準の緩さは、サッシのフレームの素材が影響しています。日本はアルミのペアガラスの性能(4.65〔W/㎡・K〕)をベースにしていますし、ドイツが1.3〔W/㎡・K〕としているのは、樹脂のトリプルガラスが用いられているためです。下図のようにサッシの断面を見ると、サッシの性能はフレーム素材が影響していることがお分かりでしょう。



このような現状を受けて、2022年に窓の断熱性表示マークも、4段階から6段階に増えています。しかしながら、現時点(2024年3月5日)では一般社団法人日本サッシ協会のホームページには、この新しい基準の情報は掲載されていませんし、新築住宅にこの新基準のラベルのシールが貼られているのを見かけることもありません。

このように、世界基準に近づく動きがようやく出てきたようですが、普及するにはまだまだ時間がかかりそうです。



出典:窓の性能表示制度に関するとりまとめ(概要)|経済産業省


3. 気密への取り組みの遅れも、高気密・高断熱住宅の性能に影響を与えている

そして3つ目の問題点は、気密性能確保への取り組みが遅れているということです。もしかすると、この問題が最も深刻かもしれません。

気密性能とは簡単に言うと、室内外の空気の出入り、つまりすきま風を極力減らす性能のことです。断熱と気密の違いについて、冬の服装に例えて説明してみましょう。寒い日はセーターを着ますが、断熱はちょうど温かさを確保するセーターにあたります。けれども、たとえ分厚いセーターを1枚着込んで外出したとしても、編み目の隙間から風が入ってきて寒さを感じます。それでは、セーターの上に風を防ぐウインドブレーカーが必要ですよね。このウインドブレーカーの役割を果たしているのが、気密性能です。住宅もこれと同じで、断熱材を分厚くしても隙間があれば風は入ってきます。隙間のない快適な家をつくるには、断熱性能とともに気密性能も重要なのです。



気密性能は、住宅の省エネ性能、健康・快適な暮らし、そして家の耐久性能確保においてとても重要です。気密性能について詳しくは別の記事で説明したいと思います。

実は日本には、気密性能に関する基準が存在しません。そのため、あいまいに「高気密の家にしてください。」と発注しても、できた家が隙間だらけで寒くて仕方がないということが起こっており、そのような悩みのご相談も当社は多数いただいています。ですが、そもそも基準がないのですから、「これが高気密住宅です」と言われれば、反論できず、クレームの対象にはなりません。

気密性能はC値(相当隙間面積)で表されます。ところがC値は、図面上では計算して求めることはできません。現場の気密施工レベルに依存するため、一棟ごとに気密測定を行い、C値を算出する必要があります残念なことに、気密測定を全棟行っている工務店・ハウスメーカーは極めて少ないというのが現状です。特に鉄骨造の住宅は、気密性能の確保が苦手で、鉄骨造の大手ハウスメーカーで気密性能を売りにしている会社はほとんど存在しません。

気密測定は、写真のような機械を用いて測定します。筒の中には強力なファンがあり、室内の空気を外に排出し、室内外で気圧差を作ることで、家の隙間から入ってくるすきま風の量を測定して、C値を測定します。断熱性能の確保に比べ、気密性能の確保はとても手間がかかるため、きちんと取り組んでいる工務店・ハウスメーカーはごくごく一部の会社に限られます。

住宅会社選びの際に、「気密測定は全棟実施していますか?」とぜひ質問してみて下さい。この回答によって、その住宅会社の性能に対する取り組みレベルはある程度判断できると思います。



ちなみ諸外国では、下図のようにかなり厳しい気密性能の基準が定められています。

日本の住宅業界の取り組みの現状を考えると、海外レベルに匹敵する高気密・高断熱住宅が一般化するのにはまだまだ時間がかかりそうです。




4. 高気密・高断熱性におけるドイツと日本の違い

当社の代表の高橋は、2016年に、主に省エネ住宅を視察するためにヨーロッパを訪れました。日本の住宅事情とのギャップに驚きの連続でしたが、中でも特に印象に残っているのが、当時はシリアからの難民が欧州に流入している時期で、ドイツで建設中だった難民向け住宅の見学だったそうです。

自国民でもない海外からの難民向けの仮設住宅にもかかわらず、日本ではごく一部の住宅会社しか採用していないような高断熱の写真のような木製サッシが使われているなど、非常に高いレベルの気密・断熱性能が確保されていました。



欧州の国々の基本的な考え方は、たとえ難民でも高性能の住宅に住む権利があり、国はそれを供給する義務があるのだそうです。

一方で、東日本大震災の際に建てられた仮設住宅は、断熱性能の低いものでした。そのため結露だらけとなり、喘息やアレルギーを発症する人が相次ぎ、社会問題にまで発展したほどです。日本とドイツでは住宅の基準が異なるため、このような差が出るのは仕方がないのかもしれませんが、あまりにも差が大きすぎると言わざるを得ません。家の基本性能は、見直される時期に来たのではないでしょうか。




5. 本当の高気密・高断熱住宅は結露が起こりにくい

ある調査では、現在の住まいに対する不満項目(「冬寒い」、「夏暑い」、「冷暖房光熱費が高い」等)の中で、結露の酷さに悩まされている方がもっとも高断熱住宅に転居したい意欲が高いという結果でした。

一方で、「高断熱住宅での暮らしでは、結露がほとんど起こらないことを知っていますか?」という設問では、約3割の方が、「信じられない!」と回答しています。

意外に多くの方が結露の発生する仕組みを理解していないようです。

結露が生じる主な原因は、「室内と屋外の温度差」と「湿度が高さ」です。

空気には水蒸気(水蒸気は目には見えないものであることを理解している人も意外に少ないようです)が含まれています。空気中に含むことのできる水蒸気の量(飽和水蒸気量)は、空気の温度が高いほど多く、温度が低いほど少なくなります。

暖かく湿った空気が冷たい窓などに触れて温度が下がると、飽和水蒸気量が少なくなるため、水蒸気ではいられなくなり、水滴となります。これが、結露が発生するメカニズムです。身近な例としては、夏に冷たい飲み物を入れたグラスに水滴が付く現象がそれにあたります。

特に冬は窓を締め切り、暖房・加湿することで室内の湿度や温度が上がりやすい季節です。室内が暖かくなることで、寒い外気の温度差が大きくなるため、外気に近く温度の低い窓付近では結露が多く発生します。

結露が起こりやすい場所は、外気の影響を受けて冷えやすい窓やサッシまわり、北側にある部屋などです。また、人がいる部屋といない部屋で温度差が大きいと、部屋の間にある壁で結露が発生することも考えられます。そのため、押し入れや家具の裏といった通気性が悪く湿気が溜まりやすい場所も、結露が起こりやすくなります。

また、このような目に見える箇所で起こる「表面結露」とは別に、壁中で起きている「壁内結露」というもっと厄介なものもあります。

結露が生じるとどうしてもそこにカビが生じます。カビはダニの餌になるため、ダニも繁殖し、カビ・ダニがアレルゲンになって、喘息やアレルギーを引き起こします。



また、壁の中で結露が起こると、壁の中が湿潤環境になり、湿った環境を好むシロアリや腐朽菌という木を腐らせるキノコの仲間が繁殖します。これは住宅の耐震性能の劣化に大きな影響を及ぼします。

日本の住宅の平均耐用年数が、欧米に比べて極端に短い要因の一つになっているのです。



これらの結露は、断熱・気密性能をきちんと確保すると、普通の暮らし方をしていれば起こらなくなります。最近、二重になっているグラスを時折見かけますが、このグラスに冷たい飲み物を入れても、グラス表面に結露は生じないですよね。これと同じ理屈で、外の冷たい外気温度が室内に伝わりにくいので、結露が起こりにくくなるのです。

結露が起こらない家にすることは、居住者の結露を拭く手間や健康面のメリットだけでなく、家の耐久性にも大きな影響を及ぼすので、ぜひ意識するようにしてください。

 
6. 工務店やハウスメーカーを選ぶポイント

「それほど基準が低いのなら、日本で高気密・高断熱住宅は建てられないのか」と、嘆く人もいるかもしれません。けれども、全ての国内施工業者がそのような家を建てているというわけではありません。わずかながらですが、意識の高い工務店・ハウスメーカーは存在します。

ただ、住宅会社全体のおそらく、2~3%くらいではないかと思われるので、一般の方が見つけ出すのはなかなか難しいのが現状です。

それでは、具体的にどのように依頼先を選んだら良いのでしょうか。ポイントは以下の3つ。

・ネームバリューで選ばない
・性能にこだわっている工務店やハウスメーカーを選ぶ
・気密測定を全棟行っている会社を選ぶ

一流といわれている高コストの大手ハウスメーカーでも断熱性能が不十分ですし、その多くの会社は気密性能を確保していません。名前だけで選ぶと後悔することになる可能性が高いのです。工務店やハウスメーカーを選ぶ際には、性能へのこだわり、特に気密性能へのこだわりを確認しながら選ぶようにしましょう。


まとめ

日本と世界の高気密・高断熱住宅の現状を中心に、失敗しない家づくりのために知っておきたいことをご紹介しました。法改正が行われたことにより改善の兆しは見えるものの、日本の高気密・高断熱住宅は、世界と比べて低レベルにあります。これから高気密・高断熱住宅を新築または購入するのであれば、「省エネ基準」「断熱性能」「気密性能」の視点から検討するのが無難でしょう。

満足のいく高気密・高断熱住宅を建てるのに、良い施工先を選ぶことは必須条件です。弊社では、結露のない健康・快適な住まいづくりをサポートするために、「住まいづくりのサポートサービス」を通じて、厳選した業者の紹介を行っています。当サービスに登録しているのは、弊社が独自に設定している性能基準を満たした工務店またはハウスメーカーのみ。安心してご利用いただけます。

ちなみに当社が提携する厳しい基準を満たしているのは、大手ハウスメーカー上位10社の中では、2社だけです。十分な性能の会社に出会うのが、いかに難しいのかお分かりいただけるかと思います。

家づくりは「業者を選び間違えたからやり直ししよう」というほど 簡単なものではありません。もしも業者選びを間違えてしまったら、手付金として支払った数百万円が無駄になってしまうでしょう。業者選びにお悩みの場合は、一度弊社にご相談ください。ご相談も工務店・ハウスメーカーのご紹介も完全無料です。
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2024/02/06

スタッフブログ

【高気密高断熱住宅】工務店・ハウスメーカーの選び方やおすすめを徹底解説

「高気密高断熱の住宅を建てたいけど、どのような工務店・ハウスメーカーがよいの?」「どうやって選べば失敗しない?」と悩む人は多いでしょう。
信頼できる工務店・ハウスメーカーしか紹介しない住まいるサポート株式会社が、高気密高断熱住宅の工務店・ハウスメーカー選びを徹底解説します。

この記事を読むと、高気密高断熱の家を建てるための、工務店・ハウスメーカーや選び方がわかります。
また、子どもにとって住みやすい家や健康に良い価値ある家を建てる方法も紹介します。

家族と長く住める、健康的な家に近づくでしょう。ぜひ最後まで読んで、後悔しない家づくりの一歩を踏み出してください。


高気密高断熱の住宅とは?

