無料相談・来店予約

スタッフブログ

STAFF BLOG

ホーム

>

スタッフブログ一覧

2023/01/30

スタッフブログ

【後悔しない家づくり】高気密・高断熱住宅の基本
こんにちは。住まいるサポートの畠山です。
2023年最初のブログです。本年もみなさまどうぞよろしくお願いいたします!

さて、年末年始は、私も久しぶりに実家に帰りゆっくりしてきたのですが、自分の生まれ育った家ではありますが😅、朝は寒くてなかなか起き上がれず、冷たい廊下を通ってのお風呂は億劫だったりしました…。

前回までのブログでもお伝えしたとおり、温度で活動量が変わるなぁ…と住宅の性能について、あたらめて勉強したいと思った次第です💦




ーーーということで、今までさんざん「性能がいい!」とお伝えしてきた「高気密・高断熱住宅」ですが、そもそもどういった住宅のことをいうのか、今回はご紹介したいと思います。

これから家作りを考えている方や、リフォーム検討中の方などは、私たちが知っておかないと、メーカーや工務店からは積極的に教えてくれないことも登場するので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

高気密の家とは?

 
「高気密住宅」のポイント●外気の侵入を防ぎ室内の気密性能を高めた家が高気密住宅
●気密性能には明確な基準や定義がない
●専門家の間ではC値(※)が1.0以下であれば概ね高気密と評価される
●C値は図面からは計算できず、手間のかかる測定を行うハウスメーカーはわずか!
●施主側が意識しないと十分な性能の家は建てられない!
※本文中に詳しく説明します。


戸建住宅は、普通に建てるとどうしてもすき間が空いてしまいます。すき間風を感じるほどのすき間もあれば、目には見えず、ほとんど感じないけれど、実はすき間があることもあります。

こうしたすき間を、精度の高い建築部材や気密シート、気密テープなどでできるだけ埋めていき、外気の侵入を防いで室内の気密性を高めた家。それが高気密住宅です。

ところが…国の基準には気密性能に関する定めがないので、高気密住宅には実は明確な定義はありません

ただ、気密性能を評価する「C値」という次の式で示される値が「1.0」以下であれば、専門家の間では概ね「高気密」と評価できると考えられています。




しかし、家のすき間がどの程度あるのかということは、なかなかわかりにくいものです。

のちほど紹介する「高断熱」は、断熱性能は図面から計算することができるのですが、気密性能のC値は図面から計算できるものではありません

そこで、建築中に下の画像のような、すき間の程度を調べる作業が必要になってきます。


▲気密測定の様子

この機械で空気を外に排出し、家の中の気圧を低くします。そうすることで、隙間があれば外から風が入ってくることになります。その風がどのくらい入ってくるのかを測定し、C値を出します。

気密測定を実施し、目標の値になるまで、隙間を探し出してつぶしていくのですが、これが結構な手間がかかります。

改正建築物省エネ法(2021年4月1日施工)でも、住宅の「断熱」性能の基準は定められていますが、「気密」性能に関する定めはありません。

ですから、今の日本ではどんなにすき間だらけの家を建てられてしまったとしても、違法ではないということになります。

そのため、こうした手間のかかる気密測定を行なっているハウスメーカーは、実は大手の中でも、ほとんどないんです!

高級住宅のイメージを売りにしている大手でもそんな状況なので、小さな工務店になればその割合は減ります。

日本で気密測定を全棟実施しているのは全住宅会社のうちで、2〜3%に過ぎないと言われることもあります。

つまり、施主が気密性能を意識しないと十分な性能の家は建てられない!のです。

 

高断熱の家とは?

 
「高断熱住宅」のポイント●高性能な断熱材や断熱性の高い窓を採用して断熱性能を高めた家が高断熱住宅
●断熱性能は、「Ua値」(※1)という値で表される
●国の省エネ基準ではUa値が0.87以下(※2)と定められている
●この基準は主要先進諸国に比べればかなり緩いもので、とても高断熱とは呼べない
※1 本文中に詳しく説明します。
※2 東京・大阪・横浜などの6地域


次に「高断熱」について。まず、「断熱」とは、熱の行き来を遮断することです。

そして高断熱住宅は、外壁に高性能な断熱材を用いたり、断熱性の高い窓を採用したりすることで、断熱性能を高めた住宅のことです。

断熱性能を高めて熱の行き来を遮断すると、壁や窓を通して家の中に伝わってくる外気温の影響を抑えられます。

つまり、冬の冷たい外気や夏の暑い外気の影響を受けず、快適な室温を保てるということになります。

断熱性能は、「Ua値」という値で表されます。

これは、住宅の内部から床、外壁、屋根や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値のことを指します。




「熱損失量の合計」とは、天井や床、窓からの熱損失量を合わせたもので、Ua値には基準が定められています。

地域によって違いはありますが、例えば東京・横浜・大阪などの温暖地ならば、0.87以下が国の省エネ基準になります。

しかし、それは他の主要先進諸国と比較すればお粗末なもので、とても高断熱と呼べるようなものではないのが現実です。

「高断熱住宅」にも定義はないのですが、専門家の見解では、Ua値0.6以下、できれば0.46以下が望ましく、さらに0.3以下であれば十分満足できるレベルだと言われています。
 

主要先進国と日本との省エネに対する意識の違いは、私も初めて知った際に、とてもショックなものでした。
これについては、追ってまた詳しくお伝えします。

 

断熱は「セーター」、気密は「ウィンドブレーカー」



さて、「高気密」「高断熱」についてそれぞれご紹介してきましたが、断熱は「セーター」で、気密は「ウィンドブレーカー」と、冬の服装に例えられることがあります。

寒い冬にはセーターを着れば暖かいですが、すき間があるので風が吹けば寒いですよね。

ウインドブレーカーは風を通しませんが、それ1枚では暖かさを得られません。

セーターの上にウインドブレーカーを羽織れば、風も通さず、暖かさもキープできます。



このように、「高断熱」と「高気密」の両方を住宅に取り入れると、相乗効果でその性能がより強化されます。

外気温の影響を受けず、いつも快適な室温が保たれるということが、子どもたちやパパママにとって非常に重要だというのは、前回までのブログでもたくさんお話してきましたが、次回以降では、冬に多く発生する「ヒートショック」「健康寿命」との関係などもご紹介する予定です。

子どもからおじいちゃんおばあちゃんまでが快適に暮らせる家づくりのために、少しでも参考になれば幸いです。
画像なし

2023/01/15

スタッフブログ

ママ100人に聞きました!高断熱住宅に暮らしてみて良かったこと!
こんにちは!住まいるサポートの畠山です。

2023年初めてのブログです。今年もよろしくお願いします!

さて、前回までは『健康で賢い子どもが育つ家づくり』というテーマで、性能の良い「高気密・高断熱」の家について取り上げました。

今回は、そんな性能の良い高断熱のお家に暮らしてみてどうだったのか、実際に住んでいる人に聞いてみよう!ということで、高断熱住宅に住むママたちの声をご紹介します。
 

「高断熱住宅に住むママ100人に聞きました。暮らしてみて『変わった』と感じることは?」


新建新聞社が発行する「だん」という雑誌の03号の特集「ママが楽しく暮らせる家」で行った調査結果は以下の通りです。
 
Q.高断熱住宅に住むママ100人に聞きました。暮らしてみて『変わった』と感じることは?

 第1位:光熱費が下がった(45%)
 第2位:家事が楽になった(43%)
 第3位:ストレスが減った(37%)
 第4位:家で過ごす時間が長くなった(32%)
 第5位:家に人を招く機会が増えた(31%)

 第6位:寝起きが楽になった(24%)
 第7位:育児が楽になった(22%)
 第7位:体調を崩しにくくなった(22%)

 


1位の「光熱費が下がった」に次いで、僅差で2位になったのが「家事が楽になった」とのこと!

「家事ラク」と聞くと、時短になるグッズや家電、または、導線に配慮された間取りなどがパッと思いつくかもしれません。
Instagramでもそれらを紹介するアカウントがたくさんありますね。

私も実はそれらの便利グッズが大好きで、見つけるとすぐに飛びついてしまうのですが(笑)💦、高性能な家の暮らしそのもので、43%のものママが「家事がラクになった」と回答したとは、その理由が気になります!

 

間取りや便利グッズだけではない!高性能な家が家事ラクを叶える!


さて、では、具体的にどのように家事がラクになるのでしょうか。大きく8つのポイントがあるようですよ😄
 

★その1★ 冬の朝にスッキリ起きてすぐに活動できる!


家族の中で、誰より先に起きて、家中のカーテンを開けてストーブをつけるのは……おそらくほとんどママではないでしょうか。

寒い近頃は、いつまでも布団にくるまっていたいものですが、眠い目を擦りながら冷え切った部屋が暖まるのを待ちつつ、縮こまって朝の支度をしている…私もそんな一人です。

ところが、高気密・高断熱の家では、暖房を切って寝ていたとしても室温はさほど下がらないので、布団から出るのがつらくなく、朝起きてすぐに活動できるのです。

高断熱住宅では睡眠の質が向上するというデータも出ています(下図参照)。寒い毎日でもぐっすり眠れて、朝はすんなり布団から出て活動できるのは嬉しいですね!


 

★その2★ 冬にキッチンで換気扇を回しても寒くない!


