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2021/07/25

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YKKAPさんに聞く良い窓の選び方④
こんにちは、スタッフの鈴木です。

お子さんは夏休みに入られた方が多いのではないでしょうか。
家族で家で過ごす時間が増える夏休み。
エアコンの効きや、光熱費等々…
おうちの性能について改めて考えるタイミングを迎えられる方が多いかと思います。

“でも、結局のところ何が正解かわからない”、“家づくりなんて初めてだし、考えることも多くて難しそう”
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さてYKK APさんとの対談、全5回中今回はその第4弾です。

 
高橋

➢内窓を設置した場合に、従前の外側の窓の結露については、変わるのでしょうか?

 

石川さん

➢かなり減りますね。性能の低い窓だと、部屋全体の湿度を持った空気が、冷たくなった窓に当たって結露をしていました。
それが、内窓をつけると内窓と外窓の間の空間に入っている水分量が最大で、部屋の中の湿度と温度の高い空気は移動しないので、内窓と外窓の間で少し結露するくらいです。

 

高橋

➢つまり、内窓自体がある程度気密がとれていて、内窓と外窓の間と室内ではそんなに空気が行き来しないということですね。

 

石川さん

➢そうですね、よくハニカムスクリーンと比べられるのですが、ハニカムスクリーンは湿度が移動してしまいます。



高橋

➢ハニカムスクリーンは結露が増えるとよく聞きますね。

 

石川さん

➢湿度が通ってしまうため、真ん中の空間が冷えてしまい、より結露が起こりやすくなります。内窓の場合は、湿度が真ん中には行かないので、結露が起こらないということです。

 

高橋

➢なるほど、根本的にハニカムスクリーンとは違うんですね。

 

米山さん

➢素材が違うので、ハニカムスクリーンと違って、湿度を通さないのが大きいですね。

 

石川さん

➢内窓設置後の結露については、まったく無くなる訳ではないのですが、すごく減りますね。

 

高橋

➢そうなんですね。内窓は、気密はそんなにとれていないとばかり思っていました。

 

米山さん

➢工事も1番簡単で、むしろガラス交換より簡単かもしれないですね。1箇所だと早くて30分程で終わるのではないでしょうか。我々のカタログ上では60分と記載しておりますが、設置自体は本当に簡単です。

 

高橋

➢コストが約120万円っていうのは、30坪程度の家の全ての窓ということでしょうか?



米山さん

➢はい、そうですね。窓が19か所という想定です。

 

高橋

➢当社に相談に来られる方は新築がメインで、40代の方が多いのですが、実家が寒いというお話をよく聞きます。120万円でご両親の家の性能をガラッと変えることが出来るのであれば良いですね。誰がお金を出すかは別として、ヒートショックで介護が必要になってしまったとか、施設に行かなければならなくなったとか、本来相続できたものが施設費用等になってしまう可能性を考慮すれば、120万円を投資と考えても悪くないと思いますよとお話させていただいています。

 

米山さん

➢本当にそうですよね。意外と普及してきたということもあって、マーケットの価格も少し落ち着いてきたのか、以前よりはお求めやすくなっているかと思います。

実は父の日に父親の寝室に窓のリノベをプレゼントしたんですが、工事をする前は「やってもしょうがないし、いらない」と言われていたのに無理やり付けた方がいます。工事後は効果がてき面で父親が「家中やって欲しい」という話になったという話も聞いたことがあります。

 

高橋

➢そうなんですよね、お年召した方々って、「今更そこにお金を使う必要は無い。むしろ、我慢することが美学だ」と思ってらっしゃる方が多くて、すごくもったいないですよね。

 

➢家1軒の工期はどれくらい必要なんでしょうか?