高気密高断熱の住宅について、基本概念や特徴、メリットをわかりやすく解説します。これから高気密高断熱住宅を建てる人や、検討している人の参考になれば幸いです。


高気密・高断熱住宅の基本概念と特徴

高気密・高断熱住宅は、建物の気密性と断熱性を高めた住宅のことを指します。室内の温度や湿度が安定し、冬暖かく夏涼しい快適な生活が可能です。気密性能はすきま風の侵入を防ぎ、断熱性能は熱の移動を抑えます。壁や窓などの部位ごとの性能が高いほど、全体の性能も高くなります。

高気密高断熱住宅の特徴は以下の通りです。

 ● 省エネ効果が高い
 ● 室内温度差が少ない健康・快適な生活が可能
 ● 防音性が高いため、騒音に悩まされることが少ない

これらの特徴により、快適でエコな生活が実現できます。

メリット:快適な室内環境と省エネ効果

高気密高断熱住宅のメリットとして挙げられることが、下記の3つです。

1. 健康面での利点:高気密・高断熱住宅は結露やカビの発生を抑制し、快適な室内環境を維持します。これにより、アレルギーや呼吸器系の疾患のリスクが低減されます。また、19,000人/年もの方が亡くなっているヒートショックリスクも大幅に軽減されます。



2. 省エネ効果:優れた断熱性能により、冷暖房費用が削減されます。また、エネルギー効率が向上し、環境にも配慮した住宅となります。
3. 快適性:室内の温度や湿度が安定し、四季を通じて快適な居住空間を提供します。これにより、居住者の生活品質が向上します。

上記に挙げたもの以外でも、CO2排出量も減らすことができるため、環境にも優しいなどのメリットもあります。高気密・高断熱住宅は健康面や経済面で多くの利点をもたらします。


高気密高断熱住宅の注意すべきポイント

高気密高断熱住宅のデメリットのひとつは、換気が十分でないと、結露やカビ、室内の空気が悪くなる可能性があることです。これを解消するためには、適切な換気システムと定期的なメンテナンスが必要です。

また、高気密高断熱住宅は通常の住宅に比べて建築費が高くなることが一般的です。しかし、ある程度長期の住宅ローンを組む場合、住宅ローンの支払額の増加よりも光熱費の削減額の方が大きくなります。

北九州市は独自の省エネ基準「北九州市健康省エネ住宅 kitaQ ZEH(キタキューゼッチ)」を策定し、いわゆるG2.5水準の断熱性を推奨値としています、そして、下図に示す同市の試算では、25年以上の住宅ローンを組む場合、ローンの支払いが増える額よりも光熱費の節約額の方が大きくなり、初年度から得する可能性が高いとしています。

さらに耐久性の向上などで維持コストが削減できます。初期費用をかけられない人にはおすすめできませんが、総コストで長期的にコストを計算してください。



また家を建てる際にメーカーや工務店によって提供される性能が異なるため、しっかり比較検討し、信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。


ハウスメーカー別:高気密高断熱住宅の性能比較

ここからはハウスメーカー別の高気密高断熱住宅の性能を比較していきます。性能を数値で比較するためのUA値、C値、Q値や、各メーカーが使用する断熱材や窓の種類と特徴を紹介します。

性能の違いを知って、自分がどのような家に住みたいか、どのメーカーが一番合っているかを考えてみてください。


断熱等級・UA値・C値・Q値:数値で比較する高気密高断熱性能

高気密高断熱性能を比較するためにはUA値・C値・Q値の3つの数値が重要です。

1. 断熱等級:品確法で定められている断熱性能の基準で、現在の省エネ基準は断熱等級4です。その上位等級に断熱等級5~7があります。「高断熱住宅」には明確な定義はありませんが、一般的には断熱等級6以上を高断熱住宅と呼ぶようです。
2. UA値:外皮平均熱貫流率(家全体の熱損失量)。住戸ごとに設計図を計算で求めることができます。
3. C値:隙間相当面積(家全体でどのくらい隙間があるかを示す気密性能の値。住戸ごとに気密測定を実施しないと測れない。)
4. Q値:熱損失係数。UA値と同じく、断熱性能の基準で、以前国の基準として使われていた指標。

これらの数値は、住宅の断熱性能や気密性能を評価するための基準となります。いずれも値が小さいほど高性能といえます。例えば、北海道では厳しい冬の寒さに耐えられるよう、UA値がとても小さい高断熱住宅が人気ですが、最近は、温暖な地域でも、C値やUA値にこだわった高気密・高断熱住宅の人気が増しています。


工務店・メーカーごとに数値が異なります。自分の住む地域の気候や生活スタイルに合った数値を選ぶことが大切です。ただし、気密性能については、全棟気密測定を実施している工務店・ハウスメーカーはごくわずかなため、気密性能への取り組み姿勢は、工務店・ハウスメーカーの良し悪しを判断する重要な基準です。

断熱材や窓の種類:メーカーごとの採用技術と特徴

高気密高断熱住宅の性能を左右するものは、使用される断熱材や窓の種類や性能です。各社はそれぞれのこだわりの技術や素材を採用しています。

壁や床、屋根などの断熱材には、さまざまな種類があります。素材ごとに特徴が異なります。例えば、最近人気の現場発泡ウレタンは断熱性能とともに気密性能を確保しやすい、グラスウールはコストパフォーマンスが良いが施工が少し難しい、セルロースファイバーは断熱だけでなく調湿・遮音・蓄熱性能に優れるなど、特色が異なります。また、窓のサッシには、オール樹脂かアルミ樹脂複合、木製サッシなどを選び、できればU値(熱還流率)が1.3〔W/m2・K〕以下の高断熱サッシを選ぶことをおすすめします。この性能になると、ふつうの暮らし方をしていれば、結露が起きることはほとんどありません。


それぞれの特徴を理解し、自分の家づくりに適した選択をしてください。各工務店・ハウスメーカーのおすすめポイントや価格、特徴なども比較しながら、最適な住まいを見つけましょう。



施工品質・アフターサービス:安心して暮らせる家づくり

家づくりにおいて、施工品質とアフターサービスが重要です。理由は、家は長期にわたって快適に暮らす場所であり、住宅の品質が生活の質に直接影響を与えるためです。


アフターサービスが充実しているハウスメーカーや工務店は、住み始めたあとも安心して暮らせる環境を提供してくれます。例えば、定期的な点検やメンテナンス、必要に応じた修繕対応などが含まれることもあるのです。


施工品質とアフターサービスが充実している家づくりは、快適な生活を長期間続けられることが期待できます。そのため、ハウスメーカーや工務店を選ぶ際には、これらのポイントを重視することがおすすめです。



高気密高断熱住宅工務店・ハウスメーカーの選び方

高気密高断熱住宅のハウスメーカーを選ぶ際には、次の3つのポイントが重要です。

 ● 施工品質とアフターサービス
 ● 工務店・ハウスメーカーの実績
 ● 断熱方法
 ● 気密への取り組み

これらのポイントをもとに、ぴったりのハウスメーカーを見つけましょう。

それぞれの選び方を詳しく解説します。


工務店・ハウスメーカーの実績

工務店・ハウスメーカーの実績は、信頼性を判断する重要な要素です。実績が豊富なハウスメーカーは、施工技術や品質管理が確かであることが期待できます。

具体的には、工務店・ハウスメーカーがどれくらいの期間、高気密高断熱住宅を建築しているかや、実際の性能値、建築実績の多さなどを確認しましょう。また、施工実績がある地域や、顧客からの評判も参考になります。

情報収集の方法として、工務店・ハウスメーカーの公式サイトだけでなく、口コミサイトの情報もある程度参考になります。また、住まいづくりは担当者と長い付き合いになりますので、相性も重要です。住まいるサポート株式会社は、信頼できる工務店・ハウスメーカーの中から、相談者様のご希望に沿った会社を選び、紹介させていただきます。住まいづくり人生の中でも大きな決断のため、ぜひ住まいるサポート株式会社にご相談ください。



断熱方法


断熱方法には、いくつか種類があります。壁については外張り断熱、内断熱(充填断熱)、外張りと充填断熱の両方を行うダブル断熱、住宅下部は床断熱と基礎断熱(外基礎断熱・内基礎断熱)、上部は屋根断熱、天井断熱などがあり、それぞれの特徴とメリットが異なります。


例えば、外張り断熱は、柱の外側に外壁全体に断熱材を設置し、家全体をくるむことで、熱の損失を低減し、同時に気密性を向上させることができます。ただし、柱の外側で断熱するので壁の厚さが厚くなります。

一方、内断熱(充填断熱)は、柱の間に断熱材を設置することで、壁は厚くなりません。外断熱よりは内断熱の方が一般的です。東京・横浜・大阪等の省エネ地域区分の6地域で、内断熱だけでも屋根や床の断熱、窓や玄関等に高断熱のものを選べば、概ね断熱等級6の確保が可能です。それ以上の断熱性能を希望するのならば、ダブル断熱が必要になってきます。

また、床断熱と基礎断熱のどちらを選ぶのかは、工務店・ハウスメーカーによって考え方が異なります。ただし、外基礎断熱だけはシロアリ被害のリスクが高まるのでおすすめしません。



アイデアを叶えるカスタマイズ性とデザイン力

自分らしく快適な暮らしをするためには、アイデアをかなえるカスタマイズ性やデザイン力も重要です。住宅メーカーや工務店と一緒に、間取りや設備を自由に選ぶことができれば、希望通りの家に近づくでしょう。


例えば、家族構成やライフスタイルに合わせた間取りを考えることができます。また、省エネや環境に配慮した家づくりも実現しやすいです。


また、デザインにもこだわりたい人には、最新の建築デザインや建材を使って、魅力的な外観や室内空間を演出できます。デザイン力が高い住宅メーカーや工務店を選ぶことで、理想の家づくりができるでしょう。


一方、木の素材感等を活かした自然素材系を好む人も少なくありません。工務店・ハウスメーカーによって、デザインテイストや素材感の得意・不得意がありますので、それも会社選びの重要なポイントです。


ポイントは、予算や土地の面積を考慮して、自分に合った住宅メーカーや工務店を見つけることです。さまざまな家づくりの実例やカタログを参考にし、相談や見積りをして、最も適切な選択をしましょう。

住まいるサポート株式会社は、優良な工務店・ハウスメーカーをご紹介するだけでなく、そのあとも継続的にもろもろのご相談に乗り、住まいづくりを最後までサポートさせていただきますので、住宅会社を決めた後も気軽に相談してください。