冬にキッチンの換気扇を回すと、足元が寒い〜っていう経験はありませんか?
暖房をつけてキッチンが暖まるまで待っていてなかなか家事ができなかったり、モコモコ着込んで手元も足元も動きづらかったり…

高気密・高断熱住宅であれば、換気扇を回してもすき間から入る冷たい風を引き出すことがないので、寒さに苦しむことなく、快適にキッチンに立てます。やろうと思った時に、室温にやる気を邪魔されず、すぐに取り掛かれるのは本当にありがたいです!

 

★その3★ お風呂掃除もカンタンで寒くない!カビも生えにくい!


高断熱住宅では、お風呂の掃除もキッチン同様に寒くありません。
高気密・高断熱住宅で結露ができにくいことは、前回のブログ(『冬に結露ができるのは当たり前?!』)でもお話しましたが、加えて、新築住宅では設置が義務づけられている24時間換気システム、これが高気密住宅ではより効率的に機能するので、なんといってもカビが生えにくいのです!

年末のお風呂掃除、、、カビ取りに苦労している方いらっしゃいませんか?このカビ取りの手間が大幅に減り、毎回買っていたお風呂のカビ取り洗剤やカビ防止グッズも要らなくなりお財布も嬉しいですね!




 

★その4★ ホコリが入りにくいので掃除がラク!


風が強い日には、窓のすき間から砂ぼこりが入ってくることがありませんか?案外、家のすき間からホコリは入ってきてしまうもの。

しかし、すき間のない高気密住宅ならホコリもシャットアウト!家の中が汚れにくくなるのです。




しかも、24時間換気システムの導入で、フィルターを通した外気しか家の中には入ってきません。「フロア用ワイパーを掃除に使っているけれど、シートの交換の回数が減った」という声も届いています。まさに、ホコリの少ないことの証明ですね!

 

★その5★ 家中が均質な温度なので活動的になる!


室温がどこでも均質で快適だと、子どもだけでなく大人も活動的になれるため、家事もはかどります。
恥ずかしながら私の場合、「2階のあの部屋を片付けたいけれど、今日は寒いからまた暖かい日に…」と言ってるうちに夏になり、今度は「暑いから涼しくなってから…」と、延々と繰り返している部屋があります💦

いつでもどこでも同じ温度でいられるお家なら、そんな言い訳(笑)も通用しなくなりますね!

 

★その6★ 結露が発生しないので、拭く手間がなく窓がキレイ!


冬は家中の窓の結露を拭き、何枚ものタオルや雑巾がぐっしょり…。これって「冬のイヤな家事」の上位には入るものでないでしょうか。

高気密・高断熱住宅なら、結露を拭く手間から解放されます。おまけに、結露によって発生するカビや汚れもありません。結果的に、窓のさんやパッキンをキレイに保てて、掃除がラクになります。


 

★その7★ 季節ごとの物の入れ替えの多くが不要に!


季節ごとの室温の大きな変動がないために、「これは冬に必要なもの」「これは夏に必要な物」と揃えなくても大丈夫になります!コタツやストーブのような大物冬支度が要らなくなれば、収納スペースの分だけ家を広く使えます。もちろん入れ替え作業も不要!

なかには「冬でも薄い肌掛けやタオルケットで寝ているよ!」というお声も聞くので、真冬だけしか使わない、分厚〜い布団が年中押し入れを占領されることもなくなりそうですね!

 

★その8★ 室内干しでも洗濯物が臭くならず、すぐに乾く!


洗濯物を室内干しすると、臭くなる。これは、室内で乾きにくく湿度も上がって、洗濯物に付着した雑菌が繁殖してしまうためです。

でも、高気密・高断熱住宅の特徴の一つに「乾燥」があります。室内干ししてもすぐに乾くので、洗濯物が臭くなることがありません。居住者の中には、「1日に4回洗濯をして部屋干ししてもよく乾く」という方もいらっしゃいます。

 

むしろ部屋干ししたほうが外よりも早く乾くし、室内の過乾燥対策にもなるので一石二鳥。夜に洗濯をして部屋干ししておきたい共働き家庭の、強い味方にもなってくれます。

 

家事ラクでママのご機嫌な毎日を♪


いかがでしたでしょうか。高断熱の家に暮らす、それだけで家事が抜本的にラクになる理由が少しお分かりいただけましたでしょうか。

家事がラクになることは本当にありがたいことです。家族で分担して家事をやるにしても、手間が少なければ少ないほどいいですよね。家でずっと家事に追われていては、家族とのコミュニケーションもおろそかになってしまいます。

家族とコミュニケーションをはかるのには、間取りも確かに重要ですが、間取りだけで家族の絆が深まるわけではないので、間取りを充分に利用しつつ、家族それぞれの性格も考慮しながら、絆を深めるアクションを起こすことも大切です。

一方で、家の性能は裏切りません。確かな効果があります。室内が快適で活動しやすければ、子どもは活発に活動してストレス発散もできるでしょう。

家族みんなが活動的になり、ストレスフリーな日々が期待できますね。

 

「第7位:育児がラクになった」にも注目👀!


家事がラクになるということはつまり、時間に余裕が生まれるということなので、子育てにもいい影響が出るのは容易に想像できるのではないでしょうか。
ご機嫌なママを見ている子どもたちは、やはりご機嫌です。寒くてなかなか朝起きてこない子どもの布団をひっぺがし、鬼の形相でなんとか叩き起こすこともなくなるんだろうなぁと期待してしまいます(笑)。

★風邪をひきにくくなったというデータも!

また、高断熱住宅では体の負担が少ない暮らしになるので、風邪やインフルエンザにもかかりにくくなるようです。下図のグラフを見ると、断熱のレベルによって、風邪の発生率が大幅に減少しているのがわかります。




高断熱にするとカビやダニを抑制できてアレルギーになりにくいことは前回のブログでもお話しました。
子どもの急な発熱や体調不良が減るだけでも、育児は本当にぐんとラクになってくれますよね。
 

🏠 ぜひ一度、体験宿泊もお試しください

これらの暮らしやすさについては、実際に体感しないとイメージしにくいかもしれません。高気密・高断熱の工務店やハウスメーカーの中には、体験宿泊ができるところもあります。冬や夏など、外気との気温差が大きい時期(まさに今ですね)に体験することをお薦めしています。体験宿泊できるメーカーさんなどご紹介できますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
画像なし

2022/12/30

スタッフブログ

冬に結露ができるのは当たり前?!
こんにちは!住まいるサポートの畠山です。

2022年も本日含めてあと2日!みなさま、どんな年末をお過ごしでしょうか。
大掃除もさっさと済ませてゆっくり年を迎えたい、と毎年願うのですが・・・色々あきらめました(笑)。

来年こそはっ(笑)



さて、前回まで2回に分けて「健康で賢い子どもが育つ家づくり」についてお送りしました。

冬は暖かく夏は涼しく、家中が快適な室温で保たれている「高気密・高断熱」住宅は、子どもの健康や学習面の向上にとって有効ですよというお話でした。

今回からは、その「高気密・高断熱」住宅が、子どもだけでなく、私たちパパママも含めて、家族の生活の質にどのように影響してくるかご紹介したいと思います。

 

冬に結露ができるのは仕方ないことだと思っていませんか?


みなさまの中には、毎日窓の結露がひどくて…とお困りの方、いらっしゃいませんか。

結露防止スプレーや結露吸水テープを使ってみたり、換気を頑張ってみたりと、さまざまな結露対策をしている方も多くいらっしゃると思います。

梅雨時期や冬に発生しやすい結露、「高気密・高断熱」住宅では、この結露を防止することができるんです。


そもそも結露の原因は、
室内の湿気を含んだ暖かい空気が窓や壁などで冷やされて
水蒸気ではいられなくなることです。

結露を防ぐには、窓などが冷たくならなければいいのですが、窓などが冷たいのは熱が通りやすく外気の影響で冷えるからです。

つまり、断熱性能を高めて、窓や壁などが熱を通しにくくなれば、結露は生じないという理屈です。

毎朝、ビショビショになった窓を吹いたり、カーテンの手入れをしたり、という無駄な家事がなくなるのは嬉しいですね!

 

そのままにしてはいけない!結露の怖いお話


結露の抑制によって、毎日の掃除の手間がなくなるのはもちろん嬉しいですが、実は結露の抑制は、健康的な暮らしにも大きな役割を果たします。

というのも、下の図にもありますが、結露はカビを発生させ、カビはダニのエサになります。カビやダニが多く発生した環境は、小児ぜんそくやアレルギー皮膚炎、シックハウス症候群などの原因のひとつとも考えられています。

結露をそのままにしておくことは、これらの症状・疾患の発症リスクにつながってしまうのです😣

高断熱にすると結露が起きにくくなるため、室内のアレルゲンが大幅に減るものと考えられています。
実際、当社のお客様からも結露の起こらない高断熱住宅に引っ越して、アレルギー等の症状が治まったという話はよく聞きます。

 




また、あまり耳馴染みのある言葉ではないかもしれませんが、壁内結露 と呼ばれる結露もとても怖いものです。これは、家の中の湿気が壁の内側に入って結露するものです。

壁内結露は、壁の中でカビやダニを発生させたり、壁内が湿潤環境に保たれるので、柱の腐れやシロアリ被害なども引き起こし、家の耐久性にも悪影響を及ぼします。
.
▼壁内結露で腐った壁内

出典:日本住環境株式会社

目に見えないところで起きているのでとても厄介です。これを防ぐためには、壁の中に侵入する水蒸気量をコントロールすることが大切になってきます。そのために、気密性能を高めた「高気密住宅」にすることが重要なのです。

 

 

知っ得★ カビやウイルス対策を考えるなら、内装は漆喰仕上げがおすすめ!



