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2020/12/05

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目指すべき断熱性能

こんにちは、スタッフの小垣です。


あっという間に12月に突入しましたね。
街の雰囲気がクリスマス仕様になると、少しワクワクしてしまいます。


さて今回は「目指すべき断熱性能」について、ご説明したいと思います。


断熱性能を示す指標は「UA値」(ユーエーチ)という値です。
こちらが今の日本の省エネ基準で用いられている値となります。


「U」は熱還流率、「A」はアベレージ(平均)です。
つまり、壁・床・天井・窓などの、熱還流率の平均値ということで、値が小さいほど高断熱ということになります。


国の省エネ基準では、東京・横浜・名古屋・大阪・福岡といった6地域では、UA値0.87以下となっています。


この省エネ基準レベルの断熱性能で十分なのかと言うと、日本の省エネ基準は先進国の中ではダントツで緩い基準となっているため、そうではありません。
住まいづくりを考え始めたかたは、まずぜひそのことを認識してください。


省エネ基準レベルでは全く足りていない上に、日本は先進国でほぼ唯一、省エネ基準の適合義務が課されていません。



図のように、省エネ基準の適合率ですが、2015年の段階では58%となっています。
これは、新築住宅の40%は適合基準を守られていないとういう状況です。


このように、「非常に断熱性能の低い住宅が供給されてしまっている」という状況なのです。


住まいづくりを進める上では、何も考えずに家を建てたり買ったりすると、先進国で最低水準の断熱性能の家になってしまうことを意識するようにしてください。


なお、建築物省エネ法が改正され、令和3年4月から「建築士から建築主への説明、省エネ基準への適合有無の説明」が義務化されることになっています。


省エネ基準の適合義務は課されないため、省エネ基準以下の住宅も違法ではない状況のままですが、これで少しは住宅業界も変わることを期待したいところです。


それではUA値について、どのレベルを目指すと良いのか?


6地域を前提にすると、「高断熱住宅」には明確な定義はありませんが、「高断熱住宅」を名乗れる最低レベルは0.6以下といわれています。これは経済産業省が中心になって普及促進を図っている「ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)」の断熱基準となっています。これを一つの目安としてください。


また、高気密・高断熱住宅について調べ始めると、「HEAT20」という言葉を目にするかと思います。


これは、2009年に発足した「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」のことで、その略称になります。
このHEAT20には、G1・G2・G3という基準が設けられており、これらの基準は、地域ごとに違っています。


(※仙台は現在5地域になっています。)


G1は「省エネ・環境の質・コストバランス解」とされているもので、この値の数値を丸めたのがZEH基準だと言われています。


ですから、経済的な損得を考えると、省エネ基準レベルでは冷暖房の光熱費が掛かりすぎるため損であり、建築費が増えることを勘案しても、ZEHレベルの方が得だというのがHEAT20の結論なのです。
なお、G2は「省エネ・環境の質の最適解」とされています。


このように、HEAT20を一つの基準とするのが良いかと思います。
できれば0.46以下「G2レベル」、可能ならば0.3以下「ヨーロッパ並みのレベル」を目指すと良いのではないでしょうか。