 

石川さん

➢3日間見ていただいているという感じですかね。

 

高橋

➢工事は、住みながらで問題ないですよね。

断熱材を入れる断熱フルリノベと比べると、遥かに値段も安いし住みながらで済むんですね。

 

米山さん

➢断熱リフォームや断熱改修をお考えであれば、まずは優先順位は「窓」その次に「床」、夏のことを考えると「天井」。これだけなら壊さないで施工できます。それで軽自動車1台分くらいの費用でいけるのかなと思います。

 

石川さん

➢昔の家って、床が寒いですよね。点検口等を開けてもらうと下が土になってるじゃないですか、もうほぼ外ですよね。なので床は効果があると思いますね。よく床暖房を後から入れますって聞くのですが、確かに一瞬そこだけが快適になるのですが、熱がだだ漏れなんですよね。床暖房を後からするくらいなら、床断熱をした方が絶対に良いですよね。

 

高橋

➢窓をリノベすることで、どれくらい快適になるかとか、光熱費がどれくらい変わるかをご説明いただけますか?

 

米山さん

➢こちらのスライドをご覧ください。1980年築の家を想定しており、オレンジ色がLDKの室温、緑色が洗面室、ピンク色が寝室、青色が外気温となっています。朝起きて23℃設定でエアコンを付け室温が上がりますが、夜寝る時に切ると次の日の朝までに大体13℃程下がっていることになります。これが80年代の平均的な住宅性能になります。



ここに、1階の窓だけに内窓を付けた場合、朝の温度が先ほどの5.4℃から7.6℃まで改善しています。大して変わらないように見えますが、2℃の差は体感ではかなり違います。



これらの家の暖房費の比較をしてみると、最初の家ではエアコン費用が年間7.1万円かかっていたのですが、内窓設置後は5.4万円となっています。年間2万円弱の削減になりますし、間違いなく体感も変わりますね。



高橋

➢一般の方々は、暖房の光熱費よりも冷房の光熱費の方が高いと思っている方が多いのですが、圧倒的に暖房費の方がかかっているんですよね。

 

米山さん

➢そうですね。まず、冷房と暖房では、使っている日数が違いますよね。冷房は、7,8,9の3か月間。それに対して、暖房は、11月から3月くらいまで使うことがありますよね。

そもそも、冷房は、夏場の外気温32℃を28℃まで下げると4℃差になりますよね、冬は外気温5℃を20℃まで上げると15℃差になるので、やはり暖房費の方がかかりますよね。

 

高橋

➢家の中で、熱中症で亡くなっている方と、ヒートショックで亡くなっている方を比べると、圧倒的にヒートショックで亡くなる方の人数が多いですよね。

 

米山さん

➢ニュースでの取り上げられ方が違いますよね。

 

高橋

➢話が変わりますが、以前の家では「ジャロジー窓」をよく見たのですが、あれは隙間風が入ってきそうで良くないのかなと思うのですが、どうでしょうか?



米山さん

➢そうですね、以前の家では、水回りによく使われていましたよね。ジャロジー窓は、ガラスとガラスが接しているだけなので、ここに気密という考え方が存在していないんですよね。なので性能としてはかなり低いというのが事実です。やはりそこを塞いであげようとなると内窓をつけるか、カバー工法による外窓交換ですね。ただジャロジー窓にはハンドルが付いているので、内窓がつけにくいんですよね、なので、外窓交換で開きのものや上げ下げのものにしていただくと、特に水回りの体感はガラッと変わりますね。

 

石川さん

➢あれは、20年位前に流行りましたよね、脱衣所やトイレなど、ヒートショックが最も危険なゾーンによく使われているんですよね。なのでかなり問題視しないといけないですよね。そこを直してあげるだけで大分温度環境が良くなります。元々南国のハワイとか南の国の窓ですよね。お洒落ではありますけどね。

 

米山さん

➢もはや今はもう無いですね。

 

高橋

➢そういった弱点を、住んでいる方がどれくらい認識しているかですよね。

 

この続きは第5弾(最終回)でお送りします!
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2021/07/16

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YKKAPさんに聞く良い窓の選び方③
こんにちは、スタッフの鈴木です。
いよいよ、夏本番。
どうか熱中症にお気を付けください!

さて、今回はYKK APさんとの対談、第三弾です。

 

高橋

➢日本の住宅の断熱性能は玄関が弱点だという話を聞くのですが、いかがでしょうか?