カビやダニのお話が出たので、本題からは少しそれますがおすすめの壁材について少しここでご紹介します。

ずばり、漆喰です。

その白さが有名な姫路城を始めとした代表的なお城や、土蔵の外壁などに伝統的に使われてきた、あの漆喰です。

この漆喰が、カビの抑制やウイルス対策に有効なのです。

まずは、下の画像を見てください。

ビニールクロスを貼った部屋と、漆喰を塗った部屋を準備し、湿度を強制的に高くして、防腐剤の入っていない食パンを置いて、カビの生え具合を比較した試験の結果です。これはもう一目瞭然ですね👀!


これほどまでにカビを抑えられた理由ですが、漆喰は水酸化カルシウムが主原料で、pHは12を超えていて強アルカリ性です。

カビはpH12の中では生息しにくい状態になるので、漆喰は著しく防カビ効果を発揮できるんですね。

ウイルスに関しては、人が咳やくしゃみをすると、ウイルスは飛沫の状態で空気中を浮遊しますが、この飛沫が漆喰に付着すると、漆喰の強アルカリ性がウイルスを不活性させることができるのです。

ウイルス対策にも慎重になりたいこの頃、新築・リフォームの際には漆喰による仕上げも選択肢に加えてみてはどうでしょうか。
 



今回は、「高気密・高断熱」が生活の質に及ぼす影響として、「結露の抑制」ができるというメリットについてお話しました。

次回も、引き続き、まだまだ紹介しきれていない「高気密・高断熱」のメリットについてご紹介していきたいと思います。お楽しみに☆
画像なし

2022/12/15

スタッフブログ

第2回:健康で賢い子どもが育つ家づくり
こんにちは。前回よりブログ担当となりました畠山(アラフォー2児の母)です。
列島に今季一番の寒波が襲来している今日は、横浜もとっても寒いですが🥶皆様お変わりありませんでしょうか。

さて、前回は、弊社代表の著書※1 をもとに、第1回「健康で賢い子どもが育つ家づくり」について、下記のような内容でお届けしました。
 
◎ 健康で賢い子どもが育つ家、2つのポイント
 1.家族間のコミュニケーションが取りやすく絆が深まるような間取り
 2.家の性能が優れていること

◎ 1つめのポイントについて
 ・トレンドはリビング重視からダイニング重視へ
 ・吹き抜けなど常に家族の存在を感じられる作り
 ⇨そのような間取りにするには家中の室温を均質にする必要がある(※断熱気密性能の確保)

◎ 次回「2.家の性能が優れていること」を見ていきましょう  今日はココから!

リビングはもはや、家族でTVを見ながらも個々にスマホやタブレットを見る場所となりつつあるいま、家族が集まる場所としての機能を新たに果たす「ダイニング」づくりが重要でしたね!

 
ダイニングづくりについてもっと知りたい方は…
よければ覗いてみてください👀
▼ダイニングコンサルタントがダイニングスペースをプロデュース

https://sml-support.com/dining

それでは、本日の本題、健康で賢い子どもが育つ家づくりのために大切な2つめのポイントについて見ていきましょう。
 

健康で賢い子どもが育つ家のポイント2:「家の性能が優れていること」




 

耐震・耐久だけではない大切な「住宅の性能」とは


「家の性能がいいと、子どもが健康に賢く育つ」という話でしたが、……そもそも「家の性能」ってなんのことかしら、と思われる方も多いかと思います。

住宅の性能をテーマにする際、「耐震性能」や「耐久性」について語られることが多いです。地震大国日本ではたいへん重要なポイントですね。

しかし、今回お伝えしたいことは、耐震や耐久だけではなく、冬暖かく、夏涼しく、快適に暮らせる性能」も実はとっても大切ですよというお話です。



写真提供:アトリエハレトケ

このことは、子どもだけでなく、パパやママ、家族みんなの生活の質もあげてくれる、大変重要な性能です。

そしてこの、室温を均一に保った快適な環境を作るには「断熱気密性能」の確保が必要となってくる、というのは第1回でもチラっとお話させていただきましたが、詳細はもう少し後でお話したいと思います。

ここからはまず、「冬暖かく、夏涼しく、快適に暮らせること」が子どもの健康や学習にとっていかに大切かを、興味深いデータなどもあわせてご紹介していきます。
 

【実証】活動的な子は暖かい部屋で育まれる!保育園での研究データより


実測調査や統計分析を通して健康な住まいづくりを研究している慶應義塾大学理工学部・伊香賀俊治教授は「住まいの温熱環境」と健康には深い因果関係があることを、たくさんのデータから証明されています。

その中の一つに、幼稚園・保育園調査※2 があります。これは登園時に園児に活動計を装着し、帰る時にはずして活動量を測るものです。

この調査からわかったことは……

暖かい室内環境が保たれている幼稚園や保育園の子どもたちは、室内が寒かった園の子どもたちに比べると、5倍以上もの活動量があること、

そして、片足立ちなどの運動能力も調べたところ、やはり暖かい園の子どもの方が2倍以上の能力を示すこともわかったそうです。






さらに、園児たちの自宅寝室の温度を測定してデータを集めてみると、低温・低湿度の寝室で寝ている子どもに比べて、

暖かく適切な湿度の寝室で寝ている子どもの活動量は6倍以になったそうです。あわせて、病欠確率は4分の1になるというデータも出ています。

つまり、園でも家でも、室温の暖かさがいかに大事かということが示されています。

子どもの活動量は、脳の発育にも大きな影響を与えます。暖かい部屋で過ごすことで活動量をしっかり確保し、脳にどんどん刺激を与えられるようにしていきたいですね。

 

寝る子は育つ!賢い子ほどよく眠る!


快適な室温の住宅がもたらす影響は、日中の活動時だけではありません。室温が安定することは「睡眠の質」を向上させることにもつながります。

暑くて寝苦しい…、寒くて寝付けない…そんな翌朝に寝不足でどうも頭も体もスッキリしないことはみなさん経験済みではないでしょうか。

肌感覚でも十分納得がいくかと思いますが、
そのことは前出の伊香賀教授らによって研究※3 で明らかにされています。




睡眠の質は健康に関係あるのはもちろん、学習効率にも直結します。

睡眠の働きのひとつに「記憶を固定する」ことがあります。勉強して頭に知識を蓄えたら、質の良い眠りでそれを忘れないようにするわけです。

良い眠りは子どもの元気、やる気を引き出し、集中して学習することができ、眠ることでさらに学習内容を定着させるいい循環につながります。
 

外気温に左右されず、快適に暮らせる住宅の性能がいいと、子供の健康と学習に良い影響を与えるというのは、こういったワケなんですね。

 

家中の室温を均一に快適する「高断熱・高気密」の家


先ほどから繰り返し出てくる、「冬は暖かく夏は涼しく、室温を均一に快適にする性能(断熱気密性能)を確保した家」がズバリ高気密・高断熱住宅と言われるものです。

次回からはさらに詳しく、子どものアレルギーとの関係や、カビ・ダニ、またパパやママへの影響、「高気密・高性能住宅」がもたらすメリットやデメリットなど見ていきたいと思います。

お家づくり、リフォームを考える前に知っていただきたいことがたくさんですので、ぜひ楽しみにしていてください。

(※1)高橋彰(2021)『元気で賢い子どもが育つ!病気にならない家』 Clover出版
(※2
白石 冴香, 伊香賀 俊治, 中島 侑江 幼稚園の温熱環境が園児の身体活動・運動能力に及ぼす影響 空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 2018.6
(※3)鎌田智光、川久保俊、伊香賀俊治、村上周三、安藤真太朗、大門俊介、奈良玲伊 断熱改修前後の温熱快適性指標値の変化に関する分析 住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査 日本建築学会 2019.7
画像なし

2022/11/30

スタッフブログ

第1回:健康で賢い子どもが育つ家づくり
はじめまして!住まいるサポートの畠山と申します。
今回よりスタッフブログ担当となりました横浜在住アラフォーワーママ(小3息子、年長娘)です😁。

住宅のことはド素人の私ですが、勉強しながら、「へ〜」「なるほど〜」と思ったことなどをこちらで皆様にも共有できればと思います。
よろしくお願いいたします!

さて、初回から早速、夢のようなタイトルなのですが、
子どもに願うことはいろいろあれど、

「健康でいてほしい」「可能性を広げてあげたい」というのは親の共通の願いかもしれません。

そんな親心に寄り添える家づくりがあることを、
弊社の代表が本にまとめています(※)。

わたしも、今後もまだまだ続く現役子育て世代として皆さんにもその内容を少しずつお伝えしていければと思います。





 

「子どもが健康に賢く育つ家って、いったいどんな家?」意識したい2つのポイント♫


どのような家が、健康で賢い子どもが育つ可能性が高まるのか。それには大きく分けて2つのポイントがあります。

1つ目は、
家族間のコミュニケーションが取りやすく、絆が深まるような間取りであること

2つ目は、
家の性能が優れていること

この2点を押さえた家づくりを心がけることで、子どもの将来をサポートできるかもしれません。

そして、2つめの「家の性能」が優れていることは、家事ラク!にもつながるので、子どもたちだけでなく、パパとママも非常にハッピーですheart

それでは早速、1つ目の「家族間のコミュニケーションが取りやすく絆が深まる家」について詳しくみていきます。

 

家族間のコミュニケーションが取りやすく絆が深まる家。トレンドはダイニング重視!


