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2023/02/15

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交通事故の7倍!年間約2万人が命を落とす『ヒートショック』とは!

こんにちは。住まいるサポートの畠山です。
今年の冬は、10年に1度の大寒波が襲来したり、大雪に見舞われる地域があったりと…本日も北海道はすごい雪のようですが、
みなさまご無事でしょうか🥶。どうか充分にお気をつけください。

1ヶ月ほど前、NHKのクローズアップ現代で『実は危ない!ニッポンの“寒すぎる”住まい』が放送されました(1/17放送)。

断熱性能の低い日本特有の住宅が、いかに命を縮めている恐れがあるか、興味深いデータや調査結果と共に紹介されてとてもわかりやすく、また、実際に寒さが原因で命を落とされた方のご家族の言葉もあり、非常に危機感を感じる内容でもありました。

番組には以前こちらのブログでその研究を紹介させて頂いた慶應義塾大学の伊香賀教授もご出演されていて、日本の9割の地域でリビングの平均室温が18度を下回っていたという調査結果も紹介されていました。※WHOは、家全体の温度を18度以上にすることを強く勧告しています。

神奈川県は比較的リビングの室温が高い県になっていましたが、これは他の都道府県に比べてマンションなどの共同住宅の比率が高いためで、戸建だけでみると、18度以下のお宅の比率はかなり高いそうです。


◆循環器の疾患は「生活環境病」と捉えることも必要

今回のブログでは「ヒートショック」についてご紹介しようと思っていたのもあり、私も番組をとても興味深く観ていたのですが、ヒートショックなどの「循環器の疾患は生活環境病と捉えることも必要」という医師の言葉も大変印象的でした。

疾患のリスクを減らすために、自治体をあげて住宅の温度の改善に取り組んでいる事例紹介もあり、日本の寒すぎる住宅が、いよいよ国全体の問題・課題として捉えられてきているんなだと感じています。

見逃し配信や再放送などで機会がありましたらぜひ皆様もご覧になってください。
 

さて、それでは、なぜ「循環器の疾患は生活環境病」といわれるのか。
今回のテーマ「ヒートショック」について見ていきたいと思います。
 

ヒートショックで亡くなる方の数は、交通事故で亡くなる方の7倍!




実に年間19,000人もの方がヒートショックで命を落としている、この事実を知った時は私もかなり衝撃でした😲
まさに、寒さが死に直結してしまった結果です。
 
ヒートショック:家の中の温度差に起因して、急激な温度変化で身体がダメージを受けること

ヒートショックを具体的に説明すると…

入浴する時に、寒い脱衣室で服を脱ぐと、寒さのため血管が収縮して血圧が上昇し、寒い浴室に入ることでさらに血圧が上昇します。その状態で熱めの湯に浸かると、温まったことで血管が広がって血圧が低下。急激な血圧の変動が起きてしまいます。



こうした血圧の変動は心臓に負担がかかり、浴槽の中でそうした状態になれば気を失ってしまう方が多く、その結果、冬場に浴室での溺死が増加してしまうのです。また、浴室で心筋梗塞や脳卒中で倒れる方も多いのです。

 

ヒートショックは寒い地域だけの問題ではありません!



「でも、ヒートショックって寒い地域の話よね?」と思われている方、いらっしゃいませんか?

ーー違います!

『わが国における入浴中心肺停止状態(CPA)発生の実態』(2011年の東京都健康長寿医療センター研究所)によると、
都道府県別の高齢者1万人あたりの入浴中に心臓機能停止となった人数の1位は温暖であるはずの香川県

それだけでなく、2位の兵庫県5位の和歌山県7位の愛媛県など、上位には比較的暖かい県がランクインしています。



香川県は先ほどのNHKの調査でも、47都道府県のうち、リビングの温度が一番低いことが紹介されていました。その反対に、寒い青森県は44位、北海道は46位と下位です。

冬のリビングの温度が47都道府県で一番高かったのも北海道でした。



これらのことから、寒い地域だからといって入浴中のCPA発生件数が多くなるわけではないことがよくわかります。

むしろ、寒い地域では高気密・高断熱住宅が普及していて、家の中の温度差がほぼないためにヒートショックが少ないと思われます。

つまり、気候がどうあれ、家の性能が高く快適に過ごせる環境ならば、ムダにいのちを落とさなくても済むのです。

先ほどの「循環器疾患は生活環境病」と言われるのも非常にうなづけます。

 

延ばしたいのは「健康」寿命!日本女性は12年間も不健康な状態!?


さて、交通事故死の7倍の方が入浴中に亡くなっているとのことでしたが、もちろん助かっている人もいます。
ただし、亡くなった方の2〜3倍くらいの方々が、命を取り留めても、その後に半身不随になるなど、健康寿命を縮めてしまっていると言われています。

 

みなさんご存知の通り、日本の平均寿命の長さは世界に誇れるものです。ところが、「健康寿命」としては、残念なことに日本は、他の国と比較して突出して長いわけではありません。

なんと、日本の女性は、亡くなるまでに平均で12・7年もの長い間、不健康な状態で生活しています。



そんなことにならないためにも、冬に暖かい家で暮らすことで、少しでも健康寿命を延ばしたいですね。

 

脱衣所の室温が2℃高くなると、介護期間が4年短くなる


「健康寿命」を延ばすことを考えたとき、参考になる調査結果があります。前出の伊香賀教授らによる、冬季の住宅内温熱環境が要介護状態に及ぼす影響の実態調査です。

大阪府の千里ニュータウンに暮らす80名を、「脱衣所の平均室温14.6℃の温暖住宅群」と「12. 4℃の寒冷住宅群」に分け、要介護になる人が50%を超える年齢を比較しています。

その結果、要介護率が50%を超えるのは、寒冷住宅群に住む人たちでは76歳の時。一方で温暖住宅群に住む人が要介護率50%を超えるのは、80歳という結果になりました。



つまり、脱衣所の平均室温が2℃上がるだけで、健康寿命を4年も伸ばすことができるということなのです!

断熱工事に対して補助が出る自治体もあるようですが、なかなか日本全国でというわけにはいかず、
すぐに工事とまでは考えられないけれど、なんとか対策したいという場合の断熱グッズも番組内で紹介されていました。
脱衣所が寒いお宅は、それらも参考にすぐにでも対策を取ったほうがいいですね!

ただ、、、

番組で紹介されていた、寒い自宅でご家族を亡くされた方の「毎日使うところを優先的に修繕して、寒さについては後回しだった」という言葉も大変印象的でした。

確かにまた暖かくなり始めれば、また来年また来年、と延ばしてしまいがちですが、その間にも「生活環境病」の進行があるかもしれません。
できるだけ優先度を上げて寒さ対策に取り組んでいきたいものです。
 

繰り返しになりますが、ぜひ番組もご覧になっていただければと思います。
いかに、日本において「家の中が寒いことが当たり前」になっているか、そしてそれがとんでもないリスクを孕んでいることが、おわかりいただけるかと思います。

次回は、そんな日本の住宅と海外の住宅の比較や、断熱性能の基準の違いなどご紹介していきたいと思います。
※チラっと予告ですが、日本の住宅性能は他の先進国と比べて、ダントツで低いレベルなんです…💦

それではどうぞ皆様、今宵も充分に暖かくしてお過ごしください!