高気密高断熱住宅の経済的なメリット

高気密高断熱住宅は、熱の流出入を防ぎ、少ない冷暖房で家全体の室温を均質にできます。性能レベルにもよりますが、概ね6~8畳用のエアコン1台で家全体を冷暖房することができます。

そのため、冷暖房光熱費が安く、健康で快適な生活を送ることができます。

ただ、高気密高断熱住宅は魅力的だけど、建築費にそこまでお金をかけるべきか悩んでいる人も多いでしょう。日本人の特徴の一つに、欧米に比べて、初期コストばかりに目が行き、家を建てた後の光熱費やメンテナンスコストに目を向けない傾向が強いことがあります。

すでに触れましたが、北九州市は、独自の省エネ基準「北九州市健康省エネ住宅 kitaQ ZEH(キタキューゼッチ)」を定めており、UA値0.38というとても高断熱な仕様を推奨値としています。そして、北九州市の試算では、25年以上クラスならば、推奨値の性能のコストパフォーマンスがもっともいいとしています。

住まいづくりの際には、初期コストと維持コストのバランスを見ながら仕様を決めることがとても重要です。



暖かい冬と涼しい夏

暖かい冬と涼しい夏を実現する住まいでの生活者の声を紹介します。

まず、冬の暖かさについてです。高気密高断熱住宅に住んでいる人は「室内の温度差が少なく、どこにいても快適」と話します。また、「壁や床などの断熱性能が高いため、家の中は暖かく、光熱費も抑えられる」という声もあります。


夏の涼しさについては「家の中が自然に涼しく、エアコンが必要ない日もある」との声が多いです。また、「優れた換気設備により、家の中の空気が常に新鮮で、花粉等に悩まされることもなく快適な生活ができる」と評価されています。


これらの声から、高気密高断熱住宅が実際の生活でどれだけ快適であるかがわかります。断熱性能や気密性に優れた住まいは、省エネ効果も高く、一度体験するとその快適さに魅力を感じることでしょう。



耐震・耐久性に優れた高気密高断熱住宅

住宅の高気密高断熱化は、国や自治体も推奨しており、今や住宅建築のトレンドとなっています。その理由は、快適な生活空間を実現しつつも、省エネ効果が高く、地球環境にも優しいためです。

耐震性と耐久性にも優れているため、快適な暮らしだけでなく、安心も提供します。

さらに、高気密・高断熱住宅は、結露の発生を抑え、室内の湿度を適切に保つことができます。特に壁内結露(壁の中で結露が起きること)がないため、シロアリ被害のリスクも下がり、家の長寿命化にも貢献します。工務店やハウスメーカーによっては、標準仕様で耐震性能が高い住宅を提供しているところもあります。地震大国日本に住む限り、耐震問題は避けては通れないでしょう。耐震性能は、竣工時の性能だけでなく、それを維持することが大切なので、その面でも高気密・高断熱化はメリットがあります。

快適さと強さを兼ね備えた高気密高断熱住宅は、長期間安心して住み続けたい人にぴったりです。



長期のメンテナンスやリフォームの対応

住宅は長期間にわたって使用されるため、メンテナンスやリフォームが必要になることがあります。長期的なメンテナンスやリフォームに対応できる住宅は、住み心地が良く、家族のライフスタイルに合わせて変化させることができます。

メンテナンスやリフォームを上手に行うためには、計画的に費用を抑え、家族の生活に影響を与えないようスムーズに進めることが大切です。

例えば定期的な点検を行い、問題が見つかった場合には早急に対処することで、大掛かりなリフォームを防ぐことができます。

また、リフォームを行う際には、家族のニーズや将来のライフスタイルの変化を考慮して、柔軟に対応できる設計や構造を選ぶことが重要です。



後悔しない家づくりへ

後悔しない家づくりを目指すためには、耐震・耐久性に優れた高気密高断熱住宅や、長期のメンテナンスやリフォームに対応できる設計や構造を選ぶことが大切です。

また、建築会社や工務店と良好なコミュニケーションを取り、ご自身のこだわりや要望をしっかりと伝えることも重視してください。

せっかくの家づくりをするなら、事前の情報収集も大切です。参考になるサイトや無料カタログを活用し、最適な住まいをご家族で検討しましょう。一生に一度の家づくり、後悔しない選択をして素敵な住まいで新しい人生がスタートできるようにしてください。


https://sml-support.com/contact
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2024/01/21

スタッフブログ

断熱リフォームで快適ライフ!費用や補助金活用術
断熱リフォームを検討されている皆さん!断熱リフォーム・断熱リノベーションで快適な住まいが手に入ることを、多くの断熱リフォーム・断熱リノベのサポート実績をもつ住まいるサポート株式会社がお伝えします。

この記事では、断熱リフォームの効果やメリット、費用や補助金の活用法を解説しています。リフォーム後の住環境がどのように快適になるか、どのような省エネ効果が期待できるか、具体的にはどの部分を改善すべきなのかなどを説明するため、参考にしてください。

最後までお読みいただくことで、断熱リフォームの良さがわかり、費用についても学べます。冬の寒さや夏の暑さから解放され、快適な暮らしを始めましょう!


断熱リフォームの効果と種類を徹底解説!

これから断熱リフォームの効果と種類について解説します。寒い冬や暑い夏を快適に過ごすため、また光熱費削減や健康面でのメリットをかなえるために、断熱リフォームは大変重要です。説明していくため、検討している人は参考にしてください。


断熱リフォームのメリット

断熱リフォームのメリットは主に以下の通りです。
・家全体の室温差が少なくなり、快適な暮らしが実現
・暖房や冷房の効率が向上し、光熱費の削減につながる
・結露が大幅に減り、拭く手間がなくなり、家の耐久性能も向上する
・ヒートショックやアレルギー・喘息等の健康リスクを軽減できる

これらのメリットを享受するためには、正しいリフォーム方法を選ぶことが重要です。また、リフォームには費用がかかりますが、補助制度の利用や優良事業者と相談することで、費用対効果の高い施工が可能です。


省エネ効果を実感!各部位別の断熱リフォーム方法

断熱リフォームの方法は、住宅の部位ごとに異なります。以下は、部位別にリフォーム方法をざっくり解説したものです。
まず、断熱リフォームの基本的な考え方ですが、室内と外気との境界を「断熱ライン」と言うのですが、断熱ラインは、基本的に外壁、天井、床が途切れることなく、隙間なく、連続する必要があります。快適にしたい空間をぐるりと包み込むイメージです。ベストなのは、家全体を断熱ラインでくるりと包むことですが、当然費用はかさみます。
例えば、子どもが巣立った後の家であれば、ご夫婦がメインに過ごす部分を限定して、その空間をくるりと包む部分断熱リフォームも有効です。
とはいえ、予算に限りがある方がほとんどでしょうから、コストパフォーマンスに優れる各部位別の断熱リフォーム方法をご説明します。
・窓断熱リフォーム
寒い家の最大の弱点が窓です。現状が1枚ガラスのサッシならば、まず窓のリフォームを最優先に考えましょう。
窓のリフォームには、いくつかの段階があります。最も手軽でコスパがいいのが、ハニカムブラインドという断面が蜂の巣状になった空洞があるブラインドの採用です。特にダブルハニカムのサイドレール付きのものならばすきま風もかなり防げるので、冬の寒さや夏の暑さはかなり軽減されます。
次に窓自体のリフォームですが、手軽なのが既存の窓の内側に樹脂のペアのインナーサッシを入れることです。工事も簡単で費用も廉価です。ただ、窓を開けるために、インナーサッシと既存窓の二回開けなくてはならない点が手間です。

出典:YKK AP<https://window-renovation.env.go.jp/construction/inner-window.html>

既存窓を更新する場合、カバー工法がおすすめです。窓のフレームは壁の中まで入っているため、本来窓を交換するためには、壁の一部も壊す必要があります。カバー工法はそうではなく、既存窓の枠の内側に少しだけサイズの小さい窓を入れる方法です。壁を壊さなくて済むため、複層ガラスや遮熱ガラスを採用することで、室内への熱の侵入や逃げを防ぎます。部屋が広くても窓が少なくても、断熱リフォームは効果があります。屋根リフォーム劣化した屋根材を交換し、断熱性能の高い材料を用いることで、夏の暑さや冬の寒さを抑えます。


出典:YKK AP<https://window-renovation.env.go.jp/construction/outside-window-co.html>

 ● 玄関断熱リフォーム
窓と併せて行いたいのが、玄関ドアです。古い家は玄関スペースが寒いですよね。これは玄関扉の断熱性能の低さが最大の要因です。最近は断熱性能の優れたリフォーム用の玄関扉が充実してきています。これも比較的手軽でおすすめです。玄関スペースにトイレ・洗面・お風呂等の水回りが面しているのなら、特におすすめです。
 
 ● 床断熱リフォーム
床の断熱材を設置することで、床からの冷えを防ぎ、足元から暖かい環境を作ります。
部位ごとに断熱リフォームを行うことで、省エネ効果を更に高めることができます。床下に人が潜れるスペースがある家の場合、床下から施工が可能なため、手軽でコスパも優れています。

 ● 天井断熱リフォーム
次にコスパがいいのが、天井の断熱リフォームです。天井裏にグラスウールを敷き詰めたり、断熱材を吹き込む方法等があり、これも解体等の必要がないため、比較的手軽です。

 ● 外壁断熱リフォーム
高気密・高断熱住宅と言えるレベルにまで断熱性能を引き上げたいのであれば、外壁の断熱まで必要です。一般的には、スケルトンリノベと言って、外壁や室内側の壁を剥がして、構造材を剥き出しにして、本格的な断熱を行います。ここまでやる場合、耐震補強やシロアリ対策の「防蟻処理」もあわせて行う方がよいでしょう。
スケルトンリノベであれば、内装・水回り・耐震等もすべて行い、新築同様にする本格的なリノベーションになります。
もちろん費用はかさみますが、建て直すよりは工事費は新築の8割程度で済み、解体費用もなく、補助金制度も充実しています。
建て替えまでお考えであるならば検討してみるべきです。
ただし、このレベルのリノベーションをきちんと行えるリフォーム会社は極めて限られるため、リフォーム会社選びは慎重におこなってください。


冬暖かく、夏涼しい!窓の断熱リフォームのポイント


窓の断熱リフォームは、住まいの快適さやエネルギー効率を向上させます。なぜなら断熱性能の強化により、冬は暖かさを逃がさず、夏は外の熱を遮断するためです。
具体的な施工方法としては、熱伝導率の低い窓ガラスの交換や、窓枠の断熱強化があります。また、窓の開口部全体の気密性を高めることも大切です。
これらの施工により、住宅の健康や快適な暮らしの向上が期待できます。さらに、省エネ効果による光熱費の削減も見込めます。
しかし、リフォームを行う際は、適切な会社や製品を選ぶことが重要です。事例や口コミを参考に、自分の予算や要望に合った業者を見つけましょう。
また、リフォームだけでなく、日々の生活習慣での対策も大切です。例えば、冬は暖房器具の設置場所を工夫したり、夏は遮光カーテンを利用するなど、さまざまな方法があります。断熱リフォームの効果を最大限発揮するために、いろいろな工夫をすることをおすすめします。