皆さんも一度は耳にしたことがあると思います、「リビング学習」。

2006年に出版され話題になった本「頭の良い子が育つ家」では、有名中学に合格した子どもたちがどのような環境で勉強していたかを追い、その実例から見えてきたのが、立派な子ども部屋はいらないということでした。

頭の良い子は子ども部屋にこもらず、家族の気配が感じられ、すぐにコミュニケーションを取れる場所で勉強していたのでした。

あれから10年以上の時が流れ…



リビングは、「コミュニケーションの場」から、いまや「スマホやタプレットを見る場所」へと変わりつつあります。

そういった状況の中、次なる家族の絆の場として重要視されているのがダイニング。
ダイニングは、単なる食事を取る場だけではなく、家族が自然に集まり会話が弾む場所、親の気配を感じながら子どもが勉強できる場所という視点で家づくりを進められるといいですね。

また、親の気配を感じるという意味で、「吹き抜けを作る」ことも有効です。
2階に子ども部屋があったとしても、1階の家族の気配をすぐに感じることができます。

そのような家にするためには、家中の室温を均質にできるような仕組みが必要です。
吹き抜けのせいで冬が寒い〜🥶!とならないための「断熱気密性能の確保」が大切になってきます。

この断熱気密性能については、追ってもう少し詳しくご説明していきますね。
 

今回はここまでですが、どうでしょうか、ピンと来る方もいらっしゃるのはないでしょうか。
我が家を振り返っても、リビングには充電コードがばっちり集まっていて、テレビを見ながら個々にスマホやタブレットを見る場になっていることは、確かに…とうなづけます。

「リビング学習」が最先端とばかり思っていましたが💦、時代はすでに流れていましたね…😅
今後は、「ダイニングのあり方」注目していきたいと思います。

ダイニングづくりについてもっと知りたい方は…覗いてみてください👀
▼ダイニングコンサルタントがダイニングスペースをプロデュース

https://sml-support.com/dining


 

次回は、子どもが健康に賢く育つための家づくり、2つ目のポイント「家の性能が優れていること」について、詳しくみていきます。

どうぞお楽しみに!

(※)『元気で賢い子どもが育つ!病気にならない家』(高橋彰 著/Clover出版)
画像なし

2021/11/28

スタッフブログ

漆喰のプロ 日本プラスター奥山社長に聞く なぜ漆喰で仕上げた空間は健康にいいのか? 後半
こんにちは、スタッフの鈴木です。
本日は漆喰に関して、後半をお伝えしたいと思います。

奥山社長

「うま~くヌレール」の「見ることのできるショールームないの?」あるいは「もっとじっくりと説明を聞きながら、自分でも1,2時間かけて塗ってみたい。体験してみたい。」というお声をいただいて、ここ、上野に体験兼ショールームの建物『うま~くヌレールLABO東京』を作りました。京都の二条城の横にも同様の施設があります。

このショールームの室内壁、天井は全て一般の方々が「うま~くヌレール」で塗ったものです。

実際、ここにハンドメイド感のあるバラエティに富んだ手の温もりがある壁になっていると思います。

お客さまにお越しいただいて、「うま~くヌレール」の壁の質感や空気感を感じていただいています。

この部屋だけではなく、廊下やトイレ、体験室にも様々な色の「うま~くヌレール」の漆喰を塗っています。

 

高橋

このレンガのように仕上げられたのも漆喰ですか?

 

奥山社長

これは「うま~くヌレール」の姉妹品で造形用に「うま~くヌレールDECO」という材料です。元々厚塗り型の漆喰なので、これを塗った後にドライバーでレンガ調に削っていただきます。

 

高橋

これは素人でも簡単にできますか?

 

奥山社長

壁を塗るものに比べると精度は求められますが、こちらの壁は生まれて初めて塗った人の仕上がりです。コツさえ覚えれば、このくらいはできます。

最近では、女性の方でこの上に水性絵の具でレンガ調にムラを作って塗られる方がYouTubeに出てきています。

漆喰の壁は普通の壁に比べて、灯りの陰影がくっきり出ます。そのハンドメイド感、肌触りがしっかり出ます。
壁紙だとモヤっとなります。間接照明、ダウンライトあるいはアップライトが生きる壁になります。照明にこだわるお家はやっぱり壁紙ではなくて、漆喰の方がいいと思います。

我々はこれを称して「水割りが美味しいお部屋は漆喰」と申しています。

 

高橋

光の感じがすごく柔らかい雰囲気で良いですよね。

 

奥山社長

空気感が違うなと本当に思います。それはやっぱり漆喰の素材が生む美しさだなと思います。

これも漆喰の高反射が作り出した妙だと思います。

 

高橋

ここでは、漆喰を塗る体験ができるということですが、どのようなことができますか。

 

奥山社長

「うま~くヌレール」の場合はコテをメインに使っていただきますので、コテの使い方、そして材料の塗り方、また、お部屋は平壁だけでなく必ず角がありますので、角の塗り方や隅の塗り方をまずお伝えします。

その上で、実際にそれぞれの下地に対しての工程を壁面を使ってご説明します。
例えば、和室の壁ならこういう風に塗っていきますという工程をご説明しながら、実際にお試しいただきます。あるはビニールクロスの上に塗る場合の工程をご説明しながらやっております。

 

高橋

ビニールクロスは剥がさなくても、その上から塗ることができるんですか?

 

奥山社長

そうですね。ビニールクロスの場合、基本的には剥がさないで塗られる方がほとんどです。

その上に直接塗っていただいて結構です。

「うま~くヌレール」の場合、誰でもどこでも塗れる漆喰ということで「うま~くヌレール」という商品名になっています。和室の壁や砂壁、ビニールクロス、あるいは新築のお宅の場合は石膏ボードや合板、こういったところにも直接上手く塗ることができます。

また、外壁に関してもモルタルやコンクリートの上でも直接塗っていただいて宜しいと思います。

 

高橋

漆喰というと白のイメージがありますが、それ以外にも色が豊富なんですね?

 

奥山社長

当社は色々な漆喰を作ることを得意としています。

「うま~くヌレール」だけでも12色あります。そして昨年の春に新発売になったグレー3色、合計15色を定番でご用意しています。

容器を開けていただければ、15色が全て出来上がっていますので、そのまま塗っていただくことができます。

 

高橋

こちらは黒ですね。

 

奥山社長

漆喰の黒というのは実は物凄く難しいんですね。元々漆喰というのは白なので、真逆の色です。

また、昨年の春にグレーシリーズを新発売しました。グレーでも微妙な質感を変えました。


チャコールグレー、ブルーグレー、コンクリートグレーの3色をご用意しました。こちらが女性から大変ご好評いただいております。今では増産しないといけない状況です。とっておきの色の一つになっています。

それに黒が加わっておりますので、この色のバリエーションが「うま~くヌレール」ならではだと思います。

 

高橋

こちらの「漆喰ヘイ!ヌレール」というのは、どういうものですか?

 

奥山社長

商品名が「漆喰ヘイ!ヌレール」ということで塀を塗るために漆喰です。



「うま~くヌレール」は主に室内壁、そして屋根庇のある外壁にお使いいただきます。その点、ブロック塀、外塀については屋根庇が全くないため、非常に過酷な条件になります。

そこで長期間にわたって、汚れがつきにくく、美しい塀を作るためには「うま~くヌレール」よりも耐久性、汚れにくさをしっかりと用意してあげないといけない。そこで生まれたのが「漆喰ヘイ!ヌレール」になります。

その上のブロック塀をご覧いただくとわかるのですが、ブロック塀ならではの目地があります。
目地を埋めないで、目地埋めから塗りまで全てこの一材で綺麗にできるのが「漆喰ヘイ!ヌレール」です。

「漆喰ヘイ!ヌレール」も「うま~くヌレール」同様定着しており、日本全国でご愛用いただいております。

 

高橋

これもホームセンターで売っていて、一般の方でも買って自分で塗れてしまうんですね。

 

奥山社長

そうですね。

 

高橋

漆喰の強みの一つに汚れが簡単に消せるということを伺いましたが、実際に見せていただけますでしょうか。

 

奥山社長

はい、これも日本プラスターの漆喰ならではです。例えば、このように鉛筆で書いても、消しゴムで簡単に消すことができます。

 

高橋

なるほど!これは鉛筆以外にどういった汚れに有効ですか?

