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2023/02/28

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欠陥住宅レベル!先進国における日本の住宅性能事情

こんにちは。住まいるサポートの武藤です。

急に暖かくなって、お庭の木々もびっくりしているんじゃ?!…なこの頃ですが、
春めいた風に、卒業・入学のシーズンになってきたなぁと感じています。

さてさて本日は、世界の中で見る日本の住宅性能についてご紹介します。

今回お送りする内容は、「家づくりを始める前にまず認識していただきたいこと」として、これを広めるため弊社代表高橋が現在の会社を立ち上げることとなったテーマでもあります。

快適・健康で経済的な暮らしが広まりますように。ぜひ最後までお付き合いくださいsmiley

 

先進国の中では欠陥住宅レベル!日本の住宅性能事情


「国産」「Made in Japan」「日本製」という言葉に安心感を感じる方も多いのではないでしょうか。
確かに、勤勉で真面目なものづくりの姿勢は世界から認められるにふさわしいものです。

ですが、実は多くの方が気づいていないだけで残念ながら「これではとても先進国とは言えない」というお粗末レベルの分野…

それが、『住宅』です。



例えば以前のブログ(「冬に結露ができるのは当たり前?」2022.12.10 )でご紹介した『結露』
断熱・気密性能を高めれば、結露は起こらなくなることをお伝えしましたが、今の日本では多くの人が「結露は当たり前、仕方ない」と受け入れて暮らしているのではないでしょうか。

でも、EUの多くの国では、結露が起きると施工業者が責任を問われてしまいます。
結露は「起きてはいけない施工ミス」という扱いになっているのです。


ただ、日本の住宅の性能が先進国の中でダントツに低いのは、「住宅メーカーに技術がないから」という話ではなさそうです。

高性能の住宅を作る環境が日本にはないのです。
もっと言えば、住宅会社にとっては、高性能の住宅を作る必要がありません。

高性能住宅を作る必要がない?!とは、いったいどういうことなのでしょうか。

 

日本のハウスメーカーが高性能住宅を作らない3つの理由


なぜ高性能住宅を作る必要がないのか。
それには大きく分けて、次のような三つの理由があるようです。
 

1、義務じゃないから「まぁいいや」


第一に、先進国の中で日本だけが省エネ基準への適合が義務化されていません。

省エネ基準は、概ね断熱性能や設備の省エネ性能の基準だと考えていただければいいのですが、欧米では特に断熱性能についてとても高い性能が要求されています

そして、その基準への適合が義務化されています。つまり非常に厳しい基準を満たした家でなければ新築が許されません。
ところが日本では、まず省エネ基準が欧米に比較するとゆるゆるす。しかも、主要先進国では唯一、適合が義務化されていないのです。
ですから、「気密や断熱の性能が低くて性能基準を満たさなくても、新築していいよ!」ということになります。

 

2、義務化されたら住宅業界は大変!


おそらく、こんなお粗末な住宅事情でいいとは、国も思っていないはずです。

日本でも遅ればせながら、昨秋に法律が改正され、2025年からゆるゆるの基準ではありますが、やっと適合が義務化されることになりました。


もともとは、2015年に「建築省エネ法」が制定され、2020年までに戸建住宅も含めて義務化することが一度は閣議決定までされていたのですが、結局、住宅に関しては義務化が見送られてしまいました。
真偽のほどはわかりませんが、このときは、住宅業界が義務化に反対したからだと言われています。反対の理由は、いくつか考えられます。

まず、少人数でやっているような小さな工務店が多いこと。

こうした工務店の多くは、省エネ基準を義務化されても、それについていくだけの技術力や体力がありません。
ただ、ここで誤解してほしくないのですが、全ての中小工務店がそうなのではありません。
実態としては、中小工務店は二極化が進んでいます。高性能化に対応できない工務店と、大手ハウスメーカーをはるかにしのぐ高性能住宅を
建てている意識の高い工務店のどちらかに、どんどん二極化しています。

また、高気密・高断熱に対する知識が浅く、旧来からの住まいづくりにとらわれて、「高気密・高断熱住宅はよくない!」と主張しているハウスメーカーや工務店もあります。

彼らの言い分は、たとえば、「法隆寺を見ろ!日本古来の建築で1400年以上も長持ちしている。高気密・高断熱なんて、かえって結露を発生させて、劣化を早める」というものです。日本にはあくまで「風通し」に対する信仰に近いものがあるのですね。

確かに、法隆寺のように、暖房もせずずっと風が通っていて内外の気温差がなければ、それは長持ちします。ですが、冷房や暖房して室内外に温度差が生じる場合、中途半端な気密や断熱だと壁の中で結露が生じます。壁の中で結露が生じると、木を腐らせる腐朽菌や湿った環境を好むシロアリの被害を受けやすく、長持ちしない建物になります。

冷暖房を行って快適・快適に暮らしつつ、建物を長持ちさせたいのであれば、壁の中で結露が起きないように、しっかりと高気密・高断熱にすることが必要なのです。専門家の間でも、その辺りの理解が足りていない方々がいるということです。



 

3、高気密・高断熱住宅の良さとコストを知らない消費者


そして最後の理由として挙げたいのは、ハウスメーカーではなく、消費者側の意識について。

これが実は最大の理由ではないかと、弊社の高橋は言います。

今までご説明してきたように、高気密・高断熱住宅は、健康で快適に暮らすことができるのですが、そのことを知っている消費者はまだまだ少ないのが現状です。

そのうえ、高気密・高断熱住宅にするには、どうしても建設時のコスト(イニシャルコスト)がかさみます。つまり、住宅取得時の値段が高くなってしまいます。消費者心理として、「費用は少しでも安く抑えたい!」というのは当然で、「性能を上げるため」のコストを出し渋ってしまいます。
消費者が、「安く抑えたいからその性能は要らない」という考えなら、メーカーは売るためにも消費者に寄り添うしかありません。

ところが実は、高気密・高断熱住宅はイニシャルコストが多少高くついたとしても、光熱費の削減などで、ランニングコストはかなり低くなります。
コストについてはまた別の機会でご説明しますが、結局のところ、消費者は性能についてもコストについても、よく知らないというのが現状なのです。
 
今後、消費者が賢くなって、「私たちは高性能の家に住みたい!」と意思を明確に示すことができるようになれば、工務店やハウスメーカー側も変わってくるはずですし、消費者の声に応える意識がない会社は淘汰されます。
そういう時代が到来すれば、日本人が真に豊かな暮らし、つまり、健康・快適で経済的な暮らしを実現することになると期待しています。
そのためにも、皆さんに、お粗末な住宅事情と、高気密・高断熱住宅がクオリティー・オブ・ライフを高めるということを、広くお伝えしていきたいと思っています。


次回は、高気密・高断熱のカギを握る「窓」。世界各国と比較しながら日本の断熱基準がどれほど低いものか、そのうえで、どんな窓を選んでいけば良いなど見ていければと思います。お楽しみに♪