断熱リフォームの費用と補助金について知ろう

断熱リフォームには費用がかかりますが、補助金を利用することで経済的な負担を軽減できます。では、具体的にどのような費用がかかり、どのような補助金が存在するのでしょうか。


断熱リフォームの費用相場

断熱リフォームの費用相場は、リフォーム内容や施工範囲によって異なります。窓ガラス交換の場合、一般的には1枚あたり3万円〜10万円程が相場と言われています。ただし、窓枠の交換や、床や壁の断熱リフォームも行うと費用が大幅に変動することがあります。
また、リフォーム業者や使用する製品の種類によっても価格は変わります。そのため、複数社から見積もりを取得し、比較検討することがおすすめです。
リフォーム費用を節約する方法としては、補助金制度の活用があります。自治体や国の制度を利用すれば、一部補助が受けられることがあります。適用条件や手続き方法は制度ごとに異なるため、事前に確認しておくことが大切です。


断熱リフォーム補助金制度の活用法

断熱リフォームは住宅の快適さや省エネ性能向上につながりますが、費用が高額になることがあります。そのような時に活用したいのが、断熱リフォーム補助金制度です。この制度を利用することで、費用を節約できます。
補助金を活用するために、まず自治体の制度や条件を確認しましょう。自治体によっては独自の補助金制度や支援制度を設けていることがあります。つぎに、適用される補助金の種類や金額、対象となる工事や施工方法を把握し、自分の予算や要望に合った選択をしましょう。最後に、補助金申請の手続きを忘れずに行いましょう。申請期間や書類の提出方法など、自治体ごとに異なる場合があるため、事前にきちんと確認しておくことが重要です。このように断熱リフォーム補助金制度を活用することで、快適な暮らしを実現しながら、費用負担を軽減することが可能です。


マンションや一戸建ての断熱リフォーム費用を抑える方法

断熱リフォーム費用を抑える方法はいくつかあります。
まず、施工箇所を絞ることです。家全体の断熱性能向上を目指すと費用がかさむため、特に温度差が大きいリビングや寝室など、重点的に改善したい部屋を選ぶとよいです。
次にリフォームする部分の材料や工法を検討しましょう。高性能な断熱材や窓ガラスなどは価格が高くなりますが、適切な性能のものを選ぶことで、無駄な出費を抑えることができます。また、工事期間を短くすることで、工事費や住みながらの不便さを軽減することも可能です。
さらに、失敗しない業者選びが重要です。複数の業者から見積もりを取り、適切な費用で質の高い施工が得られる業者を選ぶことが大切です。こうした方法を活用すれば、マンションや一戸建ての断熱リフォーム費用を無駄なく抑えることができます。


先進的窓リノベ事業

先進的窓リノベ事業は、補助金の対象となるため、実質的な補助率も高く、注目を集めています。
先進的窓リノベ事業とは、既存住宅の断熱性能を高めるために、断熱窓への改修によるリフォームを推進する事業です。この事業は、住宅所有者など(一般消費者)が申請し、リフォーム工事施工業者が行います。
先進的窓リノベ事業では、補助金の申請額が予算上限に達し次第、交付申請受付が終了するため、早めの申請が必要です。インナーサッシ、カバー工法、はつり工法のそれぞれが対象となります。補助率が非常に高いため、実施的には大きな支援が期待できるでしょう。


施工業者選びと注意点

断熱リフォームに成功するためには、信頼できる施工業者の選び方が重要です。まず、実績や評判が良い業者をリサーチしましょう。インターネットや口コミなどで情報収集が可能です。
また、複数の業者から見積もりを取得し、費用や施工内容を比較検討します。安いだけでなく、質の高い施工が求められるため、適切なバランスを見極めることが大切です。
さらに、対応や説明が丁寧な業者を選ぶことも大切です。
特に、本格的な断熱フルリノベーションを行うのならば、施工業者選びは慎重に選ぶことが必要です。見極めのポイントとしては、気密性能まで確保したフルリノベーションの実績があるか、シロアリ対策(防蟻処理)に合成殺虫剤系を用いていないかどうか等です。
これらについては、いずれ、別の記事で解説したいと思います。
また、施工後のアフターサポートや保証がしっかりしているかどうかも、業者選びのポイントとなります。十分な注意を払って業者選びを行い、快適な断熱リフォームを実現しましょう。


成功する断熱リフォームのための業者選びポント

断熱リフォームは、家の快適さと健康を維持するうえで重要な要素です。リフォーム業者の選び方がポイントとなります。まず、施工実績が豊富な会社を選ぶことが大切です。また、リフォーム方法や工法について相談がしやすく、明確な説明が得られる業者が望ましいです。さらに、費用対効果の高い提案が得られるかどうかも重要なポイントです。他にも、施工後のアフターサービスが充実しているか、リフォーム助成金の活用方法に詳しいかなども確認しましょう。これらのポイントを押さえた業者選びで、成功する断熱リフォームを実現できます。


施工前の確認事項!断熱リフォームの注意点と対策

断熱リフォームを行う前に、いくつかの確認事項と注意点があります。まず、自宅の現状の断熱性能を把握することが大切です。外壁や窓などの熱の損失箇所を特定し、対策を考えましょう。また、リフォームの予算を決定し、費用対効果を検討することも重要です。断熱材の種類や性能によって、効果や費用が異なるため、慎重に選ぶことが求められます。さらに、施工時期も考慮に入れることが大切です。冬場は暖房費の節約が見込まれる一方で、工事による生活への影響も考慮する必要があります。これらの点を踏まえた上で、リフォームに取り組むことが大切です。


断熱リフォームのメリット

断熱リフォームを行うメリットは、主に次の3つです。

 1.冷暖房光熱費がかなり安くなる
 2.足下が寒くなくなり、穏やかな冷房・暖房の設定でも快適で、結露もなくなるなど、暮らしの質が大幅に向上する
 3.健康にいい

寒い家は健康に良くないことはご存じかと思います。家の中の室温差に起因するヒートショックによる死亡者数は、交通事故死者数の7倍以上にも上っています。また、寒さは様々な疾病の原因になっているそうです。
断熱リフォームによる医療費の削減効果は、冷暖房光熱費の削減額の4~5倍にも上るという研究結果も公表されているほどです。


断熱リフォームの施工事例とよくある質問

断熱リフォームに関する事例や質問をもとに、具体的な効果やポイントをお伝えします。以下の内容をぜひ参考にしてください。


理想の住まいを実現!断熱リフォーム施工事例紹介

断熱リフォームは、住まいの快適さと健康を向上させ、熱の出入りを抑える効果があります。リフォームで床、壁、天井の断熱性能を高められ、室内の温度を安定させ、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができます。
一つ目の事例は、家全体の断熱性能と耐震性能を向上を目的に、スケルトンにした上で耐震補強と高気密・高断熱化を図った事例です。築46年の家が改修後はUA値0.39まで向上しています。結露の発生も抑えられ、健康面でもメリットがあります。


「出典:株式会社プレイス・コーポレーション」


「出典:株式会社プレイス・コーポレーション」

二つ目の事例は、築30年の和風建築を高気密・高断熱に改築した事例です。高気密・高断熱化だけでなく、ファミリールームの真ん中に吹抜をとり、その周りに子供から大人まで楽しめるボルタリングウォール、ハンモック、はしご、ロープ、隠し扉と盛りだくさんの遊び場を設け遊び心あふれる事例です。リノベ前が和風建築だったことが想像がつかないと思います。

 
「出典:えぬぷらす一級建築士事務所」

これらの事例から、断熱リフォームの効果は明らかです。リフォームにより、住まいが快適になり、光熱費の削減や健康面での改善が期待できるのです。


知りたかった!断熱リフォームに関するよくある質問

断熱リフォームに関する質問をいくつかピックアップしました。
まず、「断熱リフォームをする際のポイントは何ですか?」という質問に対しては、以下の要素が挙げられます。
 ● 施工方法や材料の選択
 ● 既存の建物の状況を検証し、改善すべき箇所を特定
 ● 予算や期間を考慮した効果的な計画の立案

つぎに、「断熱リフォームの費用はどのくらいかかりますか?」という質問の回答は、施工範囲や使用する材料、業者によって費用が異なるため、相談や見積もりが必要です。
また、「補助金や制度は利用できますか?」という質問には、一部自治体や事業者が提供する補助金制度や住宅リフォーム助成金があるため、利用条件を確認して活用しましょう。


まとめ:断熱リフォームで快適な住まいを手に入れよう

断熱リフォームは、住まいの快適さや健康面で大きなメリットがあります。施工事例からも、家全体の温度が安定し、光熱費が削減されることが分かります。また、質問回答では、ポイントや費用、補助制度が解説されました。
これらの情報を参考に、自分の住まいに適した断熱リフォームを検討しましょう。そして、快適で暮らしやすい住まいを手に入れた後は、ぜひ周りの人にもその効果をシェアして、皆で環境に優しいエネルギー削減に貢献しましょう。


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2023/07/31

スタッフブログ

結局のトコロ、高気密・高断熱住宅の費用は高い?!安い?!
こんにちは。住まいるサポートの畠山です。

高性能な住宅が健康に及ぼす影響や快適性について、いろんな面からご紹介してきました。
ただやはり、そうは言っても現実問題、コストが気になってあきらめてしまう方もおられるのではないかと思います。

今回は、そんな高気密高断熱住宅のコストについて、具体的なシミュレーションをもとにお送りしたいと思います。



●目次

<1>高気密・高断熱住宅の費用は高い?イニシャルコストとランニングコストを考える
<2>一般的な住宅を、3段階の断熱性能別にコスト比較してみる
  ・比較①:新築時のイニシャルコスト
  ・比較②:年間光熱費
  ・比較③:エアコンの設置台数
<3>その差、約850万!高気密・高断熱住宅と一般的な分譲住宅のランニングコスト
<4>結論!高気密高断熱住宅は「イニシャルコスト増」よりも「ランニングコスト減」のほうが大きくてお得!


 
<1>高気密・高断熱住宅の費用は高い?イニシャルコストとランニングコストを考える

私たちは日々、いろんなことを考えながら買い物していますね。

例えば、こどものオモチャひとつとっても、100均で済ましちゃうおうか、
でも結局すぐに壊れて買い直すことになるから、少し高いけど、ちゃんとオモチャ屋さんで買おうか…。

とにかく安いものを選ぶのか…、それとも高くても品質が良くて長持ちするものを選ぶのか…。

これまでお伝えしてきた高気密・高断熱住宅は、性能がいい住宅なので、買う時の値段はやはり高くなります。
最初にかかるコスト、すなわちイニシャルコストは高いわけです。

では、日々の光熱費や住宅のメンテナンス費用など、家を維持するためのランニングコストは一体どうでしょうか。
イニシャルコストがかさんだとしても、それ以上にランニングコストが削減できればお得になるわけですね。

一般的な性能の住宅と、高気密高断熱住宅、最終的にはどちらがお得なのか?それぞれのコストを順にみていきましょう!