 

奥山社長

壁の汚れというと、典型的なものがスイッチ盤や玄関の手を置くところの手垢ですね。これは消しゴムで基本的に消えます。
そして、あとはちょっとした汚れであれば水拭きができるので中性洗剤で水拭きしたり、あるいはホームセンターで売っているメラニン製のスポンジ、有名なものだと激落ちくんで擦れば落ちます。

たまにあるのが、民泊のお部屋だと比較的狭いお部屋に店員さんがベッドメイキングをする際にジーパンが擦ったりするんですね。
ジーパンの染料は消しゴムでは取れないので、その場合は細かい目の紙やすりで取っていただければ綺麗に取れます。

また、レストランでの漆喰も増えていますが、そういうところでは椅子が当たって汚れることがあります。
この場合は消しゴムかメラニン製のスポンジか、ひどければ紙やすりで落ちます。

あともう一つあるのが、漆喰というのは調湿性が強いので壁紙と違って水を吸うんですね。
そうすると、先日もあったのですが、旅館で間違ってお客さまがお味噌汁をこぼすと漆喰が吸ってしまうので、シミが出来て赤茶色になります。
そういう場合は、キッチンハイターをウエスにとって拭くと綺麗に取れます。

 

高橋

醤油やソース、ワインはいかがでしょうか。

 

奥山社長

基本的に酸性のものが食べ物は多いので、漆喰は強アルカリ性でキッチンハイターも強アルカリです。つまり、強アルカリと強アルカリの力で酸性を分解します。

しつこい食べ物も汚れも本当にきれいに落ちます。これまでも汚れでお困りいただいたことは私共の漆喰ではないですね。

 

高橋

あと、クレヨンや油性のマジックはいかがでしょうか。

 

奥山社長

先程申し上げたように油性の場合は消しゴムでは落ちません。紙やすりで少しずつ撫でていただくことが必要です。

場合によっては上から簡単に漆喰を塗り直すことができます。
「うま~くヌレール」はペーストになっていますが、最大の特徴の一つとして空気に触れない限り5年経っても10年経ってもそのままなので、リユースすることができます。
使い終わったものはサランラップに包んで、凍結しない場所に保管していただくと、少しの汚れがあった場合に薄く塗っていただき、乾いたら紙やすりで少し削っていただくと全く汚れがわからなくなります。

補修用として、残った漆喰はとっておいていただくと宜しいかと思います。

 

高橋

ありがとうございます。最後に一般の方にメッセージをお願い致します。

 

奥山社長

漆喰の壁はまだまだ皆様にとって身近ではないと思います。これまでお話したようにお住まいになる方にとっては安心・安全、そしてより心地良くて素敵な壁です。

私自身はこれ以上の壁はないと思っております。特に室内にふんだんに使っていただくことを切に願っております。
画像なし

2021/11/17

スタッフブログ

漆喰のプロ 日本プラスター奥山社長に聞く なぜ漆喰で仕上げた空間は健康にいいのか? 前編
こんにちは、スタッフの鈴木です。

少しブログの間隔があいてしまいましたが、
皆様お変わりありませんでしょうか。

さて、本日は漆喰に関する記事となっております。

高橋

当社ではお客さまに室内の壁を漆喰で仕上げることをおすすめしています。

今回は、上野にある日本の漆喰の最大手である日本プラスターさんのショールーム『うまーくヌレールLABO』へ伺い、漆喰の良さに関して日本プラスターの奥山社長にお話を伺っていきたいと思います。

 

奥山社長

初めまして。日本プラスター社長の奥山と申します。本日はどうぞ宜しくお願い致します。

日本プラスターという会社は創業から93年目になります。漆喰を始めとした天然素材由来の塗壁材料を専業で93年製造してご提供している会社です。

とりわけ、漆喰をお住まいに数多く使っていただきたいということを念頭に置いており、北海道から沖縄まで数多くのご家庭や公共建築・様々な建物に漆喰をご提供させていただいております。

 

高橋

ありがとうございます。まず漆喰という素材についてご説明をお願いします。

 

奥山社長

漆喰というのは、石灰石を焼成して消化してできた、いわゆる水酸化カルシウム、消石灰を主原料としてその消石灰水酸化カルシウムを主たる固化材としたコテで塗る壁材料のことを漆喰と申します。

日本だけでなく、ヨーロッパでは日本人の観光客が魅せられているようなエーゲ海や地中海の白亜の建物、あるいはフランス・イタリアの古民家、こういったところが漆喰の建物です。

日本においては1300年前、奈良県の法隆寺が現存している一番古い漆喰壁で、姫路城を始めとした代表的なお城や土蔵の外壁に伝統的に漆喰が使われていました。

漆喰の価値や機能性を考えると、住宅においても、お住まいの方々に様々な面で有益ですので、普及の努力をしていきたいと考えています。

 

高橋

漆喰には7つの力があるということですが、具体的に教えていただきたいです。

 

奥山社長

漆喰は私自身は唯一無二の壁材というぐらいお住まいになる方々にとって非常に魅力的な機能性を有していると、様々な私共の研究を通して感じています。

それは2年前に日本アレルギー学会で東京慈恵医大様と共同研究の結果を発表したり、宇都宮大学や島根大学といった学識関係者の方々と研究したりした結果も報告しております。

それを端的に説明したのが『7つのチカラ』です。


 主原料が水酸化カルシウムの帰するところが非常に大きいです。

1つ目はまず、防カビ性です。カビは漆喰が苦手で、カビを減じる強い効果があります。

2つ目は調湿性です。ミクロの世界では漆喰は穴ぼこだらけです。これが湿度を調節する力を持ちます。

3つ目が最近にわかに注目を浴びている水酸化カルシウムの力で、抗菌・抗ウイルスです。私どもの公的な試験においてもインフルエンザのA型等に対しての不活化が実証されています。

そして、住むと実感できる力が2つあります。まず、匂いがない。

先日も漆喰で仕上げた横浜の新築のお宅にお邪魔してきましたが、扉を開けると空気が綺麗で臭いがなく、とても気持ち良い空間でした。その隣に壁紙の部屋がありましたが、大変恐縮ですが、違いは笑うほどはっきりしていました。また、ペット臭や洗濯物の生乾きの独特の匂い、下駄箱の匂いを漆喰は消臭する力に優れています。

 

高橋

それは臭いの元を分解しているのでしょうか。

 

奥山社長

その通りです。例えば、下駄箱だと『イソ吉草酸』という酸が臭いの元になっていますが、それを吸収して分解しているので、所謂脱臭するという機能に長けています。

もう1つが、漆喰のお部屋は非常に明るいということです。これは漆喰の粒子が元々高反射しやすく、目に眩しくなくて、漆喰の部屋はとても明るいです。廊下や北側のお部屋にお使いいただくとよろしいかと思います。

また、1995年くらいから、シックハウス症候群という問題が社会問題になりましたが、この1番の原因物質がホルムアルデヒドです。家具等によく含まれていると言います。

このホルムアルデヒドを漆喰の水酸化カルシウムは吸着して再放出しない、実質分解することができます。

そして、最後に非常な大事なことは燃えないということです。漆喰は難燃性というレベルではなく、完全な不燃です。もちろん自然素材由来のため、有毒ガスを吐き出すこともありません。

以上が漆喰の7つの力になります。

 

高橋

ありがとうございます。先程、カビに対して有効というお話がありましたが、ビニールクロスの空間と漆喰の空間の違いの実験について伺いたいです。

 

奥山社長

カビというのはアレルギーの原因物質と言われており、さらにカビ臭さという問題があります。

漆喰のお家になると、カビを減じることができます。ビニールクロスを貼った部屋と漆喰を塗った部屋を準備し、湿度を強制的に加湿して高くし、腐防剤の入っていない食パンを壁面に触れず浮かした状態で置いてカビの生え具合を比較した試験があります。




こちらをご覧いただくと一目瞭然化かと思います。

 

高橋

衝撃的ですね。漆喰とビニールクロスの違いについて、より詳しく伺いたいです。

 

奥山社長

はい、まず調湿性が全然違います。ビニールクロスはあくまでビニールなので、調湿性が非常に低いです。それに対して、漆喰はミクロの世界では穴ぼこなので吸ったり吐いたりすることができます。これが非常に大きい点です。こもらない状態になります。さらに漆喰は主原料である水酸化カルシウム、pHは12を超えています。つまり、強アルカリ性です。それでいながら、表面は手で触っても荒れることはありません。

カビとしてはpH12の中では生息しにくい状態になります。これが著しい防カビ効果を発揮する理由です。

 

高橋

調湿性についての研究結果のグラフについてご説明をお願い致します。

 

奥山社長

こちらをご覧ください。


赤いラインが漆喰の室内空間における調湿性です。

当社の商品である『漆喰くるむ』では基本的に相対湿度が70%を超えにくい状態になります。大体、これまでの学術論文や治験の結果、湿度が70%を超えてくるとカビやダニが増殖しやすいとうことが実証されています。


高橋

漆喰のメリットについてはよくわかりました。

ただコストが気になるのですが、いかがでしょうか。

 

奥山社長

初期コストは、割高だと思います。単純にビニールクロスと比較した場合は割高であることは間違いないです。

値段は業者さんによって違いがあるので、具体的には申し上げられないですが、安い施工業者でもビニールクロスの2倍ということはないです。

一般的な2階建ての戸建住宅に塗った場合、工事費ではビニールクロスに比べると60~100万円プラスになるとご理解いただければと思います。

一方で、漆喰は100年壁だと考えられます。漆喰は塗られた後は空気中の二酸化炭素をずっと吸い続けて、最終的に石灰石に戻ります。今までのデータだとゆっくり石灰石に戻るので、大体100年かかります。すごく長持ちする壁です。

ビニールクロスのように剥がれたり、取れたりということはまずないので、長いスパンで考えたときに価値として非常に高いと思います。先程、申し上げたようにお住まいになる方への有益性は非常に高いと思います。トータルで考えると金額以上の価値があると思います。

日本プラスターは平成15年が売り上げの底でしたが、今は40倍になっており、どんどん伸びています。

そういう意味ではちゃんと価値を認めてくれている人が確実に増えていると思います。

 

高橋

ビニールクロスだと15年くらいで張替えが必要だと思いますが、漆喰はほぼノーメンテナンスで良いということでしょうか。

 

