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2021/08/26

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日本ボレイト浅葉健介社長に聞く シロアリの対策のポイント②

こんにちは、スタッフの鈴木です。
かれこ数年、運動不足の日々を過ごしておりましたが、健康管理のために家でできるエクササイズを始めました。
友人とオンラインで同時に行うので、長続きしそうです!

さて、今回は日本ボレイト株式会社の浅葉社長に聞く、シロアリ対策のポイントの後半です。


高橋

すでに先程、合成殺虫剤で防蟻処理していた既存住宅もホウ酸で処理することはできるんですか?

 

浅葉社長

もちろんできます。

ただ、スケルトンリノベーションでなければ、床下のアプローチしかできないですけれども、殺虫剤でやるよりは100万倍良いですよね。

 

高橋

それから工務店によっては防蟻処理の考え方で「うちは土台をヒノキを使ってるので大丈夫です!」というお話を聞きますが、これはどうなんでしょうか。


浅葉社長

よくいらっしゃるんですけれども、ヒノキというのはD1特定樹種と言われてですね、無処理でも土台として使えるんです。でも、我々の業界だとヒノキはシロアリに対しては強くないというのは常識なんです。なので、私はヒノキを無処理で使うというのは怖いですね。

 


この表は国交省のHPから引用してきたものなんですけれども、各樹種の耐蟻性を大中小で評価したものです。ヒノキは心材であっても中なんです。ヒノキあろうが、ヒバだろうが、辺材はすべて小なんです。

なので樹種に頼ってシロアリ対策をするというのはちょっと怖いかなと。私はよく言うんですけれども、弓矢が飛び交っている、つまりシロアリがいる戦場ではやはり鎧を着たほうが良いと思うんですよね。鎧を着て、その弓矢が当たっても跳ね返せるくらい。

ただ合成殺虫剤だと、どんどん効果は薄れていってしまいますし、住んでいる方の体に悪影響を及ぼす恐れがある。お子さんの脳の発達に悪影響を及ぼす可能性もある。ましてや、ヒノキを無処理で使うというのは素っ裸で立っているようなもんですから、もし当たってしまったら致命傷になりかねない。

やはり、ホウ酸やACQ(加圧注入材)とかそういったものできちんと長持ちする鎧を着せて、しかも人体に悪影響を及ぼさないものでやっていく必要があると思う。ただ、そういった鎧も空いているところはありますので、そういったところは5年ごとに床下を点検するとかですね、そういったものでメンテナンスをする必要があるかと思います。

 

高橋

アメリカカンザイシロアリについては改めて、詳しく話を伺いたいと思っているんです。ただ、アメリカカンザイシロアリはむしろヒノキを好むという話を聞いたことがあるんですけれども、どうなんでしょうか?

 

浅葉社長

そうですね、おっしゃる通りで、普通のヤマトシロアリとかイエシロアリという土壌に生息している地下シロアリは松とヒノキがあったら、まず松を先に食べるんですね。松がなかったら、ヒノキを食べる。杉とヒノキがあったら、杉を先に食べるんですね。ただ、アメリカカンザイシロアリは逆で、松とヒノキがあったら、ヒノキから食べます。ヒノキ大好きなんですね。

我々もアメリカカンザイシロアリの駆除を年間70件くらいやっているんですけれども、現場に行くと和室の化粧柱ありますよね、あれが大体ヒノキなんですけれども、ペコペコに食われているというケースをよく見ます。

 

高橋

そうなんですね!

アメリカカンザイシロアリについては改めて詳しく伺いますけれども、要は今までの「ヒノキだったら大丈夫だよ。」っていう話はさらにリスクが高まってきているということですね。

 

浅葉社長

そうですね、アメリカカンザイシロアリ対策という意味で言っても、やはり選んじゃいけないと思います。

 

高橋

一方でヤマトシロアリ、イエシロアリ、これらのシロアリは湿った環境を好むという話を聞きますけれども、家の中の壁の中の湿った環境ということでいいますと、壁内結露、住宅の気密性能とか、そういったものと蟻害リスクとの関係について伺いたいのですが、

 