 
<2>一般的な住宅を、3段階の断熱性能別にコスト比較してみる

下図のような約30坪の一般的な戸建住宅を基に、断熱性能を以下の3段階に分けて、「エネルギーパス」というシミュレーションソフトを使って冷暖房光熱費等をシミュレーションしてみます。

①一般的な分譲住宅レベル(Ua値0.87)
②ZEH基準の断熱性能(Ua値0.6)
③ドイツ並みの高気密高断熱住宅(Ua値0.3)


※Ua値とは、断熱性能を数値で示したもので、Ua値が大きければ大きいほど断熱性が低く、熱が外に逃げていることになります。
※②のZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」のことで、断熱性能等の向上や再生可能エネルギーの利用により年間のエネルギー消費量の収支ゼロを目指した住宅のことです。

 
比較①:新築時のイニシャルコスト

実際に工務店に見積もりを取ってみた金額が、表の一番右側の数字です。



②ZEH基準の住宅:一般住宅よりもプラス約62万円
③ドイツ並みの高気密・高断熱住宅:一般住宅よりもプラス約218万円

やはり高性能であればあるほど初期にかかる金額は多くなります。

 
比較②:年間光熱費

年間光熱費については、「全館連続冷暖房」と「居室間欠冷暖房」の場合に分けて算出しています。

「全館連続冷暖房」とは、欧米で一般的な、家中を均一的な温度にする冷暖房の仕方です。
「居室間欠冷暖房」とは、日本で一般的な、人がいるときにいるところだけ冷暖房するものです。



「全館連続冷暖房」にすることで家の中に温度差がなくなるのでとても快適になり、以前お伝えしたヒートショックのリスクもなくなったりとメリットが大きいのですが、①の一般的な住宅で「全館連続冷暖房」にすると、年間10万円近く光熱費が高くなるので、導入を躊躇しがちです。

ところが、③のドイツの住宅並みの高気密・高断熱住宅の場合には、「全館連続冷暖房」にしてもその差は2万円に満たないほどになります。

 
比較③:エアコンの設置台数 〜ドイツ並みだと6畳用エアコン1台で家全体の冷暖房が可能!〜

次に注目はエアコンの台数です。一般的な住宅では、4LDKの家の場合は、リビングに14〜16畳用のエアコンと、各寝室に1台ずつエアコンが必要です。ほとんどの方はそれが当たり前だと思っていると思います。

それが、高気密・高断熱住宅の場合には、3LDKや4LDKの一戸建てでも、6畳用のエアコン1台で、家全体の室温を十分にコントロールできます。



 
<3>その差、約850万!高気密・高断熱住宅と一般的な分譲住宅のランニングコスト

上で見てきた、イニシャルコスト(新築費用)と、年間電気代、エアコンの設置台数、の3点を勘案して、先ほどの①一般的な分譲住宅、②ZEH基準の断熱性能、③ドイツの住宅並みの3段階に分けて、50年かどのような違いが出るのか、具体的な金額をシミュレーションしたものが以下です。



ちなみに上のグラフでは、イニシャルコストの増加分を住宅ローンの増加分として扱っています。
住宅購入には多くの人がローンを組むため、イニシャルコストとは言っても、月々支払いが発生するランニングコストと同じような性質になります。

そこでシミュレーションでは、住宅ローンの増加分を0.9%の固定金利で35年の住宅ローンを組むとして計算し、
光熱費などランニングコストに組み込みました。そうすることで、比較しやすくなっています。


グラフを見てみると、①一般的な分譲住宅は、②と③の高気密・高断熱住宅よりも約850万円もランニングコストの負担が増えることがわかります。

しかもこれは、イニシャルコストの増加分も住宅ローンの支払いの増加分として反映している結果です。

つまり、何年目で回収できるということではなく、②、③ではローンの支払額の増加分よりも光熱費の削減の方が大きいので、実は初年度から得しているのです。

そのうえ、35年後に住宅ローンの支払いを終えると、光熱費の削減分はまるまる懐に残りますから、老後の生活のゆとりにつながります。

 
<4>結論!高気密高断熱住宅は「イニシャルコスト増」よりも「ランニングコスト減」のほうが大きくてお得!

●電気代の高騰で、その差はもっと広がる!

ちなみに、このシミュレーションでは、このシミュレーションは4年ほど前に行ったもので、電気代は毎年2%ずつ上がると想定しています。その後電気代の高騰が続いており、2023年現在、電力会社大手10社の電気代は過去5年で最高値になり、今後も、原発の廃炉費用や脱炭素社会に向けた再生可能エネルギー導入などにより、電気代は毎年もっと上がると言われています。

ということは、実際には、このシミュレーションよりもさらに高気密・高断熱住宅の経済的なメリットは大いに期待できそうです。

電気代が今後どれだけ上がるかは別にしても、このシミュレーションでは850万円のお得。
家を建てる最初の時点で「高い!」と敬遠するには、あまりにももったいないと思いませんか?


●医療費や消耗品の節約、時短、家事ラク…その他、お得なこともいっぱい!!

実際には、このシミュレーションに反映されていない節約も種々あります。
例えば、以前説明したように、家事が楽になるので掃除用具が減ったり、健康的に暮らせるので医療費がかからないなど、よくよく考えてみると快適でお得なことがいっぱいです。

お金を節約できるのはもちろんのこと、何よりも快適に暮らせることも大きいですよね。
850万円以上のお金に変えられない付加価値が、高気密・高断熱住宅にはあります!


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2023/07/15

スタッフブログ

「住宅の燃費性能」考えたことありますか?!

こんにちは、住まいるサポートの畠山です。
2023年が半分終わったと思ったら、あっというい間に7月も半分終わり・・・。
夏休みに向けて、冷凍食品の買い置きに余念がない私でございます・・・。

さて、今日は、「燃費」のお話です。
 

車だけじゃない!節約を考えるなら「住宅の燃費性能」も大切!


「燃費性能」と聞くと、何を思い浮かべますか? 多くの方は、「車」🚘ではないでしょうか。「住宅」について思い浮かべた人はどれほどいるでしょうか。

私たち日本人は、車を買うときにはその燃費性能について念入りに調べますが、家を建てるときには、住宅の燃費性能を気にする人は、ほぼいません。

しかし、「住宅の燃費性能」を考えることは、とっても大切なことです。

車は3年〜5年程度で買い替える人も多いですが、家を購入する場合は、基本的には30年、50年と住み続けるものですよね。その年月の長さから言っても、車よりもずっと燃費性能を気にするべき買い物ですよね。




この「住宅の燃費性能」は、気密や断熱のレベルに大きく左右されるので、「燃費性能」を意識する際には、「気密・断熱性能」にぜひこだわっていただきたいと思います。

そのことをもう少し詳しくみていきます。

 

太陽光発電?最新型給湯器?燃費のいい暮らしを送るために


ここでまず、燃費性能の基本的な考え方についてみていきたいのですが、光熱費を下げ、燃費のいい暮らしを送るために、、、と考えた際、日本ではなぜか「省エネ設備の導入」に力を入れてしまいます。

例えば「太陽光発電を載せよう!」とか、「給湯器を最新のもにしよう!」など、省エネになる設備を取り入れがちになります。

設備の分だけコストはかかりますが、「せっかく新築するなら省エネ住宅にしよう。最初に設備投資のお金がかかったとしても、後々の節約になるから」というわけですね。

もちろん、これも正しい考え方で、たとえ最初にコストがかかったとしても、あとあとの省エネで節約できるメリットがあります。

ところが、設備の場合には落とし穴があります。

せっかくお金をかけて設備投資しても、一般的に機械設備は15年程度で更新が必要になってしまいます。残念ながらその時点で、もう無価値になってしまいます。

そしてまた、買い替えで費用がかかってしまう。確かに省エネはできても、長く住み続けて省エネを継続するためには、繰り返し設備投資しなければならないわけです。

 

燃費性能とコストの両立に最適なのは・・・?!


では、燃費性能を高めるためには、結局はメンテナンスや買い替えを覚悟したうえで機械設備を導入するしかないのでしょうか。

いいえ、そんなことはありません!設備ではなく、住宅そのものの躯体(床、壁など構造を支える骨組み)性能を高めればいいのです。

それが、高気密・高断熱住宅です。

高気密・高断熱住宅と省エネ設備との耐用年数を比較してみれば、その差は歴然としています。




窓や断熱材の断熱性能や気密性能ももちろんある程度の経年劣化はありますが、機械設備と違って、30年から場合によっては60年以上にわたりその基本性能は維持されます!

初めにコストをかけたとしても、光熱費の削減分でそれを取り返していけるのです♪

もう少し分かりやすく、住宅をバケツにたとえてみましょう。次の図をご覧ください。





もし、穴の空いたバケツの中の水位をあげたいのであれば、どうすればいいと思いますか?もちろん、「B:バケツの穴を塞ぐ」ですよね。

もしこのバケツが、住宅だったらどうでしょうか。そして、水を暖房による熱だとイメージしてみてください。気密・断熱性能を高めない住宅は、穴の空いたバケツと同じです。

そして、その状態のままで一生懸命に部屋をエアコンで暖めたり冷やしたりしても、そのエネルギーは水のように漏れていってしまいますよね。

バケツの水位を保つのと同様に室内の温度(エネルギー)を保ちたいのなら、気密・断熱性能を高めて穴を塞ぐべきなのに、どんどんエネルギーを注いで増やすことで、温度を保とうとしているわけです。

漏れていくエネルギーがもったいない!ぜひ、穴を塞ぐことに意識を向けてください。

つまり、燃費性能という観点からも、気密・断熱性能を高めることを考えていただきたいです。
 

次回は、具体的なコストやシミュレーション結果を基に、高気密・高断熱住宅でかなう燃費のいい暮らしについてご紹介していきたいと思います。
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2023/03/31

スタッフブログ

今がチャンス!過去最大補助率!先進的窓リノベ事業スタート!
こんにちは!住まいるサポートの畠山です。
卒園・卒業シーズンですね!我が家も来週卒園式を控えています😭

本日は、こんなご時世に、ぜひ知っておきたいお得な情報「先進的窓リノベ事業」についてお届けしたいと思います。

ーー「先進的窓リノベ事業」。初めて聞いた方もたくさんいらっしゃると思いますが、「家が寒い🥶!暑い😡!」「結露がひどい!😭」とお困りの方は、今がチャンスです!