奥山社長

はい、我が家も自宅が新築してから21年経ちますが、ノーメンテナンスです。

 

高橋

漆喰は人によってはボロボロ落ちてきて、掃除が大変という話を耳にするのですが、その辺りは実際どうなのでしょうか。

 

奥山社長

ご指摘のように奥様方にとって漆喰や古壁というと、ポロポロとれて傷がつきやすくて、服にひっかかって、畳の縁がよごれるというご指摘をよくいただくのですが、日本プラスターとしてはお住まいの方にご不満・ご不安を感じさせることは良しとしていません。

我々は安心・安全、そして美しくて丈夫でないといけないということで日本プラスターの壁はポロポロするということは全くありません。

誤解されているのは、砂壁や繊維壁はポロポロするかもしれませんが、漆喰はそこまでポロポロしないと思います。最近は犬や猫を飼われている方が多いですが、猫については壁紙で爪とぎをしてビニールクロスがボロボロになることはありますが、漆喰の場合はできません。爪が研げないからです。

ペットを飼われている方には消臭力含めて、漆喰を選んでいただくお施主さんが多いです。

 

高橋

なるほど。日本の漆喰以外にもスイス漆喰やスペイン漆喰というのを耳にしますが、違いについて伺いたいです。

 

奥山社長

日本では昨年漆喰でJISが制定されました。主原料は消石灰、水酸化カルシウム、pHは強アルカリです。それで主たる固化材にした壁材が日本の漆喰です。

どことはあえて言いませんが、海外製品をはじめとして、漆喰とは名ばかりの製品が出回っていることを苦慮しております。

例えば、漆喰というのは石灰石を焼成して消化してできた水酸化カルシウムですが、漆喰と言いながら実際には石灰石、つまり炭酸カルシウムを焼成せずにただ入れたものを漆喰と呼んでいる材料があります。素である石灰石だけで漆喰といっても、先程申し上げたような機能は全くありません。

 

高橋

せっかく漆喰を選ぶのであれば、原材料やpHを確認することが大切ということでしょうか。

 

奥山社長

そうですね。あとは、白セメントを入れることで漆喰と呼んでいるところも多いです。これは密閉性が強くなってしまうので、凝結も早く、調湿性は全く変わってきます。そういう意味では何が入っているかというのは非常に重要です。

 

高橋

漆喰とひとくくりでいっても、JISの定義から外れたものの多いということで注意が必要ですね。

 

奥山社長

そうですね。また、漆喰は簡単に作ることはできません。私共が加入している日本漆喰協会では、少なくともパウダーベース、主原料である水酸化カルシウムがどんなに少なくても50%以上入っていないと成分として効果が減じられます。

 

高橋

一般の方々が漆喰のメリットを生かす壁紙にしたいと思った場合に、どんな質問をすると有効的でしょうか。

 

奥山社長

漆喰は練り置きが出来ます。水で混ぜ合わせて空気に触れなければ固まりません。セメントや他のものが入っているとカチコチになってしまうので、一目瞭然です。成分に関して質問することが一番だと思います。

 

高橋

室内だけでなく、外壁に漆喰を使うという選択肢もあると思いますが、メリットや特性・耐久性を伺いたいです。

 

奥山社長

元々、日本ではお城や土蔵のように外部で使われることが伝統的漆喰では主体でした。室内で使うことを主体に考えたのは私をはじめ、シックハウス症候群が問題になってからここ20~30年の話です。

なぜそもそもお城や土蔵に漆喰が使われていたかというと、高級な建物であるという証のためです。当時江戸時代では明かりがあまりなかったので月明かりが数少ない明かりでした。そこで高反射し、明るいということが権威の象徴でした。もう一つは敵が来襲してきたときによく見えるので、大切な人や物を囲うところでは漆喰が使われていたという優位点があります。

今の現代の住宅で使った場合には、先程からお部屋が明るくなる、あるいは高反射するとお伝えしていましたが、漆喰は白であることに加えて、高反射率が高いので漆喰の建物の表面温度は通常の塗料に比べて著しく低いです。いわゆる遮熱材以上に遮熱だと思います。

そして何よりも漆喰の白はまさに真っ白です。

あとはおしゃれだということです。正し、通常の有機溶剤や油系の塗料と比べると自然素材のため、屋根の庇や笠木をしっかりとらないと、雨にずっと上から叩かれていると将来的には雨垂れの汚れ等に痛みやすいので、ある程度の屋根や庇はあったほうが好ましいと思います。

当社の「漆喰くるむ外」というのは、今屋根や庇がどんどん減ってきているのでそういうところでも使えるように開発をしています。ただ、一般的な漆喰を使う場合には必要だと思います。

 

高橋

メンテナンスについては、いかがでしょうか。

 

奥山社長

例えば、日本プラスターの栃木本社・工場は外壁が全て漆喰になっています。鉄骨造の建物に全面漆喰を塗っています。工場のため、屋根の庇はなく、直接雨にたたかれています。

3年に一度ケルヒャーで水洗いをすることで汚れは取れています。

 

高橋

定期的な塗装は必要ないのでしょうか。

 

奥山社長

今は建物が建ってから6年目なので、まだわかりませんが、今後塗りなおす予定はないです。

 

高橋

お城等はノーメンテナンスだったのでしょうか。

 

奥山社長

これまで大改修は行われていますが、漆喰だけを考えた場合には10~20年の単位というよりは30年という単位になると思います。

 

 

続きは後半でお伝えしたいと思います!
画像なし

2021/10/23

スタッフブログ

住宅ローンの専門家に聞く④ 固定金利と変動金利どちらを選ぶべき?
こんにちは、スタッフの鈴木です。

今回でイエール赤羽根さんとのコラボは最終回となります。

高橋

最終回となる今回は固定金利と変動金利について、より詳しく伺いたいと思います。

赤羽根さん、よろしくお願いします。

 

赤羽根さん

固定金利と変動金利の商品性の違いとして、一般的なところから説明したいと思います。まず、変動金利は文字通り金利が変動するリスクがあります。借入期間は35年が一般的ですが、資金に余裕があって繰り上げ返済をして20~30年の間で完済できるような方におすすめの商品となっています。

固定金利に関しては35年間金利が固定されていますので、35年掛けてしっかりと返済していこうという方におすすめの商品です。

金利自体は底値と言われている時代なので、変動に関しても固定に関してもかなり低い金利になっていると思います。今のところ変動を選ばれる方が多いですが、コロナ禍でこの先の情勢が読めないという理由で固定金利を選ばれる方も増えてきています。

 

高橋

私のイメージでは予算的に厳しい方のほうが変動金利を選ばれる傾向があると思っていたのですが、今のお話ですと金銭的に余裕のある方が繰り上げ返済していく前提で変動金利を借りられるということですね。

予算的に厳しい方には固定金利をおすすめするのでしょうか?

 

赤羽根さん

そうですね、あとは審査にも違いがあります。変動金利ですと、今は通常ですと0.5~0.6%という金利が多いかと思いますが、審査上は今後金利が上昇してもその方が返済できるかどうかを見ています。そのため、3~4%の金利で仮に審査をしている金融機関が多いです。

そうすると、収入はそこまで多くなくて、お借入れ金額はかなり多い方ですと、大体年収の30~35%で設定されている返済比率の範囲から飛び出てしまうことがあります。

 

高橋

固定金利のほうが借入可能な金額は大きくなるんですね。

 

赤羽根さん

そうですね、固定金利のほうが借入金額を伸ばしやすくなります。

固定金利は金利が変動するリスクはありませんので、審査をする金利と実際の金利がイコールになります。



固定金利の例として、フラット35の金利ですと、1.32%で審査をすることになります。金利が低いですので、お借入れ金額を伸ばしやすくなります。そのため、お借入れがギリギリの方には固定金利がおすすめです。

 

高橋

固定金利というとフラット35が思い浮かびますが、民間の固定金利とフラット35の違いはありますか。

 

赤羽根さん

はい、まず金利が違います。少し前だとみずほさんだと1%を切るような低い金利でした。あとはフラット35ですと、全体の9割しか融資が受けられないです。残りの1割はどうすれば良いかというと、フラット35を扱う代理店が準備しているプロパーローンというものを一緒に組んでいただく必要があります。大体3%前後の金利で貸し出ししている金融機関が多いです。

例えば、みずほさんの固定金利と比較すると、みずほさんでフルローンを借りた場合は多少自己資金を出す必要がありますが、固定金利で1%となるので、先程フラット35だと1.32%と申し上げましたが、差が出てきてしまうと思います。

 

高橋

今のお話を伺うと、フラットよりも民間の固定金利のほうが良いように感じているのですが、フラットのメリットはありますか。

 

赤羽根さん

そうですね。自己資金をたくさん持たれていて固定金利が良い方ですと、アルヒさんの商品でスーパーフラットという商品があります。自己資金の割合に応じて金利が引き下がられるというものがあります。

以前ですと、スーパーフラット6~9という商品があったのですが、今は0.5刻みで6.5や8.5というものも出てきています。自己資金が1割あれば、スーパーフラット9が対象になり、2割あればスーパーフラット8が対象になるという仕組みの商品です。

細かい条件は異なってきますが、自己資金のある方はみずほさんの固定金利よりもアルヒさんのスーパーフラットのほうがおすすめの商品となっています。

 

高橋

以前の動画でフラット35のほうが属性的に多少融通が利くというお話がありましたが、いかがでしょうか。

 