浅葉社長

はい。日本にいる土壌に生息している地下シロアリのヤマトシロアリ、イエシロアリというのがいるというお話をしましたけれども、中でもヤマトシロアリというのは水に誘引される傾向があります。ヤマトシロアリの駆除にいくと、雨漏りや壁体内結露と一緒にいることが多いんですね。やはり壁体内結露というのは、気密性能をおろそかにしたことでおこります。ただ、シロアリリスク以外にも、木材というのは濡れたら必ず腐りますので、そういう意味では、壁体内には起こしちゃダメということが言えると思います。腐ってしまいますから。

 

高橋

なるほど。そういう意味でいうと、家の耐久性の維持のためには、気密を確保するのは非常に重要ということですね。

 

浅葉社長

もちろん、はい。蟻害もそうですし、腐朽もそうですね。

 

高橋

まあ、気密というと省エネ、快適性という観点から議論されがちですけれども、家の耐久性という意味でも非常に重要だということですね。

 

浅葉社長

そして今、高気密・高断熱が増えてきています。そうするとですね、今度使った薬剤が部屋の中に引っ張られるというケースが出てきますので、使う薬剤は気を付けないといけないなと思います。

 

高橋

これ聞いて良いのかわからないんですが、今ホウ酸やACQのメリットを聞くと、なぜ5年で防蟻効果がなくなる、それに人体によろしくない薬剤が7~8割の住宅で使われているのか、素朴な疑問を感じしまいます。これはどういったことなのでしょうか。

 

浅葉社長

えっ、言うんですか?(笑) 

ざっくり言うとですね。まだ、合成殺虫剤が90%以上使われているんですよね。ただ、住まい手さんにホウ酸処理と合成殺虫剤並べて、どっち使いますかと聞くと、100人中100人がホウ酸と答えるんですよね。では、なんで実際の市場が逆なのかということなんですけども、これまでエンドユーザー、住まい手さん、お施主さんを置き去りにして、業者間で決めていたという背景があるかと思うんですね。

合成殺虫剤は新築の時は非常に安いんですね。そうすると住宅会社はイニシャルコストを非常に抑えられるんですよね。シロアリ防除業者さんは新築の時は儲けられないけれども、住まい手さんから5年ごとに再処理費用を数十万円、90%以上の売り上げが見込める。この業者間の論理でずっと使われてきた。

ただ今は、YouTubeで情報を発信できるようになって、住まい手さんも積極的に情報を取りに来ていただけるので、我々の会社も住まい手さんから毎日数件ご連絡いただきます。

また、工務店さんからもお施主さんから言われたんですけれども、といって問い合わせいただいたりして、今やっとエンドユーザー、住まい手さんがシロアリ対策に参加できているということになったんじゃないかなと思いますね。

YouTubeのおかげで、我々ホウ酸業界にとっても非常に画期的な転換期なんじゃないのかなと期待しています。

 

高橋

私の実感値としては、当社が提携している高気密高断熱の工務店・ハウスメーカーさんは農薬系の防蟻処理を行っている会社の割合は低いんですよね。

なので、意識が高い会社であれば、感覚的には、ホウ酸とかを使っている率も高いんだろうなと感じています。

住まい手のことを考えたら、住宅の気密断熱も大切だし、耐震性も大切だし、防蟻処理も重要だと。このバランスの中できちっと考えているかどうかということだと思うんです。

そういう観点からすると、工務店選び、ハウスメーカー選びの時に防蟻処理どうしてますか?と聞くのは非常に有効なんじゃないかと思っているんです。

 

浅葉社長

まさに私もそう思います。住まい手さんにどういった工務店選びをしたら良いかと言われた時にも、私は断熱性とかシロアリ対策、見えなくなるとこころにいかにこだわってきちんと考えて、選択しているのか、それを見極めてくださいとお伝えています。見えなくなるとこって、結局手抜きたい放題なわけですよね。断熱は今省エネがブームになっていますから、“うちはセルロースファーバー、うちはウレタン”というのを広告に載せたりしますけれども、特に劣化対策・防腐・防蟻対策についてはまずチラシとかに載らないですよね。そうするとあまり考えていない、コスト重視のところなんかは合成殺虫剤か無処理のものを使ったりしますので、皆様が住宅選びをするときの一つの判断基準にしていただけると良いかと思います。