2023年3月、経産省・環境省がこの春スタートさせた「先進的窓リノベ事業」とは、「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等」のことで、既存住宅の窓の断熱改修に対しての非常に手厚い補助事業なのです!

過去最大の補助率、補助額予算1,000億円の「先進的窓リノベ事業」、一体どんな制度なのか詳しくみていきましょう♪

 

2023年3月開始、過去最大の補助率!『先進的窓リノベ事業』について

 
経産省・環境省が、「先進的窓リノベ事業(住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等)」という既存住宅の窓の断熱改修に対して、非常に手厚い補助事業を開始!
 

この春誕生した「先進的窓リノベ事業」は、現在の住まいの寒さや暑さに悩んでいる方には、とってもお得に自宅を改修する大チャンス★なのですが、

というのも、通常の補助金や助成金の制度は、補助率が決まっていて、1/3補助程度が一般的。
ところが、それに対して今回の先進的窓リノベ事業は、窓のサイズとリノベの方法(改修後の断熱性能)による定額の補助額になっています。

たとえば、2.8㎡以上の大きな窓に内窓を設置する場合、補助額は124,000円です。施工業者によるので一概には言えませんが、この補助額は、補助率7割を超える可能性もありそうです。(※補助額の上限は1戸あたり200万円、1申請あたりの合計補助額は50,000円以上)



 

【みんなのギモン】ん?窓? 窓ってそんなに重要?!


「窓のリフォームかぁ…、寒いキッチンの方がリフォームしたかったんだけど…」

など、思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。

下の図を見てください!
日本の住宅をモデルとして試算すると、52%(図表1)もの暖房エネルギーが窓から逃げていることがわかります。



そして、日本の窓の性能は世界と比較しても圧倒的に低くなっています。(※1参照)

窓の性能が良くないことで家が寒いと、ヒートショックなどのリスクが増えること(※2参照)、

また、「冬暖かく夏涼しく快適に暮らせること」が子どもの健康や学習にとっていかに大切か(※3参照)についても過去のブログでお話しています。

※1  ア然!海外vs日本でこんなに違う!窓の性能
※2 関連記事:交通事故の7倍!年間約2万人が命を落とす『ヒートショック』とは!
※3 第2回:健康で賢い子どもが育つ家づくり

\ぜひ今、窓の重要性を再認識していただいて、このチャンスを逃すことなく暖かいお家を手に入れてください☆/

 

【みんなのギモン】どんなリフォームが対象になるの?


窓の断熱リノベには、下図のように、次の4つの工事種類があります。

今回の制度では、このガラス交換、内窓設置、外窓交換(カバー工法)、外窓交換(はつり工法)のいずれもが対象になります。





 

お勧めは「内窓設置」か「外窓交換(カバー工法)」


上記、4つの工事種類のうち、ガラス交換は手軽ですが、アルミのフレームに生じる結露を止めることはできないので、あまり勧めできません。
 



コストパフォーマンスが高く、効果も大きいのは内窓設置で、既存の窓の内側のスペースに新たに内窓を設置する方法です。

この方法は、1窓あたりの施工時間も約60分程度と簡便で費用もかなり手頃です。
その上、既存の窓と新たに設置する内窓とで高い断熱性能を確保することができます。

ただ、内窓設置の場合は、窓を開けるためには、2枚の窓を開けなければならないのがちょっと難点です。
 



窓は、1回の開け閉めにしたいという方には、外窓交換(カバー工法)がお勧めです。

サッシは壁の中に取り付けられているので、本来は壁を壊さないと交換できないのですが、この工法は、壁の中に入っている既存の枠を残して内側を撤去して、少し小さい窓を既存枠の内側に設置するものです。窓のサイズが少し小さくなってしまうのが欠点ですが、壁を壊してのサッシの交換に比べて、工事が簡単で、費用もだいぶ安くなっています。

施工時間も、1窓あたり約2時間~半日とかなり短時間での施工が可能です。
 



外窓交換(はつり工法)は、壁の一部を壊して同じサイズの窓を高性能にするものです。この工法は、床・壁・天井の断熱リノベや耐震補強とセットで行う断熱フルリノベの際に採用するのが現実的かと思います。
 

今回の補助制度は、窓のサイズとリノベの方法(改修後の断熱性能)によって補助額が決まる定額補助になっています。
 



smileyん〜、よくわからないな、今の自宅にどんな方法が最も適しているのかな・・・とお悩みの方には、当社で無料相談も行なっていますので、お気軽にご連絡くださいね。

 

【みんなのギモン】どうやって申請すればいい?


補助を受けるにあたって気をつけたいことは、先進的窓リノベ事業事務局に登録された「窓リノベ事業者」と工事請負契約を締結する必要があることです。窓リノベ事業者に工事を依頼して契約すれば、あとは手間いらず。この事業者が補助申請以後の手続きを行ってくれる仕組みになっています。

 

【みんなのギモン】予算1,000億円!どうしてこんな太っ腹な補助金制度が誕生したの?


そもそもどうしてこんな太っ腹な制度になっているのでしょうか。

ーー国は、「2030年までに温室効果ガスを国全体で46%削減」することを国際的に約束していて、
特に住宅(家庭部門)については、2013年度比で、なんと66%!もの削減を目標にしています。

その目標を達成するために、住宅性能についての法制度の改正が立て続けに行われているわけですが、新築の着工数は減っているので、すでに量的には充足しています。そうなると、既存住宅の省エネ性能を向上しない限り、国が定めている目標達成が困難なのです。そこで国は、
既存住宅の断熱改修の推進に本腰を入れ始めたというわけです。

 

☆ 予算消化で終了の可能性も!少しでも気になる方は、検討を急いで!


この補助金制度を利用するには、令和5年12月31日までに工事請負契約を締結するとともに、工事も完了する必要があります。ただし、今までにない非常に高い補助率の制度であるため、あっという間に予算が消化されてしまう可能性が高いと思われますので、気になっているなという方は、早めの検討をお勧めします!
 

当社は、高性能な住宅会社を無料でご紹介するサービスを行なっていますので、どうやって工事業者を探せばいいかわからないという方も、ぜひご連絡ください♪

助成金についての相談や、詳しく聞いてみたいことなどもお気軽に♪
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2023/03/15

スタッフブログ

ア然!海外vs日本でこんなに違う!窓の性能

こんにちは。住まいるサポートの畠山です。
私の住むあたりも、インフルがじわっと寄せてきている感じを受けますが、みなさまお変わりありませんか?

さて今回は、前回に引き続き、世界における日本の住宅性能についてお話していきたいと思います。

日本では「当たり前」になってしまっている結露。EU諸国で結露は「起きてはいけない施工ミス」という扱いでしたね。

それだけ日本とは、求められている断熱・気密性能のレベルが違うということなのですが、そもそも、結露の原因は、室内の湿気を含んだ暖かい空気が「窓」や「壁」などで冷やされて水蒸気ではいられなくなることですから、「窓」などが冷たくならなければいいわけです。
 



今回はそんな、断熱性能を語るに欠かせない「窓」についてお送りします。


 

ア然!海外vs日本でこんなに違う!窓の性能


「断熱性能を高めて、窓や壁が熱を通しにくなれば結露も生じにくくなる」というのは散々お話してきましたが、窓や壁がどのぐらいの熱を通しやすいかを表す値があります。それが、熱貫流率の「U値」(※)です。

「U値」は、値が小さければ小さいほど熱を通しにくく結露もできにくい、ということになります。

それでは、この「U値」について、日本と他の国々の窓のU値の基準値を比較してみます。
こちらのグラフを見ていただくと、世界の窓の断熱基準の中で、日本がどんな位置にあるのかよくわかり、同時に非常に残念な気持ちになります…😭

🇩🇪ドイツ
全土で窓の性能にU値1.3以下が求められる

🇨🇳中国
地域によって基準が違うが、概ね北半分はU値2.0前後が求められる

🇺🇸アメリカ
南部の暖かい地域以外はU値2.0未満が求められる

🇯🇵日本
・北海道など寒い地域と認定されている1/2/3地区でも、U値2.33💦 ➡️アメリカの中南部地区の基準よりもゆるい!
・東京・横浜・名古屋・大阪・福岡などの6地区のU値は4.65💦 ➡️上図の中でも圧倒的に低水準……

 

日本の最高等級とされる断熱性能のサッシも、海外の多くの国では最低基準を満たしていない…!


日本で最も厳しい基準であるU値2・33でも、海外を見れば誉められたものではないのですが、下図を見ると、さらに驚きです!





U値2.33でも、日本の省エネ建材等級では最高等級の4つ星を取れてしまうのです😲(ちょっとオソロシイ…)

日本の最高等級の断熱性能のサッシも、海外の多くの国では、なんと最低基準を満たしていないのです……💦

諸外国では、非常に厳しい断熱性能基準が定められており、しかも義務化されていますが、日本では、基準自体も非常に緩く、義務化もされていない。あくまで推奨なのです……。

これではなかなか日本の住宅の性能は上がらず、日本の住宅で結露が発生してしまうことが「当たり前」になってしまうんですね😭。
 

そもそもサッシの素材が大間違い!「ペアガラス」は高品質?!


「ペアガラス」というのは聞いたことがありますか?

窓の断熱性能は、おおむね、枠とガラスの構成により決まります。アルミ製のサッシで「ペアガラス」の窓が、日本の主要都市の断熱基準であるU値4・65の性能レベルになります。

「ペアガラス」というだけで、断熱性が高い特別な窓だと思っていませんでしたか?残念ですが、とんでもない。欧米人のサッシの性能とは比較になりません。


それでも高品質に感じるのは、ペアガラスにもなっていないシングルガラスの方が日本の既存の住宅では多数を占めているからです😭
 

低い断熱基準すら満たしていない住宅が、いかに多いかということです。厳しい断熱基準が定められているドイツなどの国々のサッシは、樹脂製もしくは木製で「トリプルガラス」。これがU値1・3以下を可能にしています。
 

アルミ製のサッシが過半数を占めているのは先進国の中で日本🇯🇵だけ!


断熱性能は、ガラスの枚数もそうですが、サッシの素材によって全く違ってくるのです!

日本では、サッシというアルミのイメージが強いのではないでしょうか。その通りで、最近はやっと樹脂製も増えてきたもののまだまだアルミサッシが過半数を占めています。

ところが、熱伝導率で言えば、アルミの238に対して樹脂は0・17。つまり、アルミ伝導率は樹脂の1400倍にもなります。アルミは樹脂の約1400倍も熱を通してしまいます。2倍とか10倍でも驚きですが、何と1400倍!