 

石川さん

➢そうですね、断熱にこだわった玄関では、当社の商品は2~3種類ございます。



玄関のそのものの性能もすごく大事です。
それに加えて、玄関は1日で何回も開くので、玄関ドアの性能以上に冬は寒く感じる人が多いと思います。引き戸であればさらに寒いですね。

そのため、玄関ドアの性能はもちろん、それに加えて、玄関とリビングとの間を仕切れるような設計をされた方が良いかなと、個人的には思います。

 

米山さん

➢最近の間取りは開放的なものが多くなってきています。

そのため、玄関の性能の重要性に対する意識が、昔に比べると、変わってきたなと感じます。

 

石川さん

➢昔の間取りは玄関を開けると階段がありますよね、そうなると冷たい空気が家の中を駆け巡る設計になってしまっています。そのため、そこにドアを置くとか、リビングにドアを置くプランが増えている理由も、そこで遮断出来るという理由が大きいかと思います。

 

米山さん

➢リビング階段の上から冷気が降りてくるという傾向があります。

建物全体の性能が良ければ良いのですが、1階だけに部分的な断熱をして2階が手付かずの場合は、結局冷気が降りてきてしまうことになります。結局2階にドアを付けることになるという話もよく聞きますね。

 

石川さん

➢リビングに階段がある家が流行りだからと取り入れてしまうと、家の性能が足りていないと暖房も冷房も効かない家になってしまいますね。

断熱性能をきちっとした上で、玄関の性能はもちろん、且つリビングと玄関を遮断するような設計をすると、リビング階段も快適になるのかなと思います。

 

 

高橋

➢窓を例えば、APW330を選んだ場合、それと組み合わせるべき玄関はどれになりますか?

 

石川さん

➢もちろん、玄関も性能が良い方がいいのですが、APW330とよく組み合わされているのは、VenatoD30ですね。

 

高橋

➢D2仕様とD4仕様の違いは何ですか?

 

石川さん

➢扉自体は一緒です。主に枠の断熱性能の違いになります。

 

高橋

➢先ほど、日射取得・日射遮蔽のお話がありましたが、YKK APさんのアウターシェード等の商品について教えていただければと思います。

 

石川さん

➢アウターシェードと外部ブラインドの商品がございます。



左側のアウターシェードは、日射取得型の窓に付けていただき、真夏の日射遮蔽に使っていただく形になります。6割程度の熱をカットすることが出来ます。

 

右側の外部ブライドという商品ですが、窓の外側にブラインドが付いています。部屋の内側にブラインドを付けている方がほとんどだと思いますが、ブラインド自体が熱くなってしまい、その熱で窓際がすごく熱くなってしまっています。原則として、日射による熱を遮断する設計をする場合は、ガラスの外側に設定することが望ましいです。

 

高橋

➢アウターシェードと外部ブラインドでは、値段はだいぶ違ってくるのでしょうか?

 

石川さん

➢アウターシェードはお手軽で数万円からあるので、南面や西面に付けていただければと思います。一方ブラインドのメリットは、光の調整や通風のコントロールが可能なところですね。

 

高橋

➢今度はリノベーションについて、お話をお伺いしていきたいと思います。

古めの戸建住宅だとアルミの単板ガラス、良くてもアルミのペアガラスだと思うのですが、そういった窓と最近の窓の性能だと、どう違うのでしょうか?

 

米山さん

➢こちらはカタログですが「窓はここまで進化した」と整理されております。



今の最高水準の窓「樹脂フレーム+ダブルLow-Eトリプルガラス」ですと、1960年代頃比べて7倍もの断熱性能がアップしております。もう少しスタンダードな窓ですと「樹脂フレーム+Low-E複層ガラス」になり、約4倍の性能になります。

 

また、現在の新築住宅でスタンダードに使われているのは「アルミ樹脂複合フレーム+複層ガラス」でして、大体2倍の性能になるかと思います。

 

高橋

➢築40年程の戸建やマンションについて、窓の断熱リノベっていうと、どのような選択肢があるのでしょうか?