 

高橋

一方で先程ちらっとおっしゃいましたけれども、通常合成殺虫剤を使っている工務店と契約しちゃったと。でもこれらのことを知って、やっぱりホウ酸に切り替えるというのは可能ですか。

 

浅葉社長

はい、もちろん可能ですね。それに最近多いですね。工務店さんから直接問い合わせがきて、住まい手さんからの依頼で工務店さんから見積もらえますか、というのは増えていますね。

 

高橋

この場合、工務店さんが自らホウ酸処理の施工をするんじゃなくて、例えば浅葉さんなら浅葉さんのところが施工代理店としてやってくれるという?

 

浅葉社長

はい、我々はトレーニングを受けて資格を取った人間にしかホウ酸を触らせませんので、ホウ酸というのは濃度だったり、しっかり処理をするというのはそうなんですけれども、雨対策というのが非常に重要で雨で溶けて流れてしまう恐れがあります。なので、我々はブルーシートで覆ったり、撥水加工をしたりして、ホウ酸が抜け出ないような処理までしています。これって、今までのインフラであるシロアリ防除業者さんって、なかなかそこまでできないんですよね。なので我々は自前でそういうインフラを作って、施工をしてもらっている。それに対してシロアリの15年保証というのをお付けして、全国で提供している、そんなことをやっています。

 

高橋

なるほど。それから、最近中古住宅を購入してフルスケルトンリノベというケースが増えていますが、事前にシロアリにやられているかどうかをチェックしていただくことが可能なのか。もしやられていた場合に構造の補強は必要だと思うんですが、ホウ酸で処理していただくことは可能なんでしょうか。

 

浅葉社長

はい、もちろんできます。検査というのは見えるところになってしまいますけれども、ただ食われているような感覚というのはあるわけなんですよね。我々はプロフェッショナルですから、雰囲気で何となくわかるというのがありますし、あとはフルスケルトンになっていれば住宅会社さんに補強をしていただきながら、あとはそこに木部にホウ酸処理をしたり、ちょっとした隙間があればホウ酸入りのシーリング材をしたり、そこで最善と考えられる施工をすることができます。

 

高橋

それから、基礎断熱についてですが、床断熱、内基礎断熱、外基礎断熱があります。

高気密高断熱の住宅性能という観点からすると温熱的には外基礎断熱が良いわけです。

ただ、蟻害リスクがあるのでやめたほうが良いという話をよく聞きます。そのあたり、私今一つわからないのが、7~8割の会社が5年しか効果が続かない農薬系の防蟻処理をやっている中で、ホウ酸であったりACQであったり、永続的に続く防蟻処理をやっているのであれば、外基礎断熱でも良いんじゃないのかなと思うんです。

専門の立場からはどう思われますか。

 

浅葉社長

一概には言いづらいところではあるんですが、まずシロアリ対策の考え方なんですけれども、無責任なようなんですが、どんなことをやっても絶対ということはないんですね。シロアリ対策というのは費用対効果を考えながら、どれだけシロアリリスクを低くして、時の経過でリスクが上がってこないように低く抑えるかがシロアリ対策の肝だと思うんですね。なので、これやったから絶対大丈夫ということがないということでいうと、なかなかやはり基礎外断熱はそこから入ってくるリスクを消せないのがこわいかなと。あと、もしシロアリが入ってきたときに簡単に補修ができるというのもひとつ、重要なんですね。

基礎外断熱でシロアリが入ってきてしまうと、断熱材を全て外したりしないといけない難しい工事になったりしまうので、私は基礎外断熱はきちっと考えないといけないと思います。ただ、基礎外断熱でもこうやれば、ある程度のリスクを下げる方法はありますのでまたお問い合わせいただければと思います。なので、先程のご質問ですが、基礎外断熱で木部にこうしたから大丈夫というのはちょっと違う気がします。やっぱり足元から止めないといけないです。

 

高橋

アメリカカンザイシロアリについては浅葉さんのチャンネルの動画で詳しく伺いたいと思います!

 

高橋・浅葉社長

今回はありがとうございました!!