赤羽根さん

条件的にはフラット35のほうが融通は利きますし、柔軟に対応してくれます。メガバンクだと勤務先の規模や年収、勤続年数等が審査で見られます。

フラット35の場合は勤続1年未満のかたでもお申込みできます。年収が低い方でも、奥様や親御さんと一緒にローンを組むこともできますので、非常に柔軟だと思います。

 

高橋

固定金利か変動金利かというところでいくと、例えば固定10年のような中間的な選択肢もあると思いますが、それを選ぶメリットはあるのでしょうか。

 

赤羽根さん

固定10年だと、住宅ローン控除だけ受けたいという方にはおすすめです。住宅ローンを固定10年で組んで、固定期間が終わった瞬間に完済するという方法です。

今は住宅ローンの控除が13年に伸びていますが、基本的には10年間住宅ローンの控除だけ受けて、完済する方にはおすすめですが、それ以外の方には正直あまりおすすめではないです。

あまり言うと銀行さんに怒られてしまうかもしれないのですが、大体のところが10年目以降かなり金利が上がってしまう金融機関が多いです。10年目までは0.6%で、11年目から1.3~1.5%というように大きく上がる金融機関が多いので、それであれば最初から変動金利にしたり、フラット35や固定金利にしたほうが良いのかと思います。私のお客様へは短期間の固定金利はおすすめしていないです。

 

高橋

金利変動リスクのヘッジには有効ではないということですね。

 

赤羽根さん

はい、125%ルールというものがあります。金利が上昇したとしても、125%を超える部分についてはすぐに返済額が上昇するのではなく、後の返済に回るというルールがありますので、短期間固定で変動リスクをヘッジする必要はないと思います。

また、今は変動金利が非常に低いので、11年目までに今の約3倍となる固定金利の数字にまで今後も金利が上昇するのかと考えると、そこまでの上昇はないと個人的に考えています。今の3倍の金利となると、住宅ローンの影響以外にも皆さんの生活を圧迫しかねないと考えています。絶対ではないですが、そうなることは考えにくいと思います。そのため、最初から変動金利もしくは固定金利のどちらかで組まれたほうが返済計画を立てやすいと思います。

ただ、地域によっては10年固定しか選択できないという地域もあります。変動金利自体を商品として置いていない、もしくは置いていたとしても金利を高く設定している金融機関もありますが、横浜エリアに関しては固定10年のメリットはないと思います。

 

高橋

今までのお話を伺うと、各状況に応じてだと思うのですが、ざっくりとした変動か固定どちらが良いのかという質問に関してはいかがでしょうか。

 

赤羽根さん

そうですね、各状況を同じだとすると私は変動金利が良いと思っています。理由としてはここ20年金利が変化していないので、今後急上昇するリスクも考えにくいと思います。過去にバブル期のような経済成長が見られた時期ですと金利は高かったですが、バブル期以降は低金利で横ばいなので今後もそれほどの急上昇はないと考えています。

もし今後日本経済が右肩上がりになっていけば、金利上昇の可能性はありますが、恐らく皆さんの収入もそれに伴って右肩上がりになっていくかと思うので、返済に困るということはないと予想しています。

 

高橋

私個人としては、どちらかというと変動のほうが良いと思っているのですが、コロナ禍で今後ハイパーインフレが起きる可能性があるのかないのか、本当のところはまだわからないですね。もう一つ前の話として、持ち家なのか賃貸なのかという議論がある中で、賃貸だとハイパーインフレリスクで家賃が上がるということがありますが、持ち家を選択し、固定金利を選択することでそのリスクをヘッジすることができると考えています。

 

赤羽根さん

そうでうね。一般的な保険と同じですね。金利上昇に備えて、その分利息を多く払うというのが固定金利なのかなと思います。固定金利のほうが今後のプランを立てやすいというメリットはあるので、お子さんが小さいご家庭だと、特におすすめです。

あとは収入が多い方で公務員や一部上場企業の方があえて、フラット35で組みたいという方を見受けられます。そういう方こそ、安定志向で固定金利を選択されている傾向もあるかと思います。

やはりそれぞれに良いポイントがあるので、一概には言いきれないですね。

住宅ローンももちろん大切ですが、高気密・高断熱な良い家を持つということが一番大切だと思いますので、住宅ローンはあくまで手段だと考えています。どの手段を選んでも最高のゴールにたどり着けばよいのかと思います。

 

高橋

それぞれの考え方ですね。ありがとうございました!
画像なし

2021/10/13

スタッフブログ

住宅ローンの専門家に聞く③ 住宅ローンの基礎知識
こんにちは、スタッフの鈴木です。
少し肌寒くなってきて、ようやく衣替えができそうです。

さて、今回はイエール赤羽根さんをお迎えして、第三弾をお送りしたいと思います。

高橋

今回は新築ではなく、既存住宅の断熱リノベに関して伺いたいと思います。

なぜこのテーマかというと、当社に相談に来られるお客様は高気密・高断熱住宅にこだわりたいという方がほとんどですが、
今の日本の住宅マーケットにおいては高気密・高断熱、要は省エネ水準よりも高い性能の住宅に住みたいと思うと、
注文住宅で性能にこだわって建てるしか選択肢がありません。分譲住宅や賃貸住宅だとほぼ供給がありません。
そうすると、高性能な住宅に住める方は注文住宅を建てることができる経済力のある方に限定されてしまいます。

その状況が非常に残念だと思っていて、それに対して他に選択肢がないのかというと、既存住宅を購入して断熱フルリノベをする方法があります。
戸建てでも良いのですが、戸建てだとその後の経済的メリットがあまり大きくありません。
中古マンションを断熱リノベーションする方法だと、そこまで費用がかからないので経済的メリットが大きくなります。

予算が厳しい方には、中古マンションを購入してフルリノベ、つまり水回りから内装、断熱までを全てリノベーションする方法をおすすめしています。
その場合の住宅ローンの考え方について伺いたいです。

また、普通の性能の戸建て住宅を購入して、性能が低いために光熱費が高くかかってしまう等の理由で、
住宅ローンを抱えている中でリノベーションを検討されている方のローンの方策について伺いたいです。

まず、中古マンションを断熱フルリノベする際の住宅ローンについてですが、普通の住宅ローンを組んで中古マンションを購入し、
別途リフォームローンを組むという方法がこれまでは一般的だったと思うのですが、最近はその二つのローンを一体型にする方法があると伺いました。

 

赤羽根さん

そうですね、最近では一体型でリフォームローンを組まれる方が一般的になっています。注意点とすると担保評価です。
どうしても、不動産価格は地域の価格帯等から物件の価格が決まるので、フルリノベとなると1,000~2,000万円くらいの費用がかかる場合もあると思いますが、
価格の妥当性を金融機関が懸念材料とする場合もあります。また、金融機関によっては金額があまりにも大きいとそこまでは貸すことができないと言われてしまうケースもあります。

 

高橋

少し前までは、一体型のローンを扱う金融機関がかなり限られている印象でしたが、最近はいかがでしょうか。

 

赤羽根さん

そうですね、横浜エリアですとメガバンクや横浜銀行、静岡銀行も取り扱っています。
また、信用金庫も取り扱っています。かなり増えてきていますので、一体型にするからといって、金融機関の選択肢が狭まってしまうことはありません。

 

高橋

また、少し前まではリフォームローンの上限を決めている金融機関が多かった印象ですが、その辺りはいかがでしょうか。

 

赤羽根さん

厳密には分かり兼ねるのですが、担保評価の関係もあります。
あまりにも担保評価と住宅ローンの金額が乖離すると、万が一の場合に担保割れしてしまう可能性があるので金融機関の懸念事項になると思います。

 

高橋

なるほど。そうすると別途リフォームローンを組むよりもリフォーム一体型のローンのほうが有利かと思いますが、具体的にどのくらい有利なのでしょうか。

 

赤羽根さん

こちらの資料をご覧ください。


一体型の場合ですと、金利が住宅ローンの金利になるので大きなメリットになります。
住宅ローン金利が0.475%の場合には、リフォーム部分についても0.475%になります。
全体が5,000万円の借り入れのうち、1,000万円がリフォーム費用の場合ですね。月々の返済額が129,241円、総返済額が54,281,232円になります。



リフォームローンを使った場合は、リフォーム融資金利1.7%(横浜銀行のもの)、借入期間15年、その他は先程と同じ条件になります。

月々の返済額が103,392円、4,000万円に対しての返済額になります。
リフォームローンの月々の返済額が62,978円になり、15年続きます。

これを比較すると、差額は479,925円になりますのでリフォーム一体型のほうが約50万円お得になるという計算になります。
住宅ローンの総返済額が43,424,985円、リフォームローンの総返済額が11,361,172円になります。総額としては54,761,157円になります。


リフォームローンを住宅ローンと併用で組む場合は物件を自己所有にする必要があることが注意点です。
多くの人は今、賃貸住宅等にお住まいで住宅ローンが自己所有にすることでそこから支払いが始まります。
賃貸は賃貸料を払わなければいけない、つまりダブルローンが一時的にかかってしまいます。
リフォームの工期にもよるが、長すぎると大変になると思います。自己所有にしてから、リフォーム工事が始まるので注意点になります。

あとは、細かいことなので全て把握しきれていない部分もありますが、リフォームローンだと登記や火災保険等は別途入らなくても良くなる場合があります。
大抵の方は火災保険に入る方が多いと思いますが、そういったところを含めると差額は詰まってくると思います。