グラフを見ていただくとわかるのですが、樹脂の性能がことさら素晴らしいというよりも、アルミがひどすぎます。それなのに、日本はいつまでもアルミサッシから抜け出せません。

世界の素材別サッシ普及割合を見ると、熱伝導率が圧倒的に高いアルミ製のサッシが過半数を占めているのは先進国の中で日本だけです。


 

居住環境に対する考え方の違い…日本🇯🇵も変えていきたい

 

ドイツ🇩🇪では、シリア難民が問題になっている時期に、難民向けの住宅が多数建てられました。急ごしらえとも言える住宅ですが、それでも窓の断熱性能はしっかり1・3レベルだそうです。もちろん壁の断熱性能もとてもしっかりしています。

ドイツ国民でなくても、シリア難民の人権に配慮して、居住環境を考えなくてはならないという考え方なのでしょう。

ひるがえって日本🇯🇵は、高級な注文住宅でも、難民のための急ごしらえの住宅よりもずっと低い断熱性能で、最高等級の性能であると認定されている……


この違いを、私たちはもっとよく考えるべきかもしれませんね。まずは現状をしっかり知るところから始めていきたいなと思います。

 



目先のコスト、だけにとらわれず、どういった窓を選び、どのような性能にこだわっていくべきか、次回は「燃費性能」のお話にも触れていきたいと思います。お楽しみに☆

(※)熱貫流率 U値「W/m2・K」:熱の伝えやすさを表す数値。室内外の空気温度に1度の差があるとき、1時間にに壁1㎡を通過する熱量を表します。 数値が小さいほど断熱性能が良いことになります。

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2023/02/28

スタッフブログ

欠陥住宅レベル!先進国における日本の住宅性能事情
こんにちは。住まいるサポートの武藤です。

急に暖かくなって、お庭の木々もびっくりしているんじゃ?!…なこの頃ですが、
春めいた風に、卒業・入学のシーズンになってきたなぁと感じています。

さてさて本日は、世界の中で見る日本の住宅性能についてご紹介します。

今回お送りする内容は、「家づくりを始める前にまず認識していただきたいこと」として、これを広めるため弊社代表高橋が現在の会社を立ち上げることとなったテーマでもあります。

快適・健康で経済的な暮らしが広まりますように。ぜひ最後までお付き合いくださいsmiley

 

先進国の中では欠陥住宅レベル!日本の住宅性能事情


「国産」「Made in Japan」「日本製」という言葉に安心感を感じる方も多いのではないでしょうか。
確かに、勤勉で真面目なものづくりの姿勢は世界から認められるにふさわしいものです。

ですが、実は多くの方が気づいていないだけで残念ながら「これではとても先進国とは言えない」というお粗末レベルの分野…

それが、『住宅』です。



例えば以前のブログ(「冬に結露ができるのは当たり前?」2022.12.10 )でご紹介した『結露』
断熱・気密性能を高めれば、結露は起こらなくなることをお伝えしましたが、今の日本では多くの人が「結露は当たり前、仕方ない」と受け入れて暮らしているのではないでしょうか。

でも、EUの多くの国では、結露が起きると施工業者が責任を問われてしまいます。
結露は「起きてはいけない施工ミス」という扱いになっているのです。


ただ、日本の住宅の性能が先進国の中でダントツに低いのは、「住宅メーカーに技術がないから」という話ではなさそうです。

高性能の住宅を作る環境が日本にはないのです。
もっと言えば、住宅会社にとっては、高性能の住宅を作る必要がありません。

高性能住宅を作る必要がない?!とは、いったいどういうことなのでしょうか。

 

日本のハウスメーカーが高性能住宅を作らない3つの理由


なぜ高性能住宅を作る必要がないのか。
それには大きく分けて、次のような三つの理由があるようです。
 

1、義務じゃないから「まぁいいや」


第一に、先進国の中で日本だけが省エネ基準への適合が義務化されていません。

省エネ基準は、概ね断熱性能や設備の省エネ性能の基準だと考えていただければいいのですが、欧米では特に断熱性能についてとても高い性能が要求されています

そして、その基準への適合が義務化されています。つまり非常に厳しい基準を満たした家でなければ新築が許されません。
ところが日本では、まず省エネ基準が欧米に比較するとゆるゆるす。しかも、主要先進国では唯一、適合が義務化されていないのです。
ですから、「気密や断熱の性能が低くて性能基準を満たさなくても、新築していいよ!」ということになります。

 

2、義務化されたら住宅業界は大変!


おそらく、こんなお粗末な住宅事情でいいとは、国も思っていないはずです。

日本でも遅ればせながら、昨秋に法律が改正され、2025年からゆるゆるの基準ではありますが、やっと適合が義務化されることになりました。


もともとは、2015年に「建築省エネ法」が制定され、2020年までに戸建住宅も含めて義務化することが一度は閣議決定までされていたのですが、結局、住宅に関しては義務化が見送られてしまいました。
真偽のほどはわかりませんが、このときは、住宅業界が義務化に反対したからだと言われています。反対の理由は、いくつか考えられます。

まず、少人数でやっているような小さな工務店が多いこと。

こうした工務店の多くは、省エネ基準を義務化されても、それについていくだけの技術力や体力がありません。
ただ、ここで誤解してほしくないのですが、全ての中小工務店がそうなのではありません。
実態としては、中小工務店は二極化が進んでいます。高性能化に対応できない工務店と、大手ハウスメーカーをはるかにしのぐ高性能住宅を
建てている意識の高い工務店のどちらかに、どんどん二極化しています。

また、高気密・高断熱に対する知識が浅く、旧来からの住まいづくりにとらわれて、「高気密・高断熱住宅はよくない!」と主張しているハウスメーカーや工務店もあります。

彼らの言い分は、たとえば、「法隆寺を見ろ!日本古来の建築で1400年以上も長持ちしている。高気密・高断熱なんて、かえって結露を発生させて、劣化を早める」というものです。日本にはあくまで「風通し」に対する信仰に近いものがあるのですね。

確かに、法隆寺のように、暖房もせずずっと風が通っていて内外の気温差がなければ、それは長持ちします。ですが、冷房や暖房して室内外に温度差が生じる場合、中途半端な気密や断熱だと壁の中で結露が生じます。壁の中で結露が生じると、木を腐らせる腐朽菌や湿った環境を好むシロアリの被害を受けやすく、長持ちしない建物になります。

冷暖房を行って快適・快適に暮らしつつ、建物を長持ちさせたいのであれば、壁の中で結露が起きないように、しっかりと高気密・高断熱にすることが必要なのです。専門家の間でも、その辺りの理解が足りていない方々がいるということです。



 

3、高気密・高断熱住宅の良さとコストを知らない消費者


そして最後の理由として挙げたいのは、ハウスメーカーではなく、消費者側の意識について。

これが実は最大の理由ではないかと、弊社の高橋は言います。

今までご説明してきたように、高気密・高断熱住宅は、健康で快適に暮らすことができるのですが、そのことを知っている消費者はまだまだ少ないのが現状です。

そのうえ、高気密・高断熱住宅にするには、どうしても建設時のコスト(イニシャルコスト)がかさみます。つまり、住宅取得時の値段が高くなってしまいます。消費者心理として、「費用は少しでも安く抑えたい!」というのは当然で、「性能を上げるため」のコストを出し渋ってしまいます。
消費者が、「安く抑えたいからその性能は要らない」という考えなら、メーカーは売るためにも消費者に寄り添うしかありません。

ところが実は、高気密・高断熱住宅はイニシャルコストが多少高くついたとしても、光熱費の削減などで、ランニングコストはかなり低くなります。
コストについてはまた別の機会でご説明しますが、結局のところ、消費者は性能についてもコストについても、よく知らないというのが現状なのです。
 
今後、消費者が賢くなって、「私たちは高性能の家に住みたい!」と意思を明確に示すことができるようになれば、工務店やハウスメーカー側も変わってくるはずですし、消費者の声に応える意識がない会社は淘汰されます。
そういう時代が到来すれば、日本人が真に豊かな暮らし、つまり、健康・快適で経済的な暮らしを実現することになると期待しています。
そのためにも、皆さんに、お粗末な住宅事情と、高気密・高断熱住宅がクオリティー・オブ・ライフを高めるということを、広くお伝えしていきたいと思っています。


次回は、高気密・高断熱のカギを握る「窓」。世界各国と比較しながら日本の断熱基準がどれほど低いものか、そのうえで、どんな窓を選んでいけば良いなど見ていければと思います。お楽しみに♪
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2023/02/15

スタッフブログ

交通事故の7倍!年間約2万人が命を落とす『ヒートショック』とは!
こんにちは。住まいるサポートの畠山です。
今年の冬は、10年に1度の大寒波が襲来したり、大雪に見舞われる地域があったりと…本日も北海道はすごい雪のようですが、
みなさまご無事でしょうか🥶。どうか充分にお気をつけください。

1ヶ月ほど前、NHKのクローズアップ現代で『実は危ない!ニッポンの“寒すぎる”住まい』が放送されました(1/17放送)。

断熱性能の低い日本特有の住宅が、いかに命を縮めている恐れがあるか、興味深いデータや調査結果と共に紹介されてとてもわかりやすく、また、実際に寒さが原因で命を落とされた方のご家族の言葉もあり、非常に危機感を感じる内容でもありました。

番組には以前こちらのブログでその研究を紹介させて頂いた慶應義塾大学の伊香賀教授もご出演されていて、日本の9割の地域でリビングの平均室温が18度を下回っていたという調査結果も紹介されていました。※WHOは、家全体の温度を18度以上にすることを強く勧告しています。

神奈川県は比較的リビングの室温が高い県になっていましたが、これは他の都道府県に比べてマンションなどの共同住宅の比率が高いためで、戸建だけでみると、18度以下のお宅の比率はかなり高いそうです。


◆循環器の疾患は「生活環境病」と捉えることも必要

今回のブログでは「ヒートショック」についてご紹介しようと思っていたのもあり、私も番組をとても興味深く観ていたのですが、ヒートショックなどの「循環器の疾患は生活環境病と捉えることも必要」という医師の言葉も大変印象的でした。

疾患のリスクを減らすために、自治体をあげて住宅の温度の改善に取り組んでいる事例紹介もあり、日本の寒すぎる住宅が、いよいよ国全体の問題・課題として捉えられてきているんなだと感じています。

見逃し配信や再放送などで機会がありましたらぜひ皆様もご覧になってください。
 

さて、それでは、なぜ「循環器の疾患は生活環境病」といわれるのか。
今回のテーマ「ヒートショック」について見ていきたいと思います。
 

ヒートショックで亡くなる方の数は、交通事故で亡くなる方の7倍!