 

米山さん

➢窓は熱的には最大の弱点です。しかし裏返すと、窓さえ何か手当てをすると、弱点はある程度防ぐことが出来ると言うことになります。



一般的に夏は74%、冬は52%もの熱が窓から出入りしていますので、窓の断熱リノベを実施することは効果が高いことが分かります。

 

石川さん

➢この数字は、実はアルミ複層ガラスなんです。築40年くらいですと、アルミの単板ガラスが一般的ですから、この数字はもっと大きくなります。

 

米山さん

➢そもそも、窓ってリフォームできるんですか?とよく聞かれるのですが、出来ます。



やはり、住みながらでコストパフォーマンスが高く、しかも効果が高い商品を望まれると思うのですが、そうなると内窓設置が一番効果が高くなります。ただ、内窓設置の場合は、窓を開ける際に、2枚の窓を開けなければならなくなります。

 

それに対して、外窓交換(カバー工法)という方法があります。これは今ある窓のガラスの戸だけを外して、新しい窓を枠ごと入れるというものです。そのため、窓の大きさが少し小さくなってしまいます。

ちなみに、当社は外窓交換に凄く力を入れております。外窓交換でトリプルガラスの樹脂窓に取り換えられることもできます。

 

高橋

➢断熱性能でいうと、外窓と内窓はどうなのでしょうか?

 

米山さん

➢外窓交換では、はめ込む窓の種類を選ぶことが出来るので、その窓によって変わってきます。内窓について素材は樹脂になり、従前の窓の結露等も減らすことが出来ます。

 

この続きは第四弾でお送りします!
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2021/07/07

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YKKAPさんに聞く良い窓の選び方②
こんにちは、スタッフの鈴木です。
今日は七夕ですね。

大雨による被害が多く出ており、心が痛みます。
今日こそは雨が止むことを願います。


今回はYKK APさんとの対談、全5回中、第二弾になります。



高橋

➢普通の暮らし方をする前提で、東京や横浜のような6地域で結露が起きない窓の選び方としてはどうすると良いのでしょうか?

 

石川さん

➢まず、結露についてご説明しますと、暖かい空気は多くの水蒸気を含むことができますが、冷たい空気をあまり含むことができません。水蒸気を含んだ暖かい空気が冷たい何かに触れると、急にその空気が冷やされて、水蒸気を保持できなくなり、水になります。これが基本的な「結露」の仕組みです。そして、その温度が「露点温度」と呼ばれています。



室温が20℃の場合、相対湿度40%だと露点温度は6.0℃、相対湿度50%だと露点温度は9.3℃になります。

つまり、室内の湿度によって、結露が起こったり起こらなかったりということになります。

 

図を見ていただくと、アルミ樹脂複合窓の場合、朝起きると窓の下の部分が結露を起こしている可能性は高いかと思います。

樹脂窓のAPW330では、普通に過ごす分には1年を通して結露が起こることはほぼ無いかと思います。

APW430になると、結露はまずしないと言って良いくらいだと思います。

 

高橋

➢図のアルミ樹脂複合窓の1番下の部分が2.2℃となっていて、そこが弱点なのかなと思いますが、ここはどういう箇所になるのでしょうか。

 

石川さん

➢ 6.9℃部分が窓ガラス、その下は木の額縁と呼ばれる部分です。2.2℃の部分は壁の中ということになります。アルミ樹脂複合窓は、室内から見えているところは樹脂なので、結露はほぼ見えないのですが、他はアルミが使われているため、凄く温度が伝わりやすい構造になっています。

 

高橋

➢では2.2℃の部分は「壁内結露」が起こっているということですね。

見た目では分からないが、実は見えない壁の中で結露が起きているということでしょうか?

これは、かなり怖いことですよね。

 

石川さん

➢そうですね、なのでフレーム全体が樹脂で出来ている「樹脂窓」が海外ではよく使われています。

 

高橋

➢聞いてみないと分からない話ですね。壁内結露が起きるということは、家の耐久性にも影響する話ですね。

 

当社のお客様は横浜や東京に建てる方が多く「防火窓」にせざるを得ないため、コストアップになりネックになりがちなのですが、大体どれくらいのコストアップが目安と考えると良いのでしょうか?