それを考慮しても、約50万円の差があるのでリフォームローン一体型がお得だと思います。

 

高橋

リフォームローンだと最初の15年間は負担が重くなるということですよね。
一般的には子育て等でお金がかかる時期に返済額が大きくなるということなので、子育て世代にとっては厳しいかと思います。

 

赤羽根さん

そうですね。あとは、金額以外にも中古物件を購入する場合に、不動産会社からも注意点があるかと思いますが、旧耐震・新耐震というポイントがあるかと思います。

昭和56年5月31日以前なのか、6月1日以後なのか、建築確認申請証の日付によって基準が変わります。中には旧耐震だと融資ができない金融機関もあります。

 

高橋

リフォームローン一体型が使える金融機関が増えてきたことによって、昔に比べるとやりやすくなってきたということですね。

 

赤羽根さん

そうですね、一般的になってきていると思います。古い物件だとしても立地が良ければ、特にマンションだと頑丈に作っていますので、
築20~30年のものだと外観は古くなってしまうというデメリットはありますが、中をリノベーションするという選択肢は充分考えられると思います。

 

高橋

個人的には内装や水回りを好みに変えることができるので、それもメリットになるかと思います。

断熱性能に関しても、普通の新築マンションよりも高い性能にすることが可能だと思うので
特に予算的に高性能住宅を諦めている方には中古のマンションを買って、断熱フルリノベというのは有力な選択肢かと思います。

 

赤羽根さん

例えば、新築で駅近という条件だとなかなか難しいですが、中古マンションのフルリノベだと実現可能ですね。

 

高橋

次の質問ですが、分譲の戸建て住宅を購入したものの、“こんなに寒いと思わなかった。
住宅ローンはあるし、どうしよう。”という方が住宅ローンはあるが、追加で断熱リノベーションもしたいという方はどのようにすれば良いのでしょうか。

 

赤羽根さん

方法は2つあります。今の住宅ローンを他行へ借り換えし、そのタイミングで住宅ローンとリフォームローンを一体にした借り換えリフォームローンを借りる方法と、
リフォームローンを追加で借りる方法があります。

まず、借り換えリフォームローンについてですが、条件といて今組んでいる住宅ローンの金利が高ければメリットが出ますが、
そこまで高くない金利だとメリットが出ません。
借り換えには手数料や保証料が必要になるので、借り換えることによってメリットがあるかどうかという見極めは必要です。

リフォームローンについてですが、金額によって変わってきます。リフォームローンのほうが住宅ローンよりも金利が高くなるので、
500万円程度の少額だと問題はないかと思いますが、1,000万円を超えるリフォームだとリフォームローンの高い金利で借りるデメリットがあります。
そう考えると、今住宅ローンは低金利で借りているけれども、借り換えをしてリフォーム一体型のローンを組むという選択肢もあります。

 

高橋

当初の15年の支払いでいうと借り換えてしまったほうが、将来の毎月の返済額を均一にできるので、
直近の返済額が高くなるのがきついという方には借り換えもひとつの方法ということですね。

 

赤羽根さん

そこで注意していただきたいのが、残年数ですね。もしリフォームを検討したときの残年数が20年だとすると、
それと同じ年数でしか借り換えられない場合もあれば、借り換えだと25年で借り換えられるところもあります。
もし20年のままだとすると、リフォームローン一体型とリフォームローンを別途借りた場合の返済額があまり変わらないです。比較して、検討していただきたいです。

 

続きは次回、最終回でお伝えします!
画像なし

2021/10/05

スタッフブログ

住宅ローンの専門家に聞く② 住宅ローンの基礎知識
こんにちは、スタッフの鈴木です。
全5回でお送りする住宅ローンの基礎知識、今回は第2弾です。

赤羽根さん

続いて、つなぎ融資についてです。つなぎ融資とは本体の住宅ローンとは別に組むようなイメージになります。こちらをご覧ください。


こちらは住友信託銀行の金利に基づいていますが、通常の住宅ローンが0.41%、つなぎ融資の金利が2.6%になります。
お借入れ金額は5,000万円、つなぎ期間は半年、分割融資の条件と金利以外は同じです。

月々の返済額が127,813円になり、先程より少し下がっています。住宅ローンの総額としては53,681,798円になります。
つなぎのほうが金利は高くなるので、半年間の利息としては108,333円かかります。
つなぎの場合は月々のお支払いはないですが、半年間で計算すると月々108,333円かかってきます。
それをもとに計算すると総額が54,441,796円になります。つなぎ融資を使う場合だと、今回の場合はつなぎ融資手数料が10万円(税別)かかってきます。
つなぎ融資商品によって手数料は違いますが、10万円という手数料が一般的です。

 

先程の分割融資とつなぎ融資では利息の支払い方が違います。

通常だと、つなぎ融資ですと住宅ローンが融資されたタイミングで清算になるので月々の利息はなくなります。
例えば、最後に住宅ローン融資が5,000万円融資されたタイミングで、半年間のつなぎ融資の利息と手数料を差し引いて融資する金融機関が多いかと思います。
また、つなぎ融資を使う場合、どれだけの期間をつないだとしても35年という返済期間が短くなることはありませんので、そこはつなぎと分割の違いになると思います。

 

金額差について比較すると、分割融資金利0.475%の場合と、つなぎ融資で住宅ローン0.41%、つなぎ融資金利2.6%の場合で総額が104,655円違います。
ぱっと見、約10万円の差なので普通に考えれば大きいと思いますが、35年間で10万円の差と考えるとごく僅かかなと思います。
今回の場合ですと、分割融資のほうが住宅ローン組む際に104,655円お得になりますが、35年で考えると月250円の差なので、差としてはほとんどないと思います。

例えば、これが分割融資金利0.475%ではなくて、0.5%になると恐らくつなぎ融資を使った場合のほうが総額としては低くなるかと思います。
地域性やそれ以外の要因があるので、ケースバイケースでどちらがお得なのかは変わってくると思います。一概にどちらがお得とは言い難いです。

 

高橋

経済的な損得以外に手続きの煩雑さの差はいかがでしょうか。

 

赤羽根さん

金融機関によって差が出てくる場合がありますが、分割融資の場合は金消契約といって銀行との契約が1回で良いところもあれば、
つなぎと本体の契約、合計2回しなければいけないところもあります。

金融機関さんによっては土地の決済時・着工時・上棟時・完工時、という4回行かないといけないケースもあります。
お客様の状況によってもどの金融機関が良いのはというのは分かれてきますので、最初の手間は違いますが、
35年間の経済的な比較で条件が良いところを選んでいただくのが良いかと思います。

 

高橋

なるほど。次に住宅ローンを使う場合の流れやスケジュールについて伺いたいです。

 

赤羽根さん

通常はまず金融機関の選定から始めます。
一般的には恐らくインターネットで調べて、“金融機関とはどういうところがあるのかな?金利はどうなっているのかな?団体信用生命保険の内容はどうなっているのかな?”
というところを見られると思います。
例えば、横浜エリアだと20~30の金融機関の選択肢がありますので、細かい内容をお客様に見極めていいただくのは非常に大変かと思います。

なので、我々はご相談いただいた場合にはその方にどの金融機関がマッチしているのかを出させていただいております。
まずは、なるべく金利が低いところをご提案させていただき、その後に団体生命保険等の内容でご提案をさせていただいております。

 

金利や条件は事前審査(仮審査)をしていただかないと細かい条件が出てこないので、それを申し込んでいただきます。
事前審査の結果は早いところだと2,3営業日、ネット銀行だと2週間前後かかります。
そこで金利条件や保証料、手数料等を比較し、団体信用生命保険も見比べされる方もいらっしゃいます。
そこから、1本に絞って、正式審査に臨んでいただきます。正式審査は窓口で申し込みをするところが一般的になります。
その回答が2,3週間、長いケースだと1か月かかります。
一般的な金融機関ですと、事前審査が通っていて、事前審査から正式審査を出すタイミングで特に状況が変わっていなければ事前審査の結果が引き継がれる形になります。
融資が受けられることになると、金銭消費貸借契約を銀行と結びます。
土地からのお客様ですと、土地決済融資、着工融資、上棟融資、と住宅ローンの実行が続いていき、完成すると完工金の決済が行われます。

 

高橋

事前審査の段階で必要なものは何がありますか。

 

赤羽根さん

必ず必要なものは運転免許証、保険証、源泉徴収票の3点です。土地を購入する場合は土地のチラシです。
価格や住所、概要がわかるものが必要です。建物についても見積やプランが必要になります。

 

高橋

一般の方が住宅ローンで借りられる金額を知りたい場合には事前審査を受けるために仮のプランを用意して事前審査を受け、
そこで予算を把握した上で土地を探して、正式な審査を受けるという流れでよろしいでしょうか。

 

赤羽根さん

そうですね。あとは工務店やハウスメーカーによって、30坪のお家を建てたいといった場合の大体の予算は決まっていると思います。
また、土地からの方だとエリアごとに金額の目安は出てくるので、それを元にしていただくのが良いと思います。
あとは年収によって返済能力があるのかどうか、住宅ローンを組める金額と返済できる金額は違うと思いますので、そこを調整していただくのが良いと思います。

 

高橋

おっしゃる通りですね。当社のお客様にもFP診断をしていただく場合には返せる金額と借りられる金額の両方を見ていただいたほうが良いですよとアドバイスしています。

 

次回、第3弾も是非お楽しみに!
画像なし