実に年間19,000人もの方がヒートショックで命を落としている、この事実を知った時は私もかなり衝撃でした😲
まさに、寒さが死に直結してしまった結果です。
 
ヒートショック:家の中の温度差に起因して、急激な温度変化で身体がダメージを受けること

ヒートショックを具体的に説明すると…

入浴する時に、寒い脱衣室で服を脱ぐと、寒さのため血管が収縮して血圧が上昇し、寒い浴室に入ることでさらに血圧が上昇します。その状態で熱めの湯に浸かると、温まったことで血管が広がって血圧が低下。急激な血圧の変動が起きてしまいます。



こうした血圧の変動は心臓に負担がかかり、浴槽の中でそうした状態になれば気を失ってしまう方が多く、その結果、冬場に浴室での溺死が増加してしまうのです。また、浴室で心筋梗塞や脳卒中で倒れる方も多いのです。

 

ヒートショックは寒い地域だけの問題ではありません!



「でも、ヒートショックって寒い地域の話よね?」と思われている方、いらっしゃいませんか?

ーー違います!

『わが国における入浴中心肺停止状態(CPA)発生の実態』(2011年の東京都健康長寿医療センター研究所)によると、
都道府県別の高齢者1万人あたりの入浴中に心臓機能停止となった人数の1位は温暖であるはずの香川県

それだけでなく、2位の兵庫県5位の和歌山県7位の愛媛県など、上位には比較的暖かい県がランクインしています。



香川県は先ほどのNHKの調査でも、47都道府県のうち、リビングの温度が一番低いことが紹介されていました。その反対に、寒い青森県は44位、北海道は46位と下位です。

冬のリビングの温度が47都道府県で一番高かったのも北海道でした。



これらのことから、寒い地域だからといって入浴中のCPA発生件数が多くなるわけではないことがよくわかります。

むしろ、寒い地域では高気密・高断熱住宅が普及していて、家の中の温度差がほぼないためにヒートショックが少ないと思われます。

つまり、気候がどうあれ、家の性能が高く快適に過ごせる環境ならば、ムダにいのちを落とさなくても済むのです。

先ほどの「循環器疾患は生活環境病」と言われるのも非常にうなづけます。

 

延ばしたいのは「健康」寿命!日本女性は12年間も不健康な状態!?


さて、交通事故死の7倍の方が入浴中に亡くなっているとのことでしたが、もちろん助かっている人もいます。
ただし、亡くなった方の2〜3倍くらいの方々が、命を取り留めても、その後に半身不随になるなど、健康寿命を縮めてしまっていると言われています。

 

みなさんご存知の通り、日本の平均寿命の長さは世界に誇れるものです。ところが、「健康寿命」としては、残念なことに日本は、他の国と比較して突出して長いわけではありません。

なんと、日本の女性は、亡くなるまでに平均で12・7年もの長い間、不健康な状態で生活しています。



そんなことにならないためにも、冬に暖かい家で暮らすことで、少しでも健康寿命を延ばしたいですね。

 

脱衣所の室温が2℃高くなると、介護期間が4年短くなる


「健康寿命」を延ばすことを考えたとき、参考になる調査結果があります。前出の伊香賀教授らによる、冬季の住宅内温熱環境が要介護状態に及ぼす影響の実態調査です。

大阪府の千里ニュータウンに暮らす80名を、「脱衣所の平均室温14.6℃の温暖住宅群」と「12. 4℃の寒冷住宅群」に分け、要介護になる人が50%を超える年齢を比較しています。

その結果、要介護率が50%を超えるのは、寒冷住宅群に住む人たちでは76歳の時。一方で温暖住宅群に住む人が要介護率50%を超えるのは、80歳という結果になりました。



つまり、脱衣所の平均室温が2℃上がるだけで、健康寿命を4年も伸ばすことができるということなのです!

断熱工事に対して補助が出る自治体もあるようですが、なかなか日本全国でというわけにはいかず、
すぐに工事とまでは考えられないけれど、なんとか対策したいという場合の断熱グッズも番組内で紹介されていました。
脱衣所が寒いお宅は、それらも参考にすぐにでも対策を取ったほうがいいですね!

ただ、、、

番組で紹介されていた、寒い自宅でご家族を亡くされた方の「毎日使うところを優先的に修繕して、寒さについては後回しだった」という言葉も大変印象的でした。

確かにまた暖かくなり始めれば、また来年また来年、と延ばしてしまいがちですが、その間にも「生活環境病」の進行があるかもしれません。
できるだけ優先度を上げて寒さ対策に取り組んでいきたいものです。
 

繰り返しになりますが、ぜひ番組もご覧になっていただければと思います。
いかに、日本において「家の中が寒いことが当たり前」になっているか、そしてそれがとんでもないリスクを孕んでいることが、おわかりいただけるかと思います。

次回は、そんな日本の住宅と海外の住宅の比較や、断熱性能の基準の違いなどご紹介していきたいと思います。
※チラっと予告ですが、日本の住宅性能は他の先進国と比べて、ダントツで低いレベルなんです…💦

それではどうぞ皆様、今宵も充分に暖かくしてお過ごしください!
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2023/01/30

スタッフブログ

【後悔しない家づくり】高気密・高断熱住宅の基本
こんにちは。住まいるサポートの畠山です。
2023年最初のブログです。本年もみなさまどうぞよろしくお願いいたします!

さて、年末年始は、私も久しぶりに実家に帰りゆっくりしてきたのですが、自分の生まれ育った家ではありますが😅、朝は寒くてなかなか起き上がれず、冷たい廊下を通ってのお風呂は億劫だったりしました…。

前回までのブログでもお伝えしたとおり、温度で活動量が変わるなぁ…と住宅の性能について、あたらめて勉強したいと思った次第です💦




ーーーということで、今までさんざん「性能がいい!」とお伝えしてきた「高気密・高断熱住宅」ですが、そもそもどういった住宅のことをいうのか、今回はご紹介したいと思います。

これから家作りを考えている方や、リフォーム検討中の方などは、私たちが知っておかないと、メーカーや工務店からは積極的に教えてくれないことも登場するので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

高気密の家とは?

 
「高気密住宅」のポイント●外気の侵入を防ぎ室内の気密性能を高めた家が高気密住宅
●気密性能には明確な基準や定義がない
●専門家の間ではC値(※)が1.0以下であれば概ね高気密と評価される
●C値は図面からは計算できず、手間のかかる測定を行うハウスメーカーはわずか!
●施主側が意識しないと十分な性能の家は建てられない!
※本文中に詳しく説明します。


戸建住宅は、普通に建てるとどうしてもすき間が空いてしまいます。すき間風を感じるほどのすき間もあれば、目には見えず、ほとんど感じないけれど、実はすき間があることもあります。

こうしたすき間を、精度の高い建築部材や気密シート、気密テープなどでできるだけ埋めていき、外気の侵入を防いで室内の気密性を高めた家。それが高気密住宅です。

ところが…国の基準には気密性能に関する定めがないので、高気密住宅には実は明確な定義はありません

ただ、気密性能を評価する「C値」という次の式で示される値が「1.0」以下であれば、専門家の間では概ね「高気密」と評価できると考えられています。




しかし、家のすき間がどの程度あるのかということは、なかなかわかりにくいものです。

のちほど紹介する「高断熱」は、断熱性能は図面から計算することができるのですが、気密性能のC値は図面から計算できるものではありません

そこで、建築中に下の画像のような、すき間の程度を調べる作業が必要になってきます。


▲気密測定の様子

この機械で空気を外に排出し、家の中の気圧を低くします。そうすることで、隙間があれば外から風が入ってくることになります。その風がどのくらい入ってくるのかを測定し、C値を出します。

気密測定を実施し、目標の値になるまで、隙間を探し出してつぶしていくのですが、これが結構な手間がかかります。

改正建築物省エネ法(2021年4月1日施工)でも、住宅の「断熱」性能の基準は定められていますが、「気密」性能に関する定めはありません。

ですから、今の日本ではどんなにすき間だらけの家を建てられてしまったとしても、違法ではないということになります。

そのため、こうした手間のかかる気密測定を行なっているハウスメーカーは、実は大手の中でも、ほとんどないんです!

高級住宅のイメージを売りにしている大手でもそんな状況なので、小さな工務店になればその割合は減ります。

日本で気密測定を全棟実施しているのは全住宅会社のうちで、2〜3%に過ぎないと言われることもあります。

つまり、施主が気密性能を意識しないと十分な性能の家は建てられない!のです。

 

高断熱の家とは?

 
「高断熱住宅」のポイント●高性能な断熱材や断熱性の高い窓を採用して断熱性能を高めた家が高断熱住宅
●断熱性能は、「Ua値」(※1)という値で表される
●国の省エネ基準ではUa値が0.87以下(※2)と定められている
●この基準は主要先進諸国に比べればかなり緩いもので、とても高断熱とは呼べない
※1 本文中に詳しく説明します。
※2 東京・大阪・横浜などの6地域


次に「高断熱」について。まず、「断熱」とは、熱の行き来を遮断することです。

そして高断熱住宅は、外壁に高性能な断熱材を用いたり、断熱性の高い窓を採用したりすることで、断熱性能を高めた住宅のことです。

断熱性能を高めて熱の行き来を遮断すると、壁や窓を通して家の中に伝わってくる外気温の影響を抑えられます。

つまり、冬の冷たい外気や夏の暑い外気の影響を受けず、快適な室温を保てるということになります。

断熱性能は、「Ua値」という値で表されます。

これは、住宅の内部から床、外壁、屋根や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値のことを指します。




「熱損失量の合計」とは、天井や床、窓からの熱損失量を合わせたもので、Ua値には基準が定められています。

地域によって違いはありますが、例えば東京・横浜・大阪などの温暖地ならば、0.87以下が国の省エネ基準になります。

しかし、それは他の主要先進諸国と比較すればお粗末なもので、とても高断熱と呼べるようなものではないのが現実です。

「高断熱住宅」にも定義はないのですが、専門家の見解では、Ua値0.6以下、できれば0.46以下が望ましく、さらに0.3以下であれば十分満足できるレベルだと言われています。
 

主要先進国と日本との省エネに対する意識の違いは、私も初めて知った際に、とてもショックなものでした。
これについては、追ってまた詳しくお伝えします。

 

断熱は「セーター」、気密は「ウィンドブレーカー」



さて、「高気密」「高断熱」についてそれぞれご紹介してきましたが、断熱は「セーター」で、気密は「ウィンドブレーカー」と、冬の服装に例えられることがあります。

寒い冬にはセーターを着れば暖かいですが、すき間があるので風が吹けば寒いですよね。

ウインドブレーカーは風を通しませんが、それ1枚では暖かさを得られません。

セーターの上にウインドブレーカーを羽織れば、風も通さず、暖かさもキープできます。



このように、「高断熱」と「高気密」の両方を住宅に取り入れると、相乗効果でその性能がより強化されます。

外気温の影響を受けず、いつも快適な室温が保たれるということが、子どもたちやパパママにとって非常に重要だというのは、前回までのブログでもたくさんお話してきましたが、次回以降では、冬に多く発生する「ヒートショック」「健康寿命」との関係などもご紹介する予定です。

子どもからおじいちゃんおばあちゃんまでが快適に暮らせる家づくりのために、少しでも参考になれば幸いです。
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