 

石川さん

➢樹脂窓の防火ではないものと、防火のもので比べると、大体2.5倍~2.8倍するので、前回、防火窓でなければ100万円くらいの価格アップと先ほどお伝えしましたが、防火の場合は150万円~180万円くらい価格が上がってしまいます。

ただ、準防火地域や防火地域であれば、アルミ樹脂複合の防火窓もそれなりに高価なので、それに比較すると、やはり100万円くらいのコストアップになります。

 

高橋

➢また、UA値0.46(G2レベル)の高断熱にしたいというお客様が多いのですが、付加断熱が要るのか要らないのか微妙なラインですよね。
窓の選択も変わってくると思いますが、目安はあるのでしょうか?



石川さん

➢「窓の性能と家の断熱性能」というデータをご覧ください。ざっくりですが、APW330のガス入りを選んでいただければG2レベルの射程圏内になります。なので、付加断熱が無く充填断熱でも可能かなというところです。

ただし、ぎりぎりなので、補助金等で0.46以下が必須の方はAPW430のトリプルガラスを使っていただく方が無難です。

 

高橋

➢次は気密性の確保について伺います。
窓は弱点になりがちですが、その観点から窓の選び方のポイントはありますか?

 

石川さん

➢気密の試験は数字がブレることが多いので、気密性能についてはあまり公表していないのですが、総論で言いますと下記の図のようになります。




北海道に行った時に周りの窓を見て欲しいのですが、引違い窓はほとんどついていないんです。(昔の家にはついている家もありますが。)

寒い地域では、縦すべりだし+FIX窓が当然のように使われている理由は、気密性能が良いからということです。

 

また、気密の性能が一番良い窓は?というとドレーキップ窓(ツーアクション窓)になります。

 

当社ではツーアクション窓と言っております。ハンドルの位置によって「内倒し」と「内開き」の2つの開閉方式をすることが出来ます。非常に気密性能が出しやすい商品となります。

 

普段は内倒し状態で換気等に使用いただき、掃除の際は内開きにすると外面も室内から簡単にふけるので、便利です。

実は、ヨーロッパ(主にドイツ)では年間の出荷の半分以上がこちらのタイプの窓のようです。

 

高橋

➢それからガラスの種類について、日射遮蔽型と日射取得型のお話いただければと思います。

 

石川さん

➢Low-Eガラスというものがありまして、それは2枚のガラスの内側に金属の膜が吹き付けられているものです。この金属膜を張ることで入ってくる熱を防ぐし、出ていく冷気も防ぐような放射ガラスという位置付けになります。



この塗膜の仕方に2種類あり、ざっくり言うと強めにするか弱めにするかという違いになります。

強めにすると日射を遮断するので、夏に効果を発揮する「日射遮蔽型」になります。反対に、弱めにすると冬に日射を入れるようにする「日射取得型」になります。

 

高橋

➢ではこれらの使い分けはどのようにすると良いのでしょうか?

 

石川さん

➢簡単に言うと、南面には「日射取得型」を使用し、東西北面には「日射遮蔽型」を使っていただければと思います。

 

高橋

➢工務店やハウスメーカーに任せておけば、このように使い分けしてくれるのですか?

 

石川さん

➢実は、現在はあまり使い分けられていないので、そこは、課題ではあります。逆に言うと、その使分けをきちんと行っている工務店等は、建物全体のことをかなり考えている会社と思っていいと思います。

 

米山さん

➢南側に日射取得型を採用するということは、夏季の庇やシェードなどによる日射遮蔽をどう考えるかということと表裏一体なので、設計思想がきちんとしていないとだめなんですよね。

 

高橋

➢実際に使い分けた時の住み心地であったり、光熱費の変化についての目安はありますか?

 

石川さん

➢こちらのデータをご覧ください。





東京だと、ガラスを使い分けて最適バランスにするだけで、冷暖房光熱費が年間5,000円以上下がります。

さらに、埼玉県や群馬県等、もう少し寒いエリアだと、この差はもっと大きくなります。

 



この続きは第三弾でお